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社内SEの席は、少ない。
そう聞いて、求人を探す前にあきらめた人は多いと思います。私も長いあいだ、この前提を疑いませんでした。
国の調査で数えてみると、席は45万人分ありました。IT業界の外に、です。
総務省の就業構造基本調査で、情報処理技術者の勤め先を産業ごとに数えた結果と、それでもなぜ難しいと言われるのかを書きます。
席は、本当に少ないのか
情報処理・通信技術者(以下、情報処理技術者)は、2022年10月時点で全国に196万8,900人います。そのうち情報通信業、つまりIT業界で働く人が151万6,400人。77.0%です。
残りの23.0%、45万2,500人は、IT業界の外にいます。製造業、卸売業、金融、公務。ここが社内SEの席です。
情報処理・通信技術者196万8,900人(2022年10月・有業者)の勤め先。IT業界は産業大分類の情報通信業。出典:総務省「令和4年就業構造基本調査」第26表
外の45万2,500人の内訳は、製造業がいちばん多く17万6,300人。学術研究・専門技術サービス業が5万8,300人、卸売・小売業が5万6,100人、金融・保険業が4万400人と続きます。
サービス業の4万9,000人には、労働者派遣業の2万2,900人が入っています。派遣は社内SEとは違うので、これを除いても43万人。IT業界の外に、それだけの席があります。
派遣とSESがどう違うかは、SESはやめとけ、の中身で書きました。
5年で、席はどう動いたか
5年前の2017年調査と比べます。IT業界の外にいる情報処理技術者は、34万200人から45万2,500人へ。11万2,300人、33.0%増えました。
| 産業 | 2022年 | 5年前比 |
|---|---|---|
| 製造業 | 176,300人 | +45.9% |
| 金融・保険業 | 40,400人 | 2.0倍 |
| 公務 | 8,100人 | 2.3倍 |
| 卸売・小売業 | 56,100人 | +31.1% |
| 医療・福祉 | 11,300人 | +37.8% |
| 学術研究・専門技術 | 58,300人 | +10.4% |
| 建設業 | 17,100人 | +9.6% |
| IT業界の外・計 | 452,500人 | +33.0% |
| 参考:情報通信業 | 1,516,400人 | +43.8% |
2017年10月から2022年10月への変化。公表値は100人単位で四捨五入されているため、内訳の合計と計は一致しないことがある。増減率は当編集部が算出。出典:総務省「平成29年就業構造基本調査」「令和4年就業構造基本調査」各第26表
金融・保険業は2万人から4万400人へ、2倍になりました。公務は3,600人から8,100人へ、2.3倍。製造業も45.9%増えています。
IT業界そのものも43.8%増えているので、外の席が特別に速く増えたわけではありません。ただ、減ってもいない。
銀行や役所のように5年前は席の少なかった場所に、席ができています。
足りていないのは、どこか
席が増えているのに、埋まっているのか。IPAが2026年7月に公表した「DX動向2026」に、業種別の答えがあります。
DXを推進する人材の量について「大幅に不足している」と答えた企業は、製造業等で54.2%、金融・保険業で51.0%、流通・小売業で50.2%。IT業界(情報通信業)は31.3%です。
やや不足 大幅に不足 右端は合計
DXを推進する人材の「量」の確保状況(2025年度調査・DXに取り組んでいる企業が対象。製造業等574社、流通・小売業285社、金融・保険業149社、サービス業263社、情報通信業80社)。バーの長さは回答率そのまま。出典:IPA「DX動向2026」データ集 業種別・経年変化
大幅に足りないと言っているのは、IT業界ではなく、その外側です。やや不足を合わせると、製造業等87.3%、流通・小売業88.8%、金融・保険業88.6%。
会社の規模で見ると、従業員301人以上では9割を超えます。301〜1,000人で91.6%、1,001人以上で91.4%。100人以下でも67.6%です。
DXを推進する人材と社内SEは同じ区分ではありません。それでも、事業会社が自社でITを扱う人を探している度合いは、この数字に出ています。
ハローワークの数字も同じ向きです。2026年7月の情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.34倍で、全職業の1.05倍より高い。求人5万2,623件に対して、求職者は3万9,193人です。
では、なぜ難しいと言われるのか

席は45万あって、増えていて、足りていない。それでも社内SEの転職が難しいと言われるのには、理由が3つあると見ています。
1社あたりの席が、数人しかない
45万人分の席は、IT企業のように1社に数百人ではなく、無数の会社に数人ずつ散らばっています。製造業の17万6,300人が、どこかに固まっているわけではありません。
だから求人は、欠員が出たときに1社1名という出方をします。転職サイトで検索して出てくる数が少なく見えるのは、席がないからではなく、席が散っているからです。
採用する側が、欲しい人を言葉にできていない
同じ「DX動向2026」に、こんな数字があります。DXを推進する人材の人材像を設定して社内に周知している企業は16.2%。人材の評価基準がない企業は76.1%。必要なスキルを把握できていない企業は52.8%。
席は空いているのに、どんな人に座ってほしいかが決まっていない会社が、半分以上です。
求人票の要件が「基幹システムの運用経験」「ベンダー管理」のように広く曖昧になるのは、この状態で書かれているからだと思います。SESやSIerで積んだ経験がその会社でどう評価されるかは、求人票からは読めません。
面接で聞かれるのは、技術より業務の言葉
人材紹介で社内SEの面接に送り出したとき、落ちる理由でいちばん多かったのは技術不足ではありませんでした。「うちの業務を分かってもらえるか不安」。製造なら生産管理、金融なら勘定系、卸売なら在庫と受発注です。
採用側は自分たちの言葉で話せる人を探しているのに、要件にはそう書けない。ここが、難しいと言われる正体だと見ています。
要件が曖昧な求人に1社ずつ応募して手応えを探るのは、時間がかかります。書かれていない中身を先に知っている人に聞くほうが早い。
