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正社員になれない、と検索して、ここに来たのだと思います。先に結論を書きます。
フリーターから正社員になろうとした人のうち、なれた人は66.6%。3人に2人です。
そして、年齢はほとんど関係ありませんでした。関係があったのは、フリーターを続けた年数です。4年を超えると、なれる割合が一気に落ちます。
労働政策研究・研修機構(JILPT)が2021年に行った調査の数字です。順に見ていきます。
3人に2人が、なれている
JILPTは2001年から5年ごとに、東京都の25〜34歳を対象に「若者のワークスタイル調査」を行っています。2021年の第5回で、フリーター経験のある871人に聞いた結果がこうでした。
フリーター経験者を100人として、正社員になろうとした人となれた人の数。2021年調査、25〜34歳の男女計。なろうとした割合68.1%(871人中)、そのうちなれた割合66.6%(593人中)を100人に換算。出典:JILPT「大都市の若者の就業行動と意識の変容」図表4-26・4-28
100人のうち68人が正社員になろうと動き、そのうち45人がなっています。動いた人だけで見れば、66.6%。3人に2人です。
逆に言えば、32人は動いていません。この32人は、なれなかったのではなく、試していない人です。
30代前半のほうが、20代後半より高い
年齢で分けると、25〜29歳でなれた割合は63.6%、30〜34歳は68.5%。30代のほうが5ポイント高い。男性に限ると66.7%と75.2%で、差はさらに開きます。
「20代のうちに」と言われますが、この調査で見るかぎり、30歳を過ぎたから急に不利になる、という数字にはなっていません。
男性の25〜29歳で経年を見ると、2016年調査では61.9%まで下がっていたのが、2021年は66.7%に戻っています。女性は40.8%から61.2%へ、20ポイント上がりました。
分かれ目は、4年目だった
年齢で差がつかないなら、何で差がつくのか。同じ調査に、フリーターを続けた年数ごとの数字があります。
| 続けた年数 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 1年以内 | 68.8% | 74.7% | 64.6% |
| 1〜2年 | 61.2% | 64.2% | 58.8% |
| 2〜3年 | 56.6% | 68.9% | 47.5% |
| 3〜4年 | 61.1% | 69.0% | 55.8% |
| 4〜5年 | 37.9% | 51.4% | 28.8% |
| 5年以上 | 32.3% | 44.3% | 24.5% |
正社員になろうとした人のうち、なれた割合。2021年調査。出典:同報告書 図表4-33(グラフの数値を当編集部が読み取り)
4年を超えると、23ポイント落ちる
3年までは、上下しながらも6割前後で推移します。それが4年を超えた瞬間に、61.1%から37.9%へ。23ポイントの落差です。女性は55.8%から28.8%へ、ほぼ半分になります。
年齢ではなく年数だ、というのはここです。25歳でもフリーターが5年目なら32.3%の側にいて、31歳でも1年目なら68.8%の側にいる。
人材紹介の仕事で、履歴書の空白の長さを気にする相談者が多かったのですが、採用側が見ていたのも年齢より年数でした。同じ26歳でも、卒業してすぐの人と、4年たった人では、聞かれることが変わります。
学歴と、フリーターになった理由でも差がつく
年数のほかに、差が出た要因が2つあります。
ひとつは学歴です。なれた割合は、高卒57.4%、専門・短大・高専卒67.6%、大学・大学院卒72.8%。中卒や高校中退は48.1%でした。
もうひとつは、フリーターになった理由です。調査は理由から4つの型に分けています。
| なった理由 | なれた割合 | 平均の年数 |
|---|---|---|
| 資格・技能のため | 80.5% | 3年10か月 |
| やりたいこと未定 | 66.1% | 4年5か月 |
| やむを得ず | 62.6% | 3年11か月 |
| 夢を追うため | 52.6% | 5年5か月 |
報告書の類型名は順に「ステップアップ型」(資格や技能を身につけるため)「モラトリアム型」(やりたいことが決まらず)「やむを得ず型」(正社員になれず)「夢追求型」(夢を追うため)。なれた割合は正社員になろうとした人のうちの割合、年数はフリーター継続期間の平均(46.1・53.2・46.7・65.3か月)。出典:同報告書 図表4-32・4-34
「やむを得ず」なった人は、5年で19ポイント上がった
正社員になれずにやむを得ずフリーターになった人は、2016年調査ではなれた割合が43.3%でした。それが2021年は62.6%。5年で19ポイント上がっています。
報告書はこれを、労働市場が好転した影響だと見ています。裏を返せば、景気が悪くなればこの層から先に下がる、ということでもあります。
