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SEやPMを何年か続けて、ITコンサルの求人を開いてみた。年収の欄には、1,000万円を超える数字も並んでいる。それでも応募の前に、「やめとけ」と打ち込んでしまった人へ。
上位の記事が挙げる理由は、激務、プレッシャー、スキル不足が中心です。スキル不足には、未経験の節で触れます。激務とプレッシャーに、検索の質問によく出てくる未経験・年齢・離職の3つを足して、5つの仮説にしました。
未経験では入れない。プレッシャーが強い。激務で体がもたない。若いうちしか続かない。辞める人が多い。
この5つを、国の統計と転職エージェントの公開求人に当てました。先に1つだけ数字を出します。
2020年の国勢調査では、ITコンサルを含む職業区分で働く65万6,770人のうち、40歳以上は54.0%。いちばん人数が多い年齢は、40代前半です。
統計の「ITコンサル」は、システム設計者やPMと同じ区分で数えられている
ITコンサルタントは、国の統計で何人いるのか
国の統計に、ITコンサルタントだけを数えた区分はありません。国勢調査と就業構造基本調査では、「システムコンサルタント・設計者」に入ります。システムコンサルタントに、システム設計者と情報処理プロジェクトマネージャを合わせた区分です。
2022年の就業構造基本調査では99万6,400人で、うち88.6%が正社員。2020年の国勢調査では65万6,770人で、調べ方と年が違うため数は合いません。仕事の中身と年収は、ITコンサルタントとは何をする仕事かにまとめています。
5つの仮説には、それぞれ次の統計や資料を当てました。
- 未経験では入れない
- IPAのITスキル標準、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)、TechGoの公開求人72件(2026年10月6日9時11分〜20分に取得)の応募条件
- プレッシャーが強い
- job tagの「仕事の性質」(その職業で働く人への調査)
- 激務で体がもたない
- 就業構造基本調査の週間就業時間、賃金構造基本統計調査の労働時間
- 若いうちしか続かない
- 国勢調査と賃金構造基本統計調査の年齢別の人数
- 辞める人が多い
- 雇用動向調査の離職率、就業構造基本調査の転職希望、転職者実態調査の離職理由
当たっていたのは、IT未経験からの入りにくさと競争の強さだった
未経験からITコンサルになれるのか
ITの実務経験がない状態からは、難しいと言っていいと思います。経済産業省とIPAのITスキル標準(V3 2011)では、職種「コンサルタント」はレベル4から7にしか置かれていません。レベル1から3は空白で、その段階の人は市場で想定されていない、という扱いです。
レベル4は、専門分野を持ち、業務上の課題の発見と解決を自分でリードできる段階とされています。
job tagも、実務経験を積んでから就くのが一般的だとしています。多いのは、ITシステムの構築・運用を長く経験した人か、経営コンサルに携わりITにも詳しい人です。一方で近年は、現場の経験を生かしてITやDXのコンサルタントになるなど、就く道が多様になっているとも書いています。
job tagが働く人に聞いた「入職前の実務経験」は、「特に必要ない」が31.8%、1年超が36.4%と分かれます。就いた後は、すぐに一人前とはいきません。「入職後の訓練期間」は、1年を超えるという答えが47.7%ありました。
SEやPMの経験があれば、移れるのか
こちらは、少なくとも応募できる求人は多いと言えます。調べたのは、転職エージェントTechGo(テックゴー)の公開求人です。
2026年10月6日9時11分〜20分に、一覧の全ページから集めました。取得できた6,354件(重複を除く)のうち、求人名や職種名から仕事がITコンサルと読めるものは72件です。
その72件の必須条件を1件ずつ読むと、コンサルの経験を必ず求める求人は1件だけ。66件は、SE・PM・開発・インフラなど、ITの実務経験で条件を満たせる書き方でした。ただし、求める分野や年数、学歴・資格は求人ごとに違います。
逆に、IT未経験でよいと書いた求人は1件もありませんでした。
表1 TechGoのITコンサル系求人72件の必須条件
| 必須条件 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| ITの実務経験で満たせる | 66 | 91.7% |
| コンサルの経験が必須 | 1 | 1.4% |
| コンサルか企画などの経験が必須 | 4 | 5.6% |
| 経験の指定がない | 1 | 1.4% |
| 合計 | 72 | 100.0% |
TechGoの公開求人を2026年10月6日に取得(一覧は9時11分〜20分、詳細は9時22分〜24分)。取れた6,354件(重複を除く)から、当編集部がITコンサル系を選び、表の区分は必須欄の書き方で判定した。「ITコンサル系」は、求人名か募集職種名に「コンサル」があり、仕事の対象がITのもの。社名や部署名にだけ入る求人は除いたが、その中にも仕事内容がITコンサルの求人が6件ある。含めて78件で数えても、コンサルの経験が必須の求人は1件のまま。構成比は四捨五入のため、足しても100.0%にならない。
