フリーターから正社員になれたのは3人に2人。分かれ目は年齢ではなく、4年目だった

ハローワークの相談窓口。相談員の肩越しに、カウンターに置かれた履歴書が見える。職歴欄には2022年4月からアルバイト、2026年9月現在に至ると書かれ、向かいに座る20代の男性が緊張した表情で相談員を見ている 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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正社員になれない、と検索して、ここに来たのだと思います。先に結論を書きます。

フリーターから正社員になろうとした人のうち、なれた人は66.6%。3人に2人です。

そして、年齢はほとんど関係ありませんでした。関係があったのは、フリーターを続けた年数です。4年を超えると、なれる割合が一気に落ちます。

労働政策研究・研修機構(JILPT)が2021年に行った調査の数字です。順に見ていきます。

3人に2人が、なれている

JILPTは2001年から5年ごとに、東京都の25〜34歳を対象に「若者のワークスタイル調査」を行っています。2021年の第5回で、フリーター経験のある871人に聞いた結果がこうでした。

経験者100人
なろうとした68人
なれた45人

フリーター経験者を100人として、正社員になろうとした人となれた人の数。2021年調査、25〜34歳の男女計。なろうとした割合68.1%(871人中)、そのうちなれた割合66.6%(593人中)を100人に換算。出典:JILPT「大都市の若者の就業行動と意識の変容」図表4-26・4-28

100人のうち68人が正社員になろうと動き、そのうち45人がなっています。動いた人だけで見れば、66.6%。3人に2人です。

逆に言えば、32人は動いていません。この32人は、なれなかったのではなく、試していない人です。

30代前半のほうが、20代後半より高い

年齢で分けると、25〜29歳でなれた割合は63.6%、30〜34歳は68.5%。30代のほうが5ポイント高い。男性に限ると66.7%と75.2%で、差はさらに開きます。

「20代のうちに」と言われますが、この調査で見るかぎり、30歳を過ぎたから急に不利になる、という数字にはなっていません。

男性の25〜29歳で経年を見ると、2016年調査では61.9%まで下がっていたのが、2021年は66.7%に戻っています。女性は40.8%から61.2%へ、20ポイント上がりました。

分かれ目は、4年目だった

年齢で差がつかないなら、何で差がつくのか。同じ調査に、フリーターを続けた年数ごとの数字があります。

続けた年数 男女計 男性 女性
1年以内 68.8% 74.7% 64.6%
1〜2年 61.2% 64.2% 58.8%
2〜3年 56.6% 68.9% 47.5%
3〜4年 61.1% 69.0% 55.8%
4〜5年 37.9% 51.4% 28.8%
5年以上 32.3% 44.3% 24.5%

正社員になろうとした人のうち、なれた割合。2021年調査。出典:同報告書 図表4-33(グラフの数値を当編集部が読み取り)

4年を超えると、23ポイント落ちる

3年までは、上下しながらも6割前後で推移します。それが4年を超えた瞬間に、61.1%から37.9%へ。23ポイントの落差です。女性は55.8%から28.8%へ、ほぼ半分になります。

年齢ではなく年数だ、というのはここです。25歳でもフリーターが5年目なら32.3%の側にいて、31歳でも1年目なら68.8%の側にいる。

人材紹介の仕事で、履歴書の空白の長さを気にする相談者が多かったのですが、採用側が見ていたのも年齢より年数でした。同じ26歳でも、卒業してすぐの人と、4年たった人では、聞かれることが変わります。

学歴と、フリーターになった理由でも差がつく

年数のほかに、差が出た要因が2つあります。

ひとつは学歴です。なれた割合は、高卒57.4%、専門・短大・高専卒67.6%、大学・大学院卒72.8%。中卒や高校中退は48.1%でした。

もうひとつは、フリーターになった理由です。調査は理由から4つの型に分けています。

なった理由 なれた割合 平均の年数
資格・技能のため 80.5% 3年10か月
やりたいこと未定 66.1% 4年5か月
やむを得ず 62.6% 3年11か月
夢を追うため 52.6% 5年5か月

報告書の類型名は順に「ステップアップ型」(資格や技能を身につけるため)「モラトリアム型」(やりたいことが決まらず)「やむを得ず型」(正社員になれず)「夢追求型」(夢を追うため)。なれた割合は正社員になろうとした人のうちの割合、年数はフリーター継続期間の平均(46.1・53.2・46.7・65.3か月)。出典:同報告書 図表4-32・4-34

「やむを得ず」なった人は、5年で19ポイント上がった

正社員になれずにやむを得ずフリーターになった人は、2016年調査ではなれた割合が43.3%でした。それが2021年は62.6%。5年で19ポイント上がっています。

報告書はこれを、労働市場が好転した影響だと見ています。裏を返せば、景気が悪くなればこの層から先に下がる、ということでもあります。

なろうとした人の3人に1人は、なれていません。厚生労働省の令和5年の調査では、卒業後に正社員以外で働いた理由の2番目が「正社員求人に応募したが採用されなかった」で18.2%。応募の段階で止まっている人が、それだけいます。

JAIC(ジェイック)の就職カレッジは、フリーター・既卒・中退の人向けの就職支援で、書類選考がありません。無料の研修を受けたうえで、参加企業との面談にまとめて進む形です。

