PR 本記事は広告を含みます。
ITコンサルタントは、経営者に戦略を語る仕事だと思われています。
厚生労働省が実際に働いている人に聞いた仕事の実施率を見ると、経営戦略の仕事も、システム開発の検討も、契約や法規の確認も、16のタスク全部を8割以上の人がやっていました。いちばん多いのは戦略ではなく、プロジェクトの進行管理です。
※プロジェクトの管理を組織として支えるPMOについては、PMとの違いを国の資料で確かめた記事があります。PMOとは何か
何をする人で、いくらもらい、どうやってなるのか。厚生労働省の職業情報と賃金統計で、順に答えます。
何をする人か
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、ITコンサルタントの仕事を16のタスクに分け、働いている人がそれぞれをどれだけ実施しているかを調べています。16のタスクを中身で3つに分けると、こうなります。
| 仕事の種類 | タスク数 | 実施率 |
|---|---|---|
| 経営・戦略 経営トップの考えの把握、課題分析、IT戦略の提案など |
6 | 89〜95% |
| システム開発の検討 基準、リスク、開発方法、進行管理など |
7 | 91〜96% |
| 契約・法規 法規制の把握、許認可、契約書類 |
3 | 84〜89% |
ITコンサルタントとして働く人が各タスクを実施している割合。3つの分類は当編集部によるもので、実施率はそれぞれの分類に入るタスクの最小値と最大値。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「ITコンサルタント」
16のタスクすべてを、8割以上の人がやっています。戦略を考える人と、システムを決める人が分かれている職業ではありません。
実施率がいちばん高いのは「プロジェクトの進行を管理する」の96.4%。次いで「開発するシステムが満たすべき基準を明らかにする」「技術的なリスクを事前に検討する」「顧客と意見交換し経営トップの考え方を把握する」がそれぞれ94.6%です。「IT戦略をプレゼンする」は92.9%でした。
語る仕事というより、決めたことを最後まで運ぶ仕事だと、この数字は言っています。
job tagの説明では、仕事は2つに分かれます。経営戦略に関するコンサルティングと、システム構築に関するコンサルティング。
前者は経営コンサルタントに近く、後者はシステムエンジニアに近い。どちらかに特化する人もいれば、小さな案件では両方やります。
※システムを技術の面から提案して売るプリセールスは、国の職業分類では、ITコンサルタントとは大分類から別の「販売・営業の職業」に入ります。プリセールスとは何か
年収はいくらか
令和7年の賃金構造基本統計調査で、ITコンサルタントが属する「システムコンサルタント・設計者」の年収は889.0万円です。平均38.3歳、月の残業は11時間。ソフトウェア作成者の578.5万円より311万円高い。
| 年齢 | 年収 | 人数 |
|---|---|---|
| 20〜24歳 | 476.6万円 | 11,510人 |
| 25〜29歳 | 641.6万円 | 45,980人 |
| 30〜34歳 | 866.1万円 | 28,850人 |
| 35〜39歳 | 968.1万円 | 18,430人 |
| 40〜44歳 | 1,189.0万円 | 18,700人 |
| 45〜49歳 | 1,226.3万円 | 15,810人 |
| 50〜54歳 | 1,103.7万円 | 13,370人 |
| 55〜59歳 | 1,163.8万円 | 13,340人 |
システムコンサルタント・設計者の年齢階級別の年収(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額で当編集部が算出。企業規模10人以上の一般労働者・男女計)。出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」
25〜29歳で641.6万円、30〜34歳で866.1万円、40代で1,100万円を超え、45〜49歳の1,226.3万円が最高です。この職種でいちばん人数が多いのは25〜29歳の4万5,980人で、若い層に厚い。
会社の規模でも分かれます。1,000人以上の会社で1,010.4万円、100〜999人で854.3万円、10〜99人で585.1万円。規模の差は425万円で、職種の差より大きい。
経験年数では、0年で515.0万円、1〜4年で691.3万円、5〜9年で781.8万円、10〜14年で884.4万円、15年以上で1,122.7万円(所定内給与×12+賞与)。10年目の先でも上がり続けます。
1年で136万円上がったように見える理由
ひとつ断っておきます。同じ職種の年収は、令和6年の調査では752.6万円でした。1年で136万円上がったことになります。
ただし、集計に入った人数が14万9,050人から17万4,140人に増え、平均年齢は41.4歳から38.3歳に下がっています。
