IT業界への転職は未経験からでもできるのか。2025年に情報通信業へ転職した16.7万人のうち、55.5%は前の勤め先が別の業界だった

合同企業説明会の会場を高い位置から見下ろしたリノカット版画風のイラスト。「製造」「飲食」「小売」の看板が下がるブースの列から、「情報通信」の看板のブースへ向かって、スーツ姿の3人が矢印のテープに沿って通路を歩いている 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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求人票の「IT業界経験者歓迎」の一行で、ページを閉じたことがある人へ。その一行の外側で、どれだけの人がIT業界に入っているかを、国の調査で数えました。

2026年8月に公表された厚生労働省の雇用動向調査(2025年分)です。

情報通信業に入職した人を、前の勤め先がどの業界だったかで分けました。転職して情報通信業に入った16万7,000人のうち、前の勤め先も情報通信業だった人は44.5%。残りの55.5%は、別の業界から来ています。

2025年に、IT業界へ入った人は誰か

雇用動向調査は、1年間に会社へ入った人(入職者)を、前に仕事をしていたかどうかで分けています。2025年に情報通信業へ入った人は25万3,800人。内訳は3つです。

転職 69.1%新卒 25.4%
転職して入った人 17万5,300人新規学卒 6万4,500人仕事をしていなかった人(新卒以外) 1万4,000人 5.5%

2025年1年間に情報通信業へ入職した常用労働者の内訳。「仕事をしていなかった人」は、入職前に仕事に就いていなかった新規学卒者以外の人。出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」第16表

10人のうち7人は転職、2.5人は新卒、0.5人は無職やアルバイトなどの状態から。IT業界の入口は、転職が主戦場です。この17万5,300人が、前の職場のどの業界から来たかを次に見ます。

前の勤め先は、どの業界だったか

前職の産業が集計されている転職入職者16万7,000人を、前の勤め先の業界で分けました。

前の勤め先の業界 人数 割合
情報通信業(同じ業界) 7万4,300人 44.5%
サービス業(他に分類されないもの) 2万300人 12.2%
製造業 1万4,800人 8.9%
金融業、保険業 9,700人 5.8%
卸売業、小売業 8,400人 5.0%
学術研究、専門・技術サービス業 8,000人 4.8%
宿泊業、飲食サービス業 5,200人 3.1%
教育、学習支援業 4,700人 2.8%
その他の業界の合計 2万1,600人 12.9%
別の業界から来た人の合計 9万2,700人 55.5%

2025年1年間に情報通信業へ転職した人(前職の産業が集計されている16万7,000人)の、前の勤め先の産業別内訳。「その他の業界」は生活関連サービス・医療福祉・建設・運輸・複合サービス・電気ガス・不動産・農林漁業・その他の合計。出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」第10-1表を当編集部で集計

同じ業界の中で動いた人が44.5%で、いちばん大きい。ただし、それでも半分に届きません。2人に1人以上は、サービス業、製造業、金融、小売、飲食、教育といった、IT以外の業界から来ています。

この55.5%は「IT業界が未経験」であって、職種までは分かりません。

製造業の情報システム部門にいた人も、飲食店の店長だった人も、ここに入ります。それでも、求人票の「業界経験者歓迎」の外側に、9万2,700人分の入口があったことは確かです。

年齢で見ると、20代前半は3人に2人が別の業界から

年齢 人数 同じ業界 別の業界
20〜24歳 1万9,700人 35.5% 64.5%
25〜29歳 3万8,300人 52.0% 48.0%
30〜34歳 3万1,700人 50.8% 49.2%
35〜39歳 1万5,300人 40.5% 59.5%
40〜44歳 1万7,200人 28.5% 71.5%
45〜49歳 1万1,500人 27.8% 72.2%

同じ16万7,000人を年齢で分けたもの。「人数」は転職して情報通信業に入った人、「同じ業界」「別の業界」は前の勤め先が情報通信業か否かの割合。50歳以上は人数が少ないため省略。出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」第10-1表を当編集部で集計

20〜24歳は64.5%が別の業界から。25〜34歳は同じ業界からがわずかに上回り、35歳を超えるとまた別の業界からが増えます。

業界の中で動くのは20代後半から30代前半に集中していて、その前と後ろは、外から入る人のほうが多い。

40代の数字は人数が1万人台なので幅を持って見る必要がありますが、形ははっきりしています。

別の業界から来た9万2,700人が応募した求人は、「業界経験者歓迎」の求人ではありません。業界未経験を前提にした求人が、それだけの数、実際に埋まっています。

ユニゾンキャリアはIT・Web業界専門の転職エージェントで、IT業界が未経験の人の転職も支援しています。

だから、いま出ている求人のうち、上の表の55.5%の人が実際に入っていった側の求人だけを、応募する前に担当者を通して見られます。

「経験者歓迎」の一行で閉じる代わりに、別の業界から入った人の入口に最初から並べます。面談は無料です。

対象は20代・高卒以上で、東京・埼玉・神奈川での就業を希望する方です(居住地は問いません)。

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学歴は、どこまで効いているか

病院の職員用休憩室で、事務服の女性職員が昼休みに丸テーブルでノートPCを開き、おにぎりを片手に画面を見ているリノカット版画風のイラスト。テーブルに付箋つきの薄い参考書とペットボトルのお茶、奥に廊下と窓

