「IT転職はやめとけ」は正しい?元人材紹介が”5つのやめとけ論”を検証してみた

夕暮れの分かれ道に立つリュックの若者が地図を手に道を選んでいる。左には矢印を掲げた群衆(やめとけの声)、右には開けた穏やかな道が続くヴィンテージポスター風イラスト。 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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「IT転職 やめとけ」。

そう検索したあなたは、たぶん、もう一歩を踏み出しかけています。

求人を眺めて、スクールのページを開いて。
でも最後に、「本当に大丈夫なのか」を確かめたくなった。

その慎重さは、正しい。
勢いだけで飛び込むより、ずっと賢いです。

ただ——見ず知らずの誰かの「やめとけ」を、
そのまま自分の結論にするのも、同じくらい危ない。

元・IT人材紹介のカツジンです。
「企業がどんな人を、いくらで採るのか」を、現場で見てきました。

その立場から、ネットでよく見る5つの”やめとけ論”を、一つずつ検証します。

半分は本当。半分は、ズレている。
読み終わる頃には、「進んでいいのか、やめておくべきか」の判断材料が手に入るはずです。

「IT転職はやめとけ」と言われる、5つの理由

まず、”やめとけ”の中身を分解します。
感情論を抜くと、だいたいこの5つに集約されます。

1「IT業界は激務。終電・徹夜が当たり前で、身体を壊す」

検証:それは”特定の現場”の話。”業界全体”の話ではない

炎上プロジェクトや、深夜対応が続く現場。
確かに、あります。これは嘘ではありません。

でも、それを「IT=激務」と一括りにするのは乱暴です。

もし本当に、人が潰れて辞めていくだけの業界なら——
そもそも、人は集まり続けません。

激務は”業界の宿命”ではなく、どの会社・どの案件を選ぶかの問題。
特に消耗しやすいのは、多重下請けの下層です。

その構造は「SESを辞めたいは甘えじゃない」で解説しています。

2「一生、勉強し続けないといけない。しんどい」

検証:事実。ただし、それは”弱点”ではなく”最大の強み”

これは、本当です。
ITは、学び続ける仕事。

でも、少し立ち止まってみてください。

営業や事務の多くは、社歴や年齢で評価の天井が決まりがち。
一方でITは、「新しく学んだ人」が評価される、数少ない世界です。

だから、後から入った未経験者でも、学べば先行者に追いつける。

「勉強し続けなきゃいけない」の裏側は、
「学べば、いつからでも巻き返せる」なんです。

怖いのは、勉強そのものより”一人で続けて挫折する”こと。
その理由は「独学はなぜ挫折するのか」に書きました。

3「もうエンジニアは飽和した。オワコンだ」

検証:飽和と人手不足が、同時に起きている

「飽和」と「人手不足」。
矛盾するようですが、ITでは両方が同時に起きています。

飽和しているのは、言われたことしかできない”名ばかり”の層

一方で、きちんと設計し、作れる人材は、まだ足りていません。
経済産業省の試算でも、先端IT人材は2030年に大きく不足するとされています。

だから、問題はこうです。
「飽和したから入るな」ではなく、「飽和する側に、回るな」

どちら側に立つかは「『AIで仕事がなくなる』は半分ホント」で詳しく扱っています。

4「未経験は、どうせ使い捨てにされる」

検証:半分本当。”未経験だから”ではなく”入口を間違えたから”

これは、正直に言えば半分当たっています。

入口を間違えると、多重下請けの底で、経験も積めないまま消耗する。
そういうことは、確かにある。

でも、それは「未経験だから」ではありません。
「構造を知らないまま、入口を選んでしまったから」です。

同じ未経験スタートでも、最初にどの入口を選ぶかで、3年後の景色はまるで変わります。

大事なのは「未経験はやめとけ」ではなく、「入口を、知ったうえで選べ」。
その全体像は「未経験からIT転職・現実的ロードマップ」に整理しています。

5「これから学んでも、どうせAIに奪われる」

検証:奪われるのは”作業”。増えるのは”AIを使って作る人”

AIに代替されるのは、単純な”作業”です。

逆に、AIを道具として使いこなす人の価値は、上がっていく。
むしろ、これから学ぶ人は最初からAIを前提に学べる分、有利ですらあるんです。

「AIが来るから、やめとく」。
それは、「電卓が来たから、算数をやめる」に少し似ています。

(どの仕事が減り、どの仕事が増えるかのデータは「AIでなくなる仕事ランキング」に整理しました)

道具が変わっても、それを使う人は、必要です。

DATA

データが示す事実——ITは”辞める人”より”入る人”が多い

「激務で、すぐ辞める業界」。
そのイメージを、公的なデータで確かめてみます。

厚生労働省の調査による、1年間の離職率の比較です。

情報通信業(IT)10.2%
全産業 平均14.2%

出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」より。情報通信業(=IT関連を含む産業)の離職率は、全産業の平均を下回っています。

