基本情報技術者試験の合格率を学歴と年齢で分けたら、20%から77%まで開いていた

CBTテストセンターの待合で、入室を待つ受験者の列。制服の高校生からスーツの20代、30代の女性、40代と50代の男性まで年齢の違う6人が同じ列に並び、受付のスタンド看板に「基本情報技術者試験」と書かれている 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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38.3%。基本情報技術者試験の、令和7年度の合格率です。3年前の同じ試験は47.1%でした。

この数字を見て、自分が受かるかどうかを占う人が多いと思います。ただ、この38%は誰の合格率でもありません。

IPAは合格率を、学歴と年齢と経験年数で分けて毎月公表しています。分けてみると、同じ試験なのに20%の層と77%の層がありました。順に追います。

2023年4月、56.4%から始まった

基本情報技術者試験は2023年4月に大きく変わりました。年2回の会場試験から通年のCBTになり、午後試験は科目Bになりました。

その最初の月、2023年4月の合格率は56.4%でした。受験者10,513人のうち5,928人が受かっています。

そこから、月を追うごとに下がります。2023年10月に42.4%、2024年3月に42.0%。年度で見ると、令和5年度47.1%、令和6年度40.8%、令和7年度38.3%です。

直近の2026年3月は35.8%。3年で20ポイント落ちました。

年度 応募者(人) 受験率 合格率
令和5年度 140,774 86.4% 47.1%
令和6年度 157,259 85.0% 40.8%
令和7年度 172,217 85.5% 38.3%
令和8年度 52,349 84.1% 38.5%

令和8年度は4〜7月分。受験率は受験者数÷応募者数。出典:IPA「情報処理技術者試験 統計資料 令和8年7月分(基本情報技術者試験)」推移表

受けに来なかった人は、15%しかいない

もうひとつ、この表で見てほしいのは受験率です。85%前後で、申し込んだ人のほとんどが受けています。

以前応用情報の受験率を調べたときは66.4%で、3人に1人が会場に来ていませんでした。基本情報は日付を自分で選べるので、そこは違います。

ひとつ下のITパスポートは合格率48.6%で、こちらは年齢が上がるほど受かります。基本情報と逆の形はITパスポートの難易度で確かめました。

つまり基本情報の合格率は、受けに来なかった人で薄まっていません。受けた人の6割が落ちている、という数字です。

同じ38%でも、学歴で3倍違う

自習室の長机で同じ問題用紙に向かう2人の手元。左のパーカーの学生はノートに書き進め、右のワイシャツにネクタイの社会人は鉛筆を持ったまま手が止まり、脇に消しゴムのかすが散っている

ここからが本題です。令和8年度の4〜7月分を、最終学歴で分けます。社会人の受験者です。

最終学歴 受験者 合格率
大学院・情報系 472 65.0%
大学院・その他 1,530 60.3%
理工系・その他 1,641 45.6%
理工系・情報系 1,725 44.9%
文系・その他 4,525 32.7%
文系・情報系 1,076 27.0%
専門学校・情報系 481 20.2%

令和8年度4〜7月分。「理工系」「文系」は大学卒、「その他」は情報系以外の学科(正式区分は「大学院(情報系以外)」「大学(情報系以外の理工系)」「大学(情報系以外の文系)」など)。バーの長さは合格率そのもの(100%が右端)。受験者100人未満の区分と、学歴無記入の19,418人(合格率37.7%)は省略。出典:同資料 最終学歴別一覧表

いちばん上と下で、44.8ポイント。情報系の大学院を出た人は3人に2人が受かり、情報系の専門学校を出た人は5人に1人です。

いちばん多い層が、いちばん低い側にいる

受験者の数を見てください。学歴が分かる社会人のなかで最も多いのは、文系の大学を出た人で4,525人。その合格率が32.7%です。

学生の側も同じ形です。在学中の受験者で最も多いのは情報系の専門学校生2,566人で、合格率は24.5%。情報系の大学院生は76.5%でした。

平均の38%を押し下げているのは、受験者の多い層です。逆に言えば、あなたがその層にいないなら、38%は関係のない数字です。

文系だから、ではない

文系の数字が低く見えますが、学生に限ると違います。在学中の文系(情報系以外)は40.8%で、学生全体の39.9%と同じです。

社会人の文系が32.7%まで下がるのは、文系だからというより、次に見る年齢の影響が大きい。

文系の社会人がこの試験を受ける理由の多くは、転職です。取り切ってから動くと、そのぶん動き出しが遅れます。

以前基本情報は未経験の転職に意味があるかで書いたとおり、採用側が見ているのは合格証そのものより、学習を続けられる人かどうかです。つまり勉強中という状態は、待つ期間ではなく、応募の材料になります。

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年齢で見ると、30歳を境に平均を割る

同じ4〜7月分を、年齢で分けます。

年齢 受験者 合格率
10代 4,465 32.4%
20〜24歳 19,620 43.2%
25〜29歳 10,452 40.4%
30〜34歳 3,912 34.3%
35〜39歳 2,063 31.2%
40代 2,233 24.4%
50代 1,080 23.6%