同じ調査の学歴の欄も引きます。

2025年に情報通信業へ転職した人の最終学歴は、大学・大学院69.9%、高校15.5%、専修学校9.6%、高専・短大4.8%。

全産業の転職者は大学・大学院33.7%、高校37.5%なので、情報通信業は大卒の割合が2倍以上高い業界です。

ただし、仕事をしていなかった状態から情報通信業に入った1万4,000人では、大学・大学院44.3%、高校30.7%、専修学校17.1%。転職で入る人より、高卒と専門学校卒の割合が2倍前後高い。

無職やアルバイトから入る入口は、転職の入口より学歴の幅が広い。人数は少ないですが、閉じてはいません。

この1万4,000人が仕事を見つけた経路は、広告28.6%、縁故22.1%、ハローワーク10.7%、民営職業紹介所10.0%。転職者と違って、ハローワークとエージェントがほぼ同じ比率で並びます。

入ったあと、年収はどうなったか

入口の話だけで終わらせないために、同じ調査の賃金の欄も置いておきます。

2025年に情報通信業へ転職した人のうち、前職より賃金が増えた人は52.8%、減った人は24.8%。全産業は増えた40.8%、減った31.0%です。20〜24歳では64.6%が増えています。

年齢別の内訳と、何を理由に辞めて何で選んだかは、別の記事にまとめています。

エンジニアの転職で年収は上がるのか。情報通信業に転職した人の52.8%が上がり、25〜29歳は74.3%だった

業界ではなく職業で見た転職の話は、こちらです。専門職に移った5人に2人は、別の仕事から来ていました。

未経験から転職した人は82万人。専門職に移った5人に2人は別の仕事から来た

よくある質問

IT業界は未経験でも転職できますか?

厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、2025年に情報通信業へ転職した16万7,000人のうち、前の勤め先が情報通信業以外だった人が55.5%(9万2,700人)です。サービス業12.2%、製造業8.9%、金融業5.8%、卸売・小売業5.0%が多く、業界未経験からの入職は転職者の半分以上を占めています。

IT業界に転職した人の学歴はどのくらいですか?

2025年に情報通信業へ転職した人の最終学歴は、大学・大学院69.9%、高校15.5%、専修学校9.6%、高専・短大4.8%です。全産業の転職者では大学・大学院が33.7%なので、情報通信業は大卒の割合が高い業界です。仕事をしていなかった状態から入った人では大学・大学院44.3%、高校30.7%。

フリーターや無職からIT業界に入る人はいますか?

2025年に情報通信業へ入職した25万3,800人のうち、入職前に仕事をしていなかった新規学卒者以外の人は1万4,000人(5.5%)です。転職者17万5,300人、新規学卒者6万4,500人と比べると少ないものの、入口として存在しています。この1万4,000人の入職経路は広告28.6%、縁故22.1%、ハローワーク10.7%、民営職業紹介所10.0%です。

IT業界に転職すると年収は上がりますか?

同じ調査では、2025年に情報通信業へ転職した人のうち前職より賃金が増えた人が52.8%、減った人が24.8%でした。全産業では増えた人40.8%、減った人31.0%です。年齢別では25〜29歳の74.3%が増え、40〜44歳では減った人が39.3%と多くなります。

25万3,800人の入口のうち、いちばん狭いのが、仕事をしていない状態からの1万4,000人でした。狭いのは席が無いからではなく、その状態から応募する人が、転職者のように自分の経歴を言葉にする場を持っていないからだと思っています。

JAIC(ジェイック)は、フリーター・既卒・第二新卒の正社員就職を支援するサービスです。無料の研修を受けたあと、書類選考なしで企業の面接に進めます。

だから、職歴の欄が薄いままでも、面接の場に立つところまでは自分で書類を通す必要がありません。1万4,000人の入口に、書類選考を飛ばして並べます。参加も相談も無料です。

対象は18〜35歳で、東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・岐阜・三重・大阪・京都・兵庫・福岡・熊本での就職を希望する方です。

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「IT業界経験者歓迎」の一行の外側に、9万2,700人が並んでいました。いま見ている求人票は、その一行のどちら側ですか。

参考出典
厚生労働省「令和7年雇用動向調査」(2026年8月公表)結果の概要・第8表(学歴別入職者数)・第10-1表(現職産業×前職産業別入職者数)・第13-1表(賃金変動区分別入職者数)・第16表(入職経路別入職者数)
各サービスの公式サイト(対象条件は2026年9月時点)

入職者は常用労働者として入職した人で、産業は入職した事業所の産業です。「別の業界から」は前の勤め先の産業が情報通信業以外であることを示し、前職の職種は問いません。年齢別の割合は集計人数が1万人台の年齢帯を含むため、幅を持って見てください。賃金変動は前職と比べた自己申告の区分で、金額は含まれません。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)を確認してください。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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