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プロジェクトマネージャ試験は、最後の論文で落ちる試験だと思われています。
IPA(情報処理推進機構)が公表した得点の分布で、令和5〜7年度の3回に落ちた2万1,546人を、どの試験で止まったかで数えました。論文でランクAに届かなかったのは4,103人で、5人に1人です(編集部の算出)。
半分にあたる1万948人は、論文より前の午前の2つの試験で止まっていました。
合格率は、令和7年度秋期で14.3%です。どこで落ちて、どんな人が受かり、2026年度はいつ受けられるのか。IPAの統計と公表資料で、問いの順に答えます。
プロジェクトマネージャ試験の難易度は、どのくらい?
短い答え
合格率は14%前後で、今の制度になってから17回続けて12.5〜15.1%の間にあります。令和7年度は、高度試験8区分のなかで最も低い合格率でした。
合格率は何%?高度試験で最も低い14.3%
表1 プロジェクトマネージャ試験の合格率(直近5回)
| 実施回 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和3年度秋期 | 6,680人 | 959人 | 14.4% |
| 令和4年度秋期 | 7,382人 | 1,042人 | 14.1% |
| 令和5年度秋期 | 7,888人 | 1,066人 | 13.5% |
| 令和6年度秋期 | 8,627人 | 1,195人 | 13.9% |
| 令和7年度秋期 | 8,511人 | 1,219人 | 14.3% |
合格率は受験者に占める合格者の割合
出典:IPA「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表」(令和8年4月21日現在)
今の制度になった平成21年度から令和7年度までの17回で、合格率が12.5〜15.1%の幅を出たことは一度もありません。受験者のおよそ7人に1人が受かる試験です。
申し込んだ人で数えると、もっと厳しく見えます。令和7年度秋期は13,540人が申し込み、5,029人(37.1%)は受けていません。申し込んだ人に対する合格者は9.0%です(編集部の算出)。
令和7年度の高度試験8区分では、プロジェクトマネージャ試験の14.3%が最も低い数字でした。同じ秋期のシステム監査技術者試験は16.1%、応用情報技術者試験は24.5%です。
春期に行われたITストラテジスト試験は15.0%、システムアーキテクト試験は15.5%、ITサービスマネージャ試験は14.7%でした。回が違うので、差は小さく見ておくのが妥当です。
IPAは高度試験を、共通キャリア・スキルフレームワークのレベル4の前提要件としています。レベル4は、プロフェッショナルとして業務を遂行し、経験や実績から作業を指示できる水準です(IPA「試験要綱 Ver.5.6」)。
落ちた人は、どこで止まっている?
短い答え
令和5〜7年度の3回を合わせると、落ちた人の半分は午前の試験で止まり、論文で止まったのは5人に1人でした。
令和7年度までの試験は、午前Ⅰ(50分・30問)、午前Ⅱ(40分・25問)、午後Ⅰ(90分・記述式で3問から2問)、午後Ⅱ(120分・論述式で2問から1問)の4つでした。
午前Ⅰから午後Ⅰは、100点満点で60点が基準点です。午後Ⅱの論文は点数ではなく、AからDの4段階で評価され、Aだけが合格です。
そして、前の試験で基準点に届かないと、次の試験は採点されません。論文を書いても、午後Ⅰで60点に届いていなければ読まれない仕組みです。
表2 落ちた人が止まった試験(不合格者に占める割合)
| 止まった試験 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 |
|---|---|---|---|
| 午前Ⅰ・午前Ⅱ | 57.2% | 50.1% | 45.5% |
| 午後Ⅰ(記述) | 20.7% | 23.5% | 31.5% |
| 午後Ⅱ(論文) | 17.5% | 20.4% | 19.1% |
| 欠席など | 4.6% | 6.0% | 3.8% |
| 不合格者 | 6,822人 | 7,432人 | 7,292人 |