IT(情報通信業)の離職率は10.2%
全産業平均の14.2%より、低いんです。

しかも同じ調査で、情報通信業は「入職超過」。
つまり、辞める人より、入ってくる人のほうが多い状態です。

「潰れて辞めていく人だらけの、縮む業界」なら、こうはなりません。
データは、イメージとは逆のことを語っています。

誠実な線引き

それでも、”やめた方がいい人”は確かにいる

ここまで反論してきましたが、「全員おいで」と煽るつもりはありません。

現場で見てきた実感として、”今は、やめておいた方がいい人”も、確かにいます。
誠実に、線を引きます。

今は、やめた方がいい人

  • 「楽して稼げそう」だけが動機の人
  • 手を動かして学ぶ気が、まったくない人
  • 自分で調べず、他人の「やめとけ」だけで動く人

進んで、いい人

  • 今の仕事に、伸びしろの天井を感じている人
  • コツコツ手を動かすのが、嫌いじゃない人
  • 飛び込む前に「向いているか」を確かめる冷静さがある人

左に心当たりがあるなら、いったん立ち止まった方がいい。

でも、右に一つでも頷けたなら——
「やめとけ」は、あなたに向けられた言葉ではないかもしれません。

分かれ道

※ 費用を抑えて入りたい人がよく検討する無料スクールについては、「『無料プログラミングスクールはやめとけ』は本当か」で仕組みから検証しています。

※ 職種別のやめとけ論では、「インフラエンジニアはやめとけ」も仕組みから検証しています。

※ 飽和しているのかどうかは、「未経験エンジニアは増えすぎか」で求人と応募の最新の動きから確かめています。

後悔する人としない人を分ける、たった一つの差

たくさんの転職を見てきて、はっきり分かったことがあります。

IT転職で後悔する人と、しない人。
両者を分けるのは、才能でも学歴でもありません。

「飛び込む前に、
自分の適性を確かめたか」。
ただ、それだけです。

後悔する人は、勢いで会社を辞め、いきなり飛び込む。
そして「思っていたのと違った」となる。

後悔しない人は、退職もお金も賭ける前に、まず”小さく試して”確かめている。

この差が、あとから効いてきます。

よくある質問

「IT転職はやめとけ」って本当ですか?

業界全体でみると、情報通信業の離職率は10.2%で全産業平均の14.2%より低く、辞める人より入る人が多い入職超過の状態です(厚生労働省・令和6年雇用動向調査)。激務や使い捨てといった問題は、業界の宿命ではなく、特定の会社や多重下請けの下層など『入口の選び方』に起因します。入口を選べば、話は変わります。

未経験・文系でもIT転職して後悔しませんか?

後悔する人の共通点は、適性を確かめずに勢いで飛び込むことです。文系・未経験からの活躍例は多くあります。いきなり退職せず、無料の体験・説明会などで『自分に向いているか』『何から始めるか』を先に確かめることで、後悔のリスクは大きく下げられます。

IT業界はもう飽和していて、今から入っても食べていけない?

飽和しているのは、言われたことしかできない低単価の層です。一方できちんと設計し作れる人材は不足が続いており、経済産業省の試算でも先端IT人材は2030年に大きく不足するとされています。『飽和したから入るな』ではなく『飽和する側に回らない』ことが重要です。

何歳までにIT転職すべきですか?

20代なら選択肢が広く、30代でも手に職を狙う路線は十分に現実的です。年齢そのものより、入口の選び方と、学び続ける姿勢のほうが結果を分けます。年齢が上がるほど、独学より支援のある環境で最短ルートを取ることが有効になります。

辞める前に、”向いているか”だけ確かめる

Winスクールは、全国に教室があり、マンツーマンで学べる、資格・就職に強いスクールです。

いきなり転職を決める必要は、ありません。

まずは無料の体験・説明会で、こう聞いてみてください。
「自分にITが向いていそうか」「何から始めればいいか」。

お金も、今の仕事も賭ける前に、適性を確かめる。
後悔しない人が、必ず通っている道です。

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まとめ

「やめとけ」の正体は、”誰か”の後悔である

ネットに転がる「やめとけ」の多くは、実は予言ではありません。

その正体は、「合わない人が、合わない入口から入って、後悔した」体験談
つまり、過去の”誰か”の話です。

貴重な参考にはなります。
でも、まだ何も選んでいないあなたの結末を、決める力は持っていません。

激務も、搾取も、オワコンも。
多くは「業界の宿命」ではなく、「入口の選び方」の問題でした。

だとすれば、やるべきことは一つ。
飛び込む前に、入口と適性を、冷静に確かめること。それだけです。

「やめとけ」は、”誰か”の後悔。
あなたの結末は、まだ決まっていない。

※文系の方特有の不安には「文系エンジニアの末路は本当か」で答えています。

▶ 「入口を選ぶ」の具体版として「未経験IT転職エージェント4社の正直比較」も用意しました。

▶ まずは全体像から知りたい方は「未経験からIT転職・現実的ロードマップ」、年収の現実は「未経験IT転職と年収のリアル」もどうぞ。


筆者:カツジン(平成2年生まれ・九州在住)。銀行で10年決算書を読み、そのあとM&A仲介とITエンジニアの人材紹介を3年。会社の値段と、人の市場価値が決まる瞬間を、内側から見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。詳しくは運営者情報へ。

参考・出典
厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」(産業別の入職率・離職率)
経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)(先端IT人材の需給試算)

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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