経験年数を必須に書いた求人は30件で、どの応募ルートにも年数がかかる22件では、中央値が3年です。年齢の上限や下限を書いた求人はなく、若い人向けに条件をゆるめた別ルートを書いた求人が1件ありました。
ただ、求人に年齢制限を書くことは、法律で原則として禁じられています。選考で年齢がどう見られるかは、求人票からは分かりません。
年収を出している49件では、提示額の下限の中央値が646万円、上限の中央値が1,080万円です。件数がいちばん多いアクセンチュアは17件中16件に金額がなく、この49件にはほぼ入っていません。
プレッシャーは、ほかの職業より強いのか
競争の強さについては、当たっています。job tagが働く人への調査から出す「仕事の性質」で、ITコンサルタントの「競争水準」は1〜5点で2.477です。
点が出ている474職業で並べると94位で、上位2割に入ります(順位は当編集部が算出)。一方、時間に追われる度合いを示す「時間的切迫」は3.045で、508職業のうち238位とほぼ真ん中です。
「結果・成果への責任」は3.455で170位でした。締め切りに追われるより、成果で比べられる圧が強い職業だと読めます。
激務は、半分だけ当たっていた
ITコンサルは、週に何時間働いているのか
就業構造基本調査は、残業を含む「ふだんの1週間」の労働時間を、会社ではなく働く人の世帯に聞いています。ITコンサルを含む「情報処理技術者」で見ると、週60時間以上働く人は3.5%。全職業の5.7%より少ない数字です。
正社員に絞っても3.7%で、全職業の7.0%のおよそ半分。極端な長時間で働く人は、統計の上では少数派です。
ただし、少し長めに働く人は多くいます。週45〜59時間の人は38.3%で、全職業の28.0%を10ポイント上回ります。全職業にはパートなどが多く入るため、正社員どうしでは40.1%対34.1%で、差は6ポイントです。
表2 週の労働時間の分布(年間200日以上働く雇用者)
| 週の労働時間 | 情報処理技術者 | 全職業 |
|---|---|---|
| 40時間未満 | 13.9% | 24.5% |
| 40〜44時間 | 44.2% | 40.8% |
| 45〜49時間 | 20.8% | 14.7% |
| 50〜59時間 | 17.5% | 13.3% |
| 60時間以上 | 3.5% | 5.7% |
出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」第34表(2022年10月時点)。雇用者は会社などの役員を除く。情報処理技術者は、システムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者、その他の情報処理・通信技術者の計。半分ほどがシステムコンサルタント・設計者。割合は当編集部が算出(時間が不詳の人も分母に入るため、足しても100%にならない)。
残業の統計は、そのまま信じていいのか
残業の数字だけでは、労働時間が長い職業かどうかは決められません。会社が記入する賃金構造基本統計調査では、システムコンサルタント・設計者の残業は月11時間(2025年6月分)です。全産業の平均と同じですが、前の年(2024年6月分)は15時間で、全産業の11時間を上回っていました。
また、この調査の「残業」には、実際に残業した時間がすべて入るわけではありません。記入要領では、固定残業代の範囲の残業は所定内の時間に入れ、みなし労働時間制は協定の時間で書きます。残業代込みの年俸制なら0で、役職手当があって残業代が出ない人の残業も入れません。
どれも職種を問わない決まりなので、この区分だけ残業が少なく出ているかどうかは分かりません。所定内と残業を足した月184時間は、144職種のうち上から13番目です。ただ、前の年は173時間で62番目、その前は179時間で55番目と、年によって大きく動きます。
SEの残業を職種で並べた比較は、システムエンジニアはやめとけ?にあります。
SEやPMの経験で、どのITコンサル求人に届くか
激務は半分だけ当たっていましたが、多くの求人で入口に要るのは、コンサルの経験ではなくITの実務経験でした。表1の72件のうち66件は、SEやPM、開発、インフラなどの経験で必須条件を満たせる求人です。ただ、分野や年数、学歴・資格の指定は求人ごとに違い、自分の経験がどれに当たるかは求人票だけでは決めにくいところです。
TechGo(テックゴー)は、ITエンジニアの転職支援に特化したエージェントで、ITコンサルの求人も扱っています。面談では、いまの経験で応募できる求人と、提示される年収の幅を確かめられます。ITコンサル出身者もいるアドバイザーが、これまでの経験を聞いたうえで、合う求人を提案する形だからです。
相談はオンラインが中心で、平日の夜や土曜日も選べます。料金はかからず、転職の時期が決まる前でも申し込めます。