各回の秋期。基準点に届かなかった人数(論文はランクB〜D)を不合格者で割った。欠席などは、途中で次の試験の得点がない人。四捨五入のため合計が100%にならない回がある
出典:IPA「プロジェクトマネージャ試験 得点分布・評価ランク分布」令和5〜7年度秋期(IPAでの掲載は終了。国立国会図書館WARPの保存版)、「推移表」を加工して作成

どの回でも、論文で止まった人は2割前後で、午前で止まった人の半分以下です。年によって、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰのどこが厳しいかは入れ替わります。
午前Ⅰは通過率が回で大きく動く。そして免除できる
午前Ⅰは、秋期の高度試験で共通の問題です。午前Ⅰを受けた人のうち60点以上だった人は、令和5年度45.2%、令和6年度65.2%、令和7年度34.4%でした(編集部の算出)。
令和7年度は、午前Ⅰを受けた3,986人のうち2,616人が、ここで止まっています。午前Ⅱや論文の答案は採点されず、共通の問題で不合格が決まった人たちです。
次のどれかに当てはまる人は、その後2年間、申込みのときに申請すれば午前Ⅰが免除されます。応用情報技術者試験の合格、高度試験か情報処理安全確保支援士試験の合格、高度試験か支援士試験の午前Ⅰで基準点以上、の3つです。
令和7年度は、受験者8,511人のうち少なくとも4,362人(51.3%)が、午前Ⅰを受けずに午前Ⅱから受けていました(編集部の推計)。令和5・6年度は半分弱です。
2026年度(令和8年度)の後期試験で免除を申請できるのは、令和6年度秋期から令和8年度前期までの応用情報・高度試験・支援士試験の合格者などです。
対象かどうかは、IPAの令和8年度の「申込受付期間及び試験実施期間について」のページにある「試験科目の一部免除」で確かめられます。
論文(午後Ⅱ)は、たどり着いた人の半分弱がA
論文が易しいわけではありません。評価を受けた人のうちAだったのは、令和5年度47.2%、令和6年度44.1%、令和7年度46.6%で、半分以上はAに届いていません。
令和7年度の採点講評で、IPAは論文の全問に共通する点として、次のように書いています。
「…設問で問うている内容に明確に解答できていない論述が散見された。また,マネジメントの視点を欠いた,チームのマネジメント手法の説明や技術的なリスク対応策の記述に終始した論述も散見された。」IPA「令和7年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 採点講評」午後Ⅱ試験
論文は、たどり着いた人の半分が落ちる関門です。ただ、そこまで進めない人のほうが多い。準備の順番は、午前と午後Ⅰの基準点を確実に越えるところからです。
取る意味はある?転職で見られる?
短い答え
求人の条件に試験の名前が出ることは少なく、中途採用でスキルを測る材料も、資格よりプロジェクトの経歴を使う企業が多数です。一方、国の制度では、ほかの国家資格の科目免除などに使われています。
求人や中途採用で、どれくらい見られている?
ITエンジニア向けの転職エージェントTechGo(テックゴー)の求人検索で、「プロジェクトマネージャー(PM)」に載っていた1,132件を、1件ずつ開いて数えました(2026年10月2日時点)。

必須か歓迎の条件にプロジェクトマネージャ試験の名前があったのは52件(4.6%)で、PMPは150件(13.3%)でした。必須の条件に試験の名前があったのは3件(0.3%)だけです(編集部の集計)。
52件のうち12件は、システムアーキテクトなど、ほかの高度試験の名前と並べた中の1つとして書かれていました。条件として名前を見かけるのは、ほとんどが「歓迎」の欄です。
厚生労働省の委託調査(令和6年3月の報告書)は、IT・デジタル人材を中途採用する企業84社に聞いています。採用時にITスキルの水準を何で把握するか、という問いです(複数回答)。
いちばん多かったのは「履歴書に記載されているプロジェクト情報」の72.6%で、「各種資格や能力証明」は45.2%でした。資格(ベンダー資格を含む)を使う企業も半数近くありますが、より多いのはプロジェクトの情報です。
同じ調査で、人材不足が深刻な職種を聞いた問い(105社)では、プロジェクトマネージャが67.6%で、14の職種のなかで最も多く選ばれていました。
国の制度では、どう使われている?