同じ人の給料が上がったのではなく、統計に入る会社と人の顔ぶれが変わった影響が大きい。889万円は「いま統計に入っている人の平均」として読んでください。
厚生労働省が2023年度に別途調べたスキルレベル別の年収では、ITSSレベル3で600〜900万円、レベル4で650〜950万円、レベル5以上で700〜1,100万円(第一四分位から第三四分位)。
こちらも、889万円がこの職種の中央付近だと示しています。
どうやってなるのか
job tagの「就業するには」は、こう書いています。情報系や経営系の大学・大学院を卒業し、ユーザー企業、コンサルティング企業、IT企業などで実務経験を積むのが一般的。
多くの場合、ITシステムの構築や運用を長く経験した人か、経営コンサルティングに携わりITの専門能力も高い人が就く。
実際に働いている人の学歴は、大卒75.0%、修士34.1%、博士11.4%(複数回答)。入職前に必要と考える訓練期間は「特に必要ない」が20.5%、1〜6か月が22.7%、3年を超える期間を挙げた人が29.6%でした。
資格は、要らない
job tagの関連資格の欄には「関連する資格はありません」とあります。ITコンサルタントの資格を検索している人は多いのですが、厚生労働省の職業情報は、この仕事に対応する資格を1つも挙げていません。
代わりに書かれているのは、顧客・市場・業界・法規を理解して経営戦略を考えられること、ソフトウェア・ハードウェア・ネットワーク・クラウドの知識と経験。資格ではなく、実務の経験で入る職業です。
働き方は、正社員75.0%、派遣15.9%、自営・フリーランス20.5%、経営層18.2%(複数回答)。経営層が2割近いのは、この職業の特徴です。
求人は、どれくらいあるのか
ハローワークの令和7年度の有効求人倍率は0.88倍。求人賃金は月36.1万円です。意外なことに、1倍を切っています。
比べると、システムエンジニア(Webサービス開発)は2.54倍・36.4万円、Webデザイナーは0.11倍・28.2万円。ITコンサルタントは求人賃金がエンジニアと同じ水準なのに、倍率はエンジニアの3分の1です。
ハローワークに出る求人が少ない職種なので、この倍率は市場全体ではありません。それでも、求人票の数で押し切れる職種ではなく、経験で選ばれる職種だということは、この数字にも出ています。
作る側か決める側かと、会社の規模で年収がどう分かれるかは、SEの年収は578万か889万かに書きました。ITコンサルタントは、そのうち決める側の区分に入ります。
経験で選ばれる職種に、経験者として移る。そのとき面接で聞かれるのは、書いたコードより、何を決めて何を運んだかです。上の実施率の上位が、そのまま質問になります。
TechGo(テックゴー)は、実務経験2年以上のITエンジニア向けの転職支援です。ITコンサルやメガベンチャーの求人に強い運営会社(MyVision)が運営し、模擬面接を回数無制限で受けられます。
進行管理と課題分析を、自分の案件の言葉で話す練習を面接前に積めるので、求人倍率0.88倍の側に回っても、経験の見せ方で選ばれる側に立てます。面談は無料で、対象エリアの制限はありません。
対象は実務経験2年以上のITエンジニア(20代後半〜30代が中心)です。未経験の方、学生の方は対象外です。
\ 模擬面接は無制限・面談は無料 /
やめとけと言われるのは、なぜか

やめとけと言われる理由を3つ、統計に当てます。
激務なのか
月の残業は11時間。ソフトウェア作成者の12時間より短い。年齢別では25〜29歳が16時間でいちばん長く、35歳を過ぎると6〜10時間に落ちます。
この数字は企業規模10人以上の一般労働者の平均で、深夜まで続く現場を否定するものではありません。ただ、統計上は激務の職種には入りません。
手を動かさなくなるのか
実施率で見ると、開発方法の検討92.9%、システムが満たすべき基準94.6%、技術的リスク94.6%、システム全体の構造や開発方針91.1%。
コードは書きませんが、開発の中身を見ていない人は、この職業にほとんどいません。手を動かさなくなる、より、決める側に回る、が近い。
若いうちだけの仕事なのか
年収が最高になるのは45〜49歳の1,226.3万円で、55〜59歳でも1,163.8万円。人数は25〜29歳に厚いものの、年収は40代以降で最も高くなります。若いうちだけの仕事なら、この形にはなりません。
やめとけの中身で、統計と合っているのは「若いうちの残業が長い」だけでした。
人数の山は、数える統計で変わります。2020年の国勢調査で年齢を数え直し、やめとけと言われる5つの仮説を確かめた記事はこちらです。
ITコンサルタントはやめとけ? 国勢調査でITコンサルを含む職業の年齢を数えたら、最も多いのは40代前半だった
IT関連の21職業を求人倍率で並べた一覧は、こちらに置いています。
ITエンジニアとはどんな仕事か。IT職種21個を求人倍率で並べたら、0.11倍から8.91倍まで開いていた
よくある質問
ITコンサルタントとはどんな仕事ですか?