当サイトからのご案内は、ITエンジニアとして2年以上の実務経験がある方を想定しています(未経験の方、学生の方は対象外です)。
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「若いうちだけ」と「辞める人が多い」は、外れだった
ITコンサルは、何歳まで続けられるのか
2020年の国勢調査で数えると、40代がいちばん多く、減り方が大きくなるのは50代からで、60歳以上は少数です。システムコンサルタント・設計者の最多は40〜44歳の10万3,350人で、40歳以上が54.0%を占めます。平均年齢は41.3歳です。
同じIT職でも、プログラマーなどのソフトウェア作成者は平均39.1歳で、40歳以上は45.1%。ITコンサルを含む区分のほうが、年齢は高めです。
全就業者と比べると、40〜59歳の割合は50.0%で、全就業者の44.5%より高くなっています。差が大きいのは60歳以上で、全就業者の23.6%に対して4.0%しかいません。

賃金構造基本統計調査(従業員10人以上の会社のフルタイムの人)の同じ名前の職種は、国勢調査と分け方が違います。40歳以上の割合は、2023年56.9%、2024年52.0%、2025年39.8%と年ごとに大きく動きます。2024年と2025年は、25〜29歳がいちばん多い年齢でした。
2015年と2020年の国勢調査で、同じ世代の人数も比べました。2015年に35〜39歳だった世代は5年後に1.5%減、40〜44歳だった世代は2.3%減です。全就業者の同じ世代(0.1%増、1.2%減)よりは減っていますが、差は1〜2ポイントです。

減り方が大きくなるのは50代からで、45〜49歳だった世代は9.7%、50〜54歳だった世代は12.0%減りました。60歳をまたぐ55〜59歳だった世代は31.2%減です。どれも全就業者の同じ世代(4.5%減、6.0%減、13.9%減)の約2倍です。
減った分には、別の職業に移った人や働くのをやめた人、亡くなった人が入ります。管理の仕事が中心になって「管理的職業従事者」の区分へ移った人も入り、内訳は統計からは分かりません。
ITコンサルの離職率は、高いのか
ITコンサルだけの離職率は、国の統計にはありません。近いのは雇用動向調査の「情報通信業」で、2025年の離職率はパートを含めて10.4%(全産業13.7%)。フルタイムの一般労働者に限っても10.0%で、全産業の11.4%を下回りました。
表3 離職率(情報通信業と全産業)
| 年 | 情報通信業 | 全産業 |
|---|---|---|
| 2023年 | 12.8% | 15.4% |
| 2024年 | 10.2% | 14.2% |
| 2025年 | 10.4% | 13.7% |
出典:厚生労働省「雇用動向調査」(令和5年〜令和7年)。情報通信業には通信・放送・出版なども入り、ITコンサル以外の職種も含む。フルタイムの一般労働者に限ると、2023年は情報通信業12.4%、全産業12.1%で、わずかに上回った。2024年は9.8%と11.5%、2025年は10.0%と11.4%で下回った。
辞めたいと思っている人も、多くはありません。就業構造基本調査で転職を希望する人は、情報処理技術者で10.2%。全職業の9.7%とほぼ同じで、正社員では10.0%と全職業の10.3%を下回ります。
正社員の40〜44歳で転職を希望する人は、情報処理技術者が7.7%、全職業が9.9%。25歳から59歳まで、どの年代でも全職業より低くなっています。
辞めた人の理由は、労働時間だったのか
2025年の転職者実態調査で、情報通信業の会社を自分の都合で辞めた人の理由(3つまで)を見ました。多い順に「会社の将来に不安を感じた」35.0%、「賃金が低かった」33.9%です。
労働時間などを含む「労働条件(賃金以外)がよくなかった」は17.7%。全産業の23.4%より低い数字です。辞めた理由として、時間は上位に来ていません。
表4 5つの仮説の判定
| 仮説 | 判定 | 決め手の数字 |
|---|---|---|
| 未経験では入れない | 当たり | IT未経験可と書いた求人は72件中0件 |
| プレッシャーが強い | 当たり | 競争水準は474職業の94位 |
| 激務で体がもたない | 半分 | 週60時間以上3.5%、45〜59時間38.3% |
| 若いうちしか続かない | 外れ | 最多は40〜44歳、40歳以上が54.0% |
| 辞める人が多い | 外れ | 情報通信業の離職率10.4%(全産業13.7%) |
「未経験」はITの実務経験がない場合。求人はTechGoの公開求人のうちITコンサル系の72件で、2026年10月6日9時11分〜20分に取得。労働時間は情報処理技術者、年齢は2020年国勢調査のシステムコンサルタント・設計者の値。離職率は情報通信業の値で、どれもITコンサルだけの数字ではない。プレッシャーは競争の強さで判定し、時間に追われる度合いはほぼ真ん中だった。
よくある質問
ITコンサルはきついですか?