合格すると、ほかの国家資格の試験で科目が免除されます。技術士第一次試験(情報工学部門)の専門科目、中小企業診断士第1次試験の「経営情報システム」、弁理士試験の論文式の選択科目「理工Ⅴ(情報)」です。
外国人の在留資格「技術・人文知識・国際業務」の基準の特例を定めた法務省の告示にも、プロジェクトマネージャ試験が名前で挙がっています。
国の調達でも使われています。デジタル庁の標準型電子カルテの設計・開発業務の仕様書(2026年2月)は、受託者のプロジェクト全体管理者の要件に、この試験の合格かPMPなどを挙げています。
この仕様書の要件は、遂行責任者の経験2年以上が前提です。そのうえで、試験の合格やPMPなどと同等の能力が経歴で明らかな人も認められます。
業務を独占できる資格ではありません。それでも、ほかの国家資格の科目免除や在留資格の基準に名前があり、国の調達で責任者の要件に挙がる例もある試験です。
PMを支える側の仕事と資格は、PMOとは何かでまとめています。
求人の条件に試験の名前が出るのは4.6%で、企業がスキルの確認に最も多く使うのは、履歴書のプロジェクト情報です。回してきたプロジェクトがどの求人でどう評価されるかは、求人票だけでは読み取りにくいところです。
TechGo(テックゴー)は、ITエンジニアの転職支援に特化した転職エージェントです。求人検索に「プロジェクトマネージャー(PM)」の職種があり、2026年10月2日時点で1,132件ありました。
求人ごとの条件と、自分が担当したプロジェクトの規模や役割が合うかを、担当のキャリアアドバイザーに聞ける形です。だから、試験の結果を待たずに、いまの経験で届くPMの求人を確かめられます。
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受かっているのは、どんな人?
短い答え
合格者の平均年齢は37.7歳で、受験者の平均より2.9歳若い人たちです。合格率は20代と30代前半が2割台で、40歳を過ぎると1割前後に下がります。
年代別の合格率は?合格者の平均年齢は37.7歳
令和7年度秋期の平均年齢は、申し込んだ人が40.2歳、受けた人が40.6歳、合格した人が37.7歳でした。平成21年度春期の合格者は36.3歳で、この17年で1.4歳上がっています。
表3 年代別の合格率(令和7年度秋期)
| 年代 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 1,170人 | 254人 | 21.7% |
| 30代 | 2,707人 | 493人 | 18.2% |
| 40代 | 3,107人 | 325人 | 10.5% |
| 50代 | 1,402人 | 135人 | 9.6% |
IPAの1歳刻みの一覧表を10歳ごとに合算し、合格率を編集部が算出。19歳以下(受験者3人)と60歳以上(受験者122人・合格者12人)は省略
出典:IPA「年齢別 一覧表」令和7年度
受験者がいちばん多いのは40代で、全体の36.5%を占めます。5歳刻みの合格率は、25〜29歳の22.0%が最も高く、30〜34歳も20.1%でした。40〜44歳は11.5%、45〜49歳は9.5%です(編集部の集計)。
PMの仕事や経験年数で、受かりやすさは変わる?
受験申込のアンケートで、担当業務を「プロジェクト管理」と答えた社会人は2,607人が受け、合格率は14.0%でした。全体の14.3%とほぼ同じです。
「システム化戦略・企画・計画」は19.6%と高く、「システム設計」は13.0%、「プログラム開発」は11.1%でした。担当業務が「プロジェクト管理」でも、合格率が全体より高いわけではありませんでした(申込時の自己申告)。
経験年数別では、4年以上6年未満の23.5%が最も高い数字でした。まとめると、10年未満20.3%、10〜20年未満14.4%、20年以上9.8%です(編集部の集計)。
経験年数が何の経験かは、統計表に定義がありません。年齢とも重なるので、長いと不利だと言える根拠にはなりません。言えるのは、経験が長い人ほど受かりやすい試験ではない、ということです。
2026年度は、いつ受けられる?試験はなくなる?
短い答え
2026年度は後期の1回だけで、試験は2027年2月20日から始まります。今の制度のプロジェクトマネージャ試験はこれが最後の予定で、2027年度から新しい試験に組み替えられる予定です。
2026年度の試験日程は?申込は2027年1月27日から
申込2027年1月27日〜2月27日
科目A(旧午前)2月20日〜3月2日
科目B(旧午後)3月16日〜3月28日
合格発表2027年6月ごろ(予定)
2026年度から、会場のパソコンで受けるCBT方式になりました。期間のなかで、空いている会場と日時を自分で選びます。受験手数料は7,500円です。
2026年10月からの前期試験に、プロジェクトマネージャ試験は入っていません。前回の令和7年度秋期は2025年10月12日だったので、次の試験まで1年4か月あきます。
後期は、プロジェクトマネージャ試験を含む高度試験4区分と支援士試験の5つが同じ期間です。後期の申込みは1回だけで、応用情報も含めて受けられるのは1区分です。
午後Ⅱの論文も、紙に書くのではなく、キーボードで入力する形になります。文章の途中に語句を入れたり消したりしやすくなる、とIPAは説明しています。
過去問はどこで見られる?