顧客のIT戦略についてコンサルティングを行い、提案・助言する仕事です。厚生労働省のjob tagによると、経営戦略に関するコンサルティングと、システム構築に関するコンサルティングの2つに分かれます。厚生労働省が示す16のタスクは、経営・戦略が6、システム開発の検討が7、契約・法規が3で、すべてを8割以上の人が実施しています。最も実施率が高いのはプロジェクトの進行管理(96.4%)です。
ITコンサルタントの年収はいくらですか?
令和7年賃金構造基本統計調査で、ITコンサルタントが属するシステムコンサルタント・設計者の年収は889.0万円(平均38.3歳)です。年齢別では25〜29歳641.6万円、30〜34歳866.1万円、45〜49歳1,226.3万円。企業規模で1,000人以上1,010.4万円、10〜99人585.1万円と425万円の差があります。
ITコンサルタントは未経験でもなれますか?
厚生労働省の職業情報では、ユーザー企業・コンサルティング企業・IT企業などで実務経験を積んでから就くのが一般的とされ、働いている人の学歴は大卒75.0%、修士34.1%です。入職前の訓練期間は「特に必要ない」が20.5%ある一方、3年を超える期間を挙げた人が29.6%います。実務経験を先に積む職業です。
ITコンサルタントに資格は必要ですか?
厚生労働省のjob tagは、ITコンサルタントの関連資格を「関連する資格はありません」としています。必要とされるのは、顧客・市場・業界・法規の理解と経営戦略を考える力、ソフトウェア・ハードウェア・ネットワーク・クラウドの知識と経験です。
最後に、いまシステムを作る側にいて、決める側へ移りたい人へ。ITコンサルタントの席は、求人票の数ではなく、いまの経験がどの求人に届くかで決まります。コンサルティング会社だけでなく、SIerの上流や事業会社のIT部門にも、同じ仕事の席があります。
Geekly(ギークリー)は、IT・Web・ゲーム業界に特化した経験者向けの転職支援です。だから、いまの経験でどの席に届くのかを、面談で求人の実物と合わせて確認できます。面談は無料です。
対象はIT・Web・ゲーム業界での実務経験がある方で、東京・神奈川・埼玉・千葉、または大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山での転職を希望する方です(現在の居住地は問いません)。
\ 経験者向け・面談は無料 /
ITコンサルタントは、戦略を語る人ではなく、戦略からシステムまで全部を運ぶ人でした。
資格は要らず、経験で選ばれます。
参考出典
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)ITコンサルタント
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」「令和6年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別/「ハローワーク求人統計」令和7年度/総務省「令和2年国勢調査」(就業者数はjob tagの加工値)
年収の統計は「システムコンサルタント・設計者」の職種区分で、ITコンサルタントのほかシステムの設計を行うSEを含みます。年収は残業代を含む算出値、経験年数別のみ残業代を除く所定内給与で算出しています。タスクの実施率・学歴・訓練期間・就業形態は、その職業で働く人へのアンケート結果です。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)を確認してください。


コメント