極端な長時間は、ほかの職業より少なめです。ITコンサルを含む情報処理技術者で週60時間以上働く人は3.5%で、全職業の5.7%より少なくなっています。ただし週45〜59時間の人は38.3%と多く、job tagの「競争水準」は474職業の94位で上位2割です。
ITコンサルは何歳まで続けられますか?
2020年の国勢調査では、システムコンサルタント・設計者でいちばん多い年齢は40〜44歳で、40歳以上が54.0%です。同じ世代を5年追うと、40代の減り方は小さく、50代から大きくなります。一方、60歳以上は4.0%で、全就業者の23.6%を大きく下回ります。
未経験からITコンサルになれますか?
ITの実務経験がない場合は難しく、ITスキル標準でもコンサルタントはレベル4からしか置かれていません。一方、TechGoのITコンサル系求人72件では、66件がITの実務経験で応募できる書き方でした。求人は2026年10月6日9時11分〜24分に取ったもので、分野や年数、学歴・資格の指定は求人ごとに違います。
ITコンサルとSEは、どちらがきついですか?
job tagの「仕事の性質」では、時間に追われる度合いも競争の強さも、はっきりした差はありません。時間に追われる度合いは、SE(受託開発)の3.179がITコンサルタントの3.045より少し高くなっています。競争の強さは逆で、ITコンサルタントが2.477、SE(受託開発)は2.359と、どちらも差は0.1点ほどです。
冒頭の54.0%に戻ります。2020年の国勢調査では、ITコンサルを含む職業で働く人の半分以上が40歳以上で、いちばん多いのは40代前半でした。「若いうちだけ」「辞める人が多い」は統計で裏付けがとれず、激務は半分だけ当たっていました。
やめとけが当たるのは、ITの実務を持たずに入ろうとする場合と、成果で比べられる競争が合わない場合です。いまITコンサルで働いていて、後のほうに当たると感じているなら、事業会社の側へ移る道もあります。その席の数は、社内SEへの転職は難しいのかで数えています。
ITコンサルの経験を、事業会社の情報システム部門で
社内SE転職ナビは、社内SE・情シスの転職に特化したサービスです。公式サイトのコラムでは、コンサル経験を活かせる社内SEや情報システム部門の求人も紹介できるとしています。
特化したサービスなので、業務の整理や要件定義の経験がどの求人に合うかを、面談で相談できます。面談は無料です。
当サイトからのご案内は、エンジニアの実務経験がある45歳未満の方を想定しています。希望する勤務地は、東京・神奈川・千葉・埼玉、大阪・京都・兵庫、北海道のいずれかを想定しています。実務未経験の方、エンジニア以外の職種の方は、ご案内の対象外です。
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参考出典
総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」、「令和2年国勢調査」・「平成27年国勢調査」抽出詳細集計
厚生労働省「雇用動向調査結果の概況」令和5〜7年、「令和7年転職者実態調査」、「賃金構造基本統計調査」令和5〜7年と令和8年調査の記入要領、職業情報提供サイト(job tag)「ITコンサルタント」
経済産業省・情報処理推進機構(IPA)「ITスキル標準V3 2011」(1部:概要編、2部:キャリア編)、テックゴー(株式会社MyVision)の公開求人(2026年10月6日取得)/独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース 簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00」職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月6日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
job tagの「仕事の性質」や入職前後の経験・訓練の期間は、その職業で働く人へのWebアンケートによる値です。回答者数の記載はなく、数十人規模とみられるため(当編集部の推定)、小さな差や順位は目安です。サービス内容は2026年10月6日時点の公式サイトの記載です。

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