なろうとした人の3人に1人は、なれていません。厚生労働省の令和5年の調査では、卒業後に正社員以外で働いた理由の2番目が「正社員求人に応募したが採用されなかった」で18.2%。応募の段階で止まっている人が、それだけいます。
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正社員になった人は、何をしたのか

なろうとした人が実際に何をしたかも、調査に出ています。複数回答で、多い順に並べます。
ハローワークなど公的機関で相談した、が37〜42%。他の会社の正社員に応募した、が25〜38%。正社員になる見込みのある仕事に応募した、が19〜34%。資格試験を受けた、が12〜19%。
そして、アルバイト先で正社員登用に応募した、は8〜14%でした。
アルバイト先での登用は、1割しか使っていない
ここが意外でした。厚生労働省の令和5年の若年者雇用実態調査では、正社員以外を正社員に転換する制度がある事業所は59.9%。10年前の48.3%から12ポイント増えています。1,000人以上の会社では73.7%です。
6割の会社に制度があるのに、使った人は1割。いま働いている店や会社に制度があるかを聞くだけで、応募先が1つ増えます。
なお同じ調査で、いまの若年正社員のうち、卒業後の1年間は正社員以外で働いていた人が10.2%います。正社員の10人に1人は、そこから移ってきた人です。
この数字の、限界と読み方
先に書いておくべきことがあります。この調査は東京都の25〜34歳が対象で、なれた割合の分母は593人です。地方では求人の数も業種も違うので、そのまま当てはまるとは限りません。
それでも、年数の壁と、学歴・理由による差の形は、2016年調査でも同じ向きに出ていました。数字の大きさは場所で変わっても、4年目で落ちる形は変わらないと見ています。
いま何年目かを数えてください。3年目までなら、動いた人の6割はなれている側です。4年目が近いなら、応募の回数より、書類で止まらない入口を選ぶほうが先です。
よくある質問
フリーターから正社員になれる割合はどのくらいですか?
JILPTの2021年調査(東京都の25〜34歳)では、フリーター経験者の68.1%が正社員になろうとし、そのうち66.6%が正社員になっています。経験者100人に換算すると45人が正社員になり、32人は試みていません。
フリーターは何歳まで正社員になれますか?
同じ調査で、正社員になろうとした人のうちなれた割合は25〜29歳が63.6%、30〜34歳が68.5%で、30代前半のほうが高くなっています。年齢より、フリーターを続けた年数のほうが影響が大きく、4年を超えると割合が落ちます。
フリーター歴が長いと正社員になりにくいですか?
なりにくくなります。フリーターを続けた年数別になれた割合は、1年以内68.8%、3〜4年61.1%に対し、4〜5年は37.9%、5年以上は32.3%です。4年を境に23ポイント下がります。女性は3〜4年の55.8%から4〜5年の28.8%へ、ほぼ半分になります。
フリーターから正社員になるには何をすればいいですか?
調査で正社員になろうとした人が実際にしたことは、ハローワークなど公的機関での相談が37〜42%、他社の正社員への応募が25〜38%、正社員になる見込みのある仕事への応募が19〜34%でした。アルバイト先の正社員登用への応募は8〜14%にとどまりますが、正社員転換制度がある事業所は59.9%あるので、まず今の職場に制度があるかを確認する価値があります。
最後に、4年目が近い人へ。表の落差は、能力が落ちたからではなく、応募先が書類で年数を見るからだと思っています。人材紹介で見てきた範囲でも、空白が4年を超えると面接に呼ばれる回数が目に見えて減りました。
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なろうとした人の3人に2人はなれていて、分かれ目は年齢ではなく4年目でした。いま何年目で、4年目まであと何か月ありますか。
参考出典:労働政策研究・研修機構(JILPT)労働政策研究報告書No.213「大都市の若者の就業行動と意識の変容―『第5回 若者のワークスタイル調査』から―」(2022年)第4章 図表4-26・4-28・4-30・4-32・4-33・4-34・4-35・4-37/厚生労働省「令和5年 若年者雇用実態調査」事業所調査「正社員への転換について」表6、個人調査「これまでの就業状況」表14・表15
JILPTの調査は2021年1〜3月に東京都在住の25〜34歳を対象に実施されたもので、全国の数字ではありません。「なれた割合」の分母は正社員になろうとした593人、フリーター経験者は871人です。継続期間別の数値は報告書のグラフから当編集部が読み取りました。類型別の「平均の年数」は報告書の月数(46.1・53.2・46.7・65.3か月)を年と月に換算しています。100人換算の人数は当編集部が算出しました。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)に基づくため、申込前に必ずご確認ください。

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