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扱う求人が社内SEと自社開発に絞られているので、担当者はその会社がどの業務を任せたいのか、常駐があるのかを、応募の前に企業へ聞ける立場にいます。
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対象は現役のITエンジニア(実務経験のある方)で、45歳未満、関東・関西・北海道での就業を希望する方です。未経験の方は対象外です。
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席のある産業から、どう探すか
席の地図を先に見ると、探す順番が変わります。
製造業は、機械をつくる会社に集まっている
製造業17万6,300人のうち、情報通信機械2万7,000人、輸送用機械2万4,700人、電子部品・デバイス2万1,400人、生産用機械1万6,700人、業務用機械1万6,000人、電気機械1万5,200人。
この6業種で12万1,000人、製造業の7割です。食品や繊維ではなく、機械をつくる会社に席があります。
金融は、銀行より保険と信販に多い
金融・保険業4万400人の内訳は、保険業1万4,200人、非預金信用機関1万1,800人、銀行7,400人。非預金信用機関はクレジットカード、信販、リースなどの会社です。
銀行のシステムは大きいので銀行に多いと思いがちですが、席の数は保険と信販のほうが上です。
卸売業では機械器具卸売業が2万3,600人で、卸売全体4万900人の半分以上。公務は5年で2.3倍の8,100人です。
もうひとつ。ハローワークに登録している情報処理技術者3万9,193人のうち、2026年7月にハローワーク経由で就職が決まった人は390人です。この職種の席は、公開の窓口の外で埋まっている数のほうが多いと見ています。
社内SEの仕事そのものに向く人、向かない人は社内SEはやめとけ、の正体に書きました。席の場所と、座ったあとの話は別です。
よくある質問
社内SEへの転職は難しいですか?
席の数は少なくありません。総務省の2022年就業構造基本調査では、情報処理・通信技術者196万8,900人のうち45万2,500人(23.0%)がIT業界(情報通信業)の外で働いており、5年で33.0%増えています。難しいと感じる主な理由は、1社あたりの求人が少なく散らばっていることと、採用側が求める人材像を言葉にできていない会社が多いことです(IPA「DX動向2026」では人材像を設定・周知している企業が16.2%)。
社内SEは未経験でもなれますか?
この記事で扱った統計は、実務経験のある情報処理技術者の勤め先の話です。社内SEに特化した転職支援も、対象を現役のITエンジニアに限っています。未経験からIT職を目指す場合は、開発やインフラで実務経験を積む入口を先に選ぶほうが現実的です。
社内SEに転職すると年収は下がりますか?
職業と産業を掛け合わせた年収の統計は公表されていないため、一概には言えません。SEの年収は574万か752万かで確かめたとおり、情報通信業では職種の差より企業規模の差のほうが大きく、1,000人以上と10〜99人で203万5,000円の開きがありました。社内SEでも、移る先の会社の規模で決まる部分が大きいと考えています。
社内SEは何歳まで転職できますか?
統計上の上限はありませんが、転職支援サービス側に条件があります。社内SE転職ナビは45歳未満の現役ITエンジニアが対象です。IPAの調査では従業員301人以上の企業の9割超がDXを推進する人材の不足を答えており、年齢よりも、その会社の業務を自分の言葉で話せるかが問われます。
最後に、社内SEに絞るかどうか迷っている人へ。席が散らばっている以上、社内SE1本で探すと決まるまでに時間がかかります。客先常駐から出る道は、自社開発やITコンサル、事業会社のIT部門にも同じだけあります。
TechGo(テックゴー)は、実務経験2年以上のITエンジニア向けの転職支援です。ITコンサルやメガベンチャーの求人に強い運営会社(MyVision)が運営し、模擬面接を回数無制限で受けられます。
上で見たとおり、社内SEの面接で見られるのは技術より業務の言葉でした。模擬面接で自分の経験を事業側の言葉に翻訳する練習を先に積めるので、要件が曖昧な求人でも、面接の場で評価される側に回れます。面談は無料で、対象エリアの制限はありません。
対象は実務経験2年以上のITエンジニア(20代後半〜30代が中心)です。未経験の方、学生の方は対象外です。
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45万人分の席は、IT業界の外にあります。少ないのは席ではなく、1社あたりの数でした。
参考出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」全国編 第26表(男女、産業、職業、従業上の地位・雇用形態別人口)/「平成29年就業構造基本調査」全国編 第26表/独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2026」(2026年7月30日)本文4.2・4.3、データ集(業種別・従業員規模別)/厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」参考統計表(職業別・常用(パート含む))
情報処理・通信技術者は日本標準職業分類の中分類で、システムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者、その他の情報処理・通信技術者を含みます。本文の「IT業界」は産業大分類の情報通信業(通信業、放送業、情報サービス業、インターネット附随サービス業、映像・音声・文字情報制作業)を指し、「IT業界の外」の人数は総数から情報通信業を引いて算出しました。割合と増減率は当編集部が算出しています。IPA「DX動向2026」の回答企業は情報通信業を含む19業種1,799社で、「DXを推進する人材」は社内SEと同一の区分ではありません。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)に基づくため、申込前に必ずご確認ください。


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