令和8年度4〜7月分。60歳以上200人(18.0%)は省略。年齢帯は当編集部が1歳刻みの表から集計。出典:同資料 年齢別一覧表

受験者の45%が20〜24歳で、合格率は43.2%。25〜29歳も40.4%で、平均を押し上げているのは20代です。30歳を境に平均を割り、5歳ごとに3〜7ポイントずつ下がります。

30代は3人に1人、40代は4人に1人

30〜34歳が34.3%、35〜39歳が31.2%、40代が24.4%。30代で受ける人の合格率は、公表されている平均より4〜7ポイント低い。

これは能力の話ではなく、時間の話だと思っています。20代前半の受験者の多くは学生か新入社員で、勉強に使える時間の量が違う。人材紹介の仕事で30代の転職相談を受けていたとき、資格の勉強が止まる理由はほぼ全部「時間」でした。

3年で20ポイント下がった理由は、公表されていない

なぜ下がったのか。IPAは理由を公表していません。分かっているのは、中身だけです。

ひとつは科目Bです。2023年4月から、午後試験に代わってアルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティの2分野に絞られました。

もうひとつは受験者の増加です。応募者は3年で140,774人から172,217人へ、22%増えています。

増えた分がどの層なのかは、月次の資料からは追えません。ただ、受験者の多い層ほど合格率が低いという構造は、今の資料にはっきり出ています。

自分の数字を、どこに置くか

38%は、自分の合格率ではありません。学歴と年齢の表で自分の行を探すと、その数字が20%台か60%台かで、要る勉強の量が変わります。

文系の大卒で30代なら、目安は3人に1人。私が相談を受けてきた範囲では、この層で受かる人と落ちる人の差は、科目Bのアルゴリズムを手を動かして解いたかどうかでした。

次の一手を1つだけ書きます。自分の行の数字を見て、それを合格率だと思って計画を立ててください。38%で計画すると、半年後にもう一度この表を見ることになります。

よくある質問

基本情報技術者試験の合格率はどのくらいですか?

令和7年度は38.3%です。CBT方式になった2023年4月は56.4%でしたが、令和5年度47.1%、令和6年度40.8%と下がり続け、直近の2026年3月は35.8%でした。令和8年度4〜7月の累計は38.5%です。

基本情報技術者試験の合格率が低い理由は何ですか?

IPAは理由を公表していません。分かっているのは、受験者の多い層ほど合格率が低いという構造です。社会人で最も多い文系大卒は32.7%、学生で最も多い情報系の専門学校生は24.5%で、平均を押し下げています。2023年4月に午後試験が科目Bに変わり、アルゴリズムと情報セキュリティに絞られたことも関係していると考えられます。

文系でも基本情報技術者試験に合格できますか?

できます。令和8年度4〜7月分で、在学中の文系(情報系以外)の合格率は40.8%で、学生全体の39.9%と同じ水準です。社会人の文系大卒は32.7%とやや低くなりますが、これは学歴より年齢と勉強時間の影響が大きいと見ています。

30代や40代でも基本情報技術者試験に受かりますか?

受かります。ただし合格率は年齢とともに下がり、令和8年度4〜7月分で30〜34歳が34.3%、35〜39歳が31.2%、40代が24.4%です。20〜24歳の43.2%より低いので、平均の38%ではなく自分の年齢帯の数字を前提に勉強時間を確保するほうが確実です。

最後に、独学で進めている人へ。この表で合格率が低い側にいる人ほど、落ちる場所は決まっています。科目Bのアルゴリズムです。

知識を暗記する科目Aと違って、科目Bは手を動かして解けるようになるまでに時間がかかります。ここで詰まった人が、参考書を最初から読み直して、また同じ場所で止まる。相談を受けてきた範囲では、落ちる人の多くがこの繰り返しでした。

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個別指導なので、参考書を最初からやり直すのではなく、いま詰まっている問題だけを講師と解く形にできます。合格率が低い層に必要なのは勉強時間の量より、詰まった場所を潰す順番です。

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参考出典:IPA 独立行政法人情報処理推進機構「統計情報(基本情報技術者試験)」「情報処理技術者試験 統計資料 令和8年7月分(基本情報技術者試験)」(令和8年8月21日現在)の推移表・最終学歴別一覧表・在学中の学校等一覧表・年齢別一覧表

合格率はいずれも受験者数を分母とした値です。学歴別・年齢別の数値は令和8年度4〜7月分(受験者44,025人)の累計で、年度合計とは異なります。年齢帯の集計は当編集部が1歳刻みの一覧表から算出しました。学歴別の表では受験者100人未満の区分と学歴無記入を省略しています。合格率が下がった理由についての記述は資料の構造から読み取れる範囲にとどめ、IPAの公式見解ではありません。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)に基づくため、申込前に必ずご確認ください。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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