だから、応募の回数を積み上げて4年目を迎えるのではなく、話す場面から始められます。上の表で落差が出る手前で動くなら、書類の段階を最初から置いていない入口のほうが早い。面談は無料です。

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正社員になった人は、何をしたのか

飲食店のバックヤードの通路。コルクボードの掲示板に「正社員登用制度のご案内」の貼り紙があるが、トレーを持ったアルバイトの男性は見ずに足早に通り過ぎている

なろうとした人が実際に何をしたかも、調査に出ています。複数回答で、多い順に並べます。

ハローワークなど公的機関で相談した、が37〜42%。他の会社の正社員に応募した、が25〜38%。正社員になる見込みのある仕事に応募した、が19〜34%。資格試験を受けた、が12〜19%。

そして、アルバイト先で正社員登用に応募した、は8〜14%でした。

アルバイト先での登用は、1割しか使っていない

ここが意外でした。厚生労働省の令和5年の若年者雇用実態調査では、正社員以外を正社員に転換する制度がある事業所は59.9%。10年前の48.3%から12ポイント増えています。1,000人以上の会社では73.7%です。

6割の会社に制度があるのに、使った人は1割。いま働いている店や会社に制度があるかを聞くだけで、応募先が1つ増えます。

なお同じ調査で、いまの若年正社員のうち、卒業後の1年間は正社員以外で働いていた人が10.2%います。正社員の10人に1人は、そこから移ってきた人です。

この数字の、限界と読み方

先に書いておくべきことがあります。この調査は東京都の25〜34歳が対象で、なれた割合の分母は593人です。地方では求人の数も業種も違うので、そのまま当てはまるとは限りません。

それでも、年数の壁と、学歴・理由による差の形は、2016年調査でも同じ向きに出ていました。数字の大きさは場所で変わっても、4年目で落ちる形は変わらないと見ています。

いま何年目かを数えてください。3年目までなら、動いた人の6割はなれている側です。4年目が近いなら、応募の回数より、書類で止まらない入口を選ぶほうが先です。

よくある質問

フリーターから正社員になれる割合はどのくらいですか?

JILPTの2021年調査(東京都の25〜34歳)では、フリーター経験者の68.1%が正社員になろうとし、そのうち66.6%が正社員になっています。経験者100人に換算すると45人が正社員になり、32人は試みていません。

フリーターは何歳まで正社員になれますか?

同じ調査で、正社員になろうとした人のうちなれた割合は25〜29歳が63.6%、30〜34歳が68.5%で、30代前半のほうが高くなっています。年齢より、フリーターを続けた年数のほうが影響が大きく、4年を超えると割合が落ちます。

フリーター歴が長いと正社員になりにくいですか?

なりにくくなります。フリーターを続けた年数別になれた割合は、1年以内68.8%、3〜4年61.1%に対し、4〜5年は37.9%、5年以上は32.3%です。4年を境に23ポイント下がります。女性は3〜4年の55.8%から4〜5年の28.8%へ、ほぼ半分になります。

フリーターから正社員になるには何をすればいいですか?

調査で正社員になろうとした人が実際にしたことは、ハローワークなど公的機関での相談が37〜42%、他社の正社員への応募が25〜38%、正社員になる見込みのある仕事への応募が19〜34%でした。アルバイト先の正社員登用への応募は8〜14%にとどまりますが、正社員転換制度がある事業所は59.9%あるので、まず今の職場に制度があるかを確認する価値があります。

最後に、4年目が近い人へ。表の落差は、能力が落ちたからではなく、応募先が書類で年数を見るからだと思っています。人材紹介で見てきた範囲でも、空白が4年を超えると面接に呼ばれる回数が目に見えて減りました。

だから、年数を見られる前に、話す場面に出るのが先です。JAIC(ジェイック)の就職カレッジは書類選考がなく、無料の研修のあと参加企業との面談にまとめて進みます。

企業が見るのは履歴書の空白ではなく、研修で見せた姿勢と、面談で話した中身になります。年数を減らすことはできませんが、年数で判断されない場に立つことはできます。相談は無料で、合わなければそこで止めて構いません。

対象は18〜35歳で、東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・岐阜・三重・大阪・京都・兵庫・福岡・熊本での就職を希望する方です。

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なろうとした人の3人に2人はなれていて、分かれ目は年齢ではなく4年目でした。いま何年目で、4年目まであと何か月ありますか。

参考出典:労働政策研究・研修機構(JILPT)労働政策研究報告書No.213「大都市の若者の就業行動と意識の変容―『第5回 若者のワークスタイル調査』から―」(2022年)第4章 図表4-26・4-28・4-30・4-32・4-33・4-34・4-35・4-37/厚生労働省「令和5年 若年者雇用実態調査」事業所調査「正社員への転換について」表6、個人調査「これまでの就業状況」表14・表15

JILPTの調査は2021年1〜3月に東京都在住の25〜34歳を対象に実施されたもので、全国の数字ではありません。「なれた割合」の分母は正社員になろうとした593人、フリーター経験者は871人です。継続期間別の数値は報告書のグラフから当編集部が読み取りました。類型別の「平均の年数」は報告書の月数(46.1・53.2・46.7・65.3か月)を年と月に換算しています。100人換算の人数は当編集部が算出しました。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)に基づくため、申込前に必ずご確認ください。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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