IPAが公開しているのは、令和7年度(2025年度)の試験までの問題冊子・解答例・採点講評です。
CBT方式になる令和8年度からは、試験問題は公開されません。受けた人が第三者に内容を明かすことも禁じられています。2026年度の試験の解答例や速報は、IPAからは出ないということです。
プロジェクトマネージャ試験はなくなる?
IPAは、今の試験制度を2026年度の実施で終えて、2027年度から新しい制度に移る予定としています。応用情報技術者試験と高度試験を大きくまとめ、マネジメント・データとAI・システムの3つの領域に組み替える案です。
経産省の図で、プロジェクトマネージャ試験が置かれた枠は「プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)」です。出題範囲は同じとは限りません。新しい試験は2027年度の夏から秋ごろに始まる見込みです。
案では試験時間が合計210分で、今の300分より90分短くなります。
経済産業省は、この新しい試験の1つに受かることを、応用情報技術者試験の合格と同じ位置づけにするとしています。論文の形も見直し、論述試験のあり方は2028年度以降に向けて検討を続ける、としています。
名前も中身も、まだ案の段階です。今の形のプロジェクトマネージャ試験を受けられるのは、2027年2〜3月が最後になる予定です。
よくある質問
プロジェクトマネージャ試験は国家資格ですか?
情報処理の促進に関する法律にもとづいて、経済産業省が行う国家試験です。合格すると経済産業大臣の合格証書が交付されます。登録して名乗る資格や、業務を独占できる資格ではありません。
勉強時間はどれくらい必要ですか?
IPAは、合格までの勉強時間を公表していません。上位の解説記事にある「200〜300時間」などの数字も、出典は示されていません。午前Ⅰが免除されるかで、準備の範囲が変わります。
合格に有効期限はありますか?
ありません。IPAは、合格に有効期限はなく、過去の合格が無効になることもないと説明しています。2027年度からの新しい試験との関係は、免除の経過措置などが検討されている段階です。
合格率14.3%の令和7年度は、落ちた人の4分の3以上が論文より手前で止まっていました。申込みの前に、打てる一手があります。
自分が午前Ⅰ(科目A-1)の免除の対象かを、IPAの「試験科目の一部免除」で確かめてください。
今の制度で最後となる予定のプロジェクトマネージャ試験は2027年2〜3月で、合格発表は6月ごろの見込みです。2026年10月から数えて、結果が出るまで8か月ほどあります。
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参考出典
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報処理技術者試験 統計情報」(推移表、年齢別・業務別・経験年数別一覧表、応募者・受験者・合格者の平均年齢)/「プロジェクトマネージャ試験 得点分布・評価ランク分布」令和5〜7年度秋期(IPAでの掲載は終了。国立国会図書館WARPの保存版)/「試験要綱 Ver.5.6」/「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」/プレス発表「応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験がCBT方式での実施に移行予定」(2025年8月12日)/「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」/令和7年度秋期 採点講評
厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(令和6年3月)/経済産業省「情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)について」(2026年3月31日)/技術士法施行規則・中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則・特許庁 弁理士試験の免除制度・法務省告示(平成25年第437号)・デジタル庁 調達仕様書
TechGo「プロジェクトマネージャー(PM)の求人」・Geekly 求人検索(2026年10月2日閲覧)
年齢・業務・経験年数別の数字は、受験申込時のアンケートにもとづくIPAの集計です。10歳刻みの年代、不合格者の内訳、免除の推計は、IPAの公表値から編集部が算出したものです。試験の日程・制度は2026年10月2日時点のIPA・経済産業省の公表にもとづき、新しい試験の内容は検討中の案です。求人の件数は取得時点のもので、日々変わります。サービスの内容は公式サイトで確認してください。


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