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高校を出て働きはじめた年の話です。
同じ年に大学へ進んだ同級生が卒業して就職するのは、4年後。そのとき2人の給料にどれだけ差がついているかというと、月に3万3,500円でした。
思ったより小さい、と感じた方が多いかもしれません。実際、この時点での差はそれほど大きくありません。
問題は、この差がその後どう動くかです。国の統計を年齢順に並べると、はっきりした形が出てきました。
まず、平均から確かめます
厚生労働省が毎年、学歴ごとの賃金を調べています。令和6年の結果はこうでした。
| 最終学歴 | 月額 | 年収換算 |
|---|---|---|
| 高校 | 28.9万 | 346.7万 |
| 専門学校 | 30.7万 | 368.3万 |
| 高専・短大 | 30.7万 | 368.6万 |
| 大学 | 38.6万 | 463.0万 |
| 大学院 | 49.7万 | 596.4万 |
厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」学歴別賃金(男女計)より。年収換算は所定内給与額を12倍したもので、賞与は含みません。賞与を含めた実際の年収は、これより高くなります。
高校卒は月28万8,900円、大学卒は38万5,800円。差は月9万6,900円、年にすると116万円です。
この数字だけを見ると、学歴の差は決定的に見えます。ただ、これは全年齢を平均した数字でした。
20代前半の差は、月3万3,500円
同じ調査を、年齢階級ごとに並べ直します。高校卒と大学卒の差だけを取り出しました。
| 年齢 | 高校 | 大学 | 差 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 21.7万 | 25.1万 | 3.4万 |
| 25〜29歳 | 24.3万 | 28.4万 | 4.1万 |
| 30〜34歳 | 26.5万 | 32.5万 | 6.0万 |
| 35〜39歳 | 28.3万 | 37.3万 | 9.0万 |
| 40〜44歳 | 30.1万 | 40.6万 | 10.5万 |
| 45〜49歳 | 31.7万 | 45.9万 | 14.2万 |
| 50〜54歳 | 32.8万 | 49.2万 | 16.4万 |
| 55〜59歳 | 33.1万 | 52.7万 | 19.6万 |
同上。所定内給与額の月額(男女計)。差は筆者が算出。
20代前半で3万3,500円だった差が、50代後半には19万5,900円になります。5.8倍に開いています。
差が開くのは、35歳を過ぎてから
開き方を見ると、進むペースが一定ではありません。年齢を1つ上がるごとに、差が何万円増えたかを並べます。
前の年齢階級からの差の増加幅。同上のデータから算出。

いちばん動くのは30代後半と40代後半です。役職がつくかどうかが決まる時期と重なります。
人材紹介にいたころ、企業の管理職登用の要件を見る機会が何度もありました。大卒に限ると書いてある会社はほとんどありません。ただし選ばれる母集団に入っているかどうかで、結果は変わります。ここが数字として出ているのが、35歳以降の開き方です。
専門学校と短大は、高校とほとんど変わらない
もうひとつ、見落とされやすい数字があります。
専門学校卒は30万6,900円、高専・短大卒は30万7,200円。高校卒との差は、どちらも月に1万8,000円ほどしかありません。
一方、大学卒との差は7万8,000円以上あります。学歴による賃金の段差は、高校と大学の間に集中していて、その手前は横並びに近い。2年制の学校に行けば中間の賃金になる、という形にはなっていません。
職種を変えると、この線から外れる
ここまでは学歴で分けた数字です。同じ統計を職種で分けると、別の景色になります。
ソフトウェア作成者、つまりプログラマーやシステムエンジニアにあたる区分の推定年収は574万円でした。これは学歴で分けた数字ではなく、その職種に就いている人全体の数字です。高校卒の平均346万円とは、比べている軸が違います。
職種の詳しい内訳はプログラマーの年収は574万円にまとめました。ただしこの職種にも別の壁があって、40歳前後で伸びが3%まで落ちます。学歴の差が45歳前後で最も開くのとは、逆の形をしています。
高校卒からIT職に入る場合に何が起きるかは、高卒からエンジニアになれるかで、求人の要件と実際の選考から整理しています。
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賃金が開く手前には、情報の経路そのものの差もあります。未経験の求人はどこにあるかで、エージェントを使った人が高卒6.1%・大卒25.0%と4倍違っていた数字を並べました。
よくある質問
高卒の平均年収はいくらですか
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査では、高校卒の所定内給与額は月28万8,900円です。12倍すると346.7万円ですが、これは賞与を含まない数字なので、実際の年収はこれより高くなります。大学卒は月38万5,800円で、差は月9万6,900円です。
高卒と大卒では生涯でどれくらい差がつきますか
年齢階級ごとの差を見ると、20〜24歳では月3万3,500円ですが、55〜59歳では19万5,900円まで開きます。差が最も大きく動くのは35〜39歳と45〜49歳で、役職がつくかどうかが決まる時期と重なっています。
専門学校に行けば高卒より給料は上がりますか
統計上は月1万8,000円ほどの差です。専門学校卒30万6,900円、高専・短大卒30万7,200円に対し、高校卒は28万8,900円でした。大学卒の38万5,800円との間には7万8,000円以上の差があり、段差は高校と大学の間に集中しています。
高校を出た年の差は、月3万3,500円でした。
この数字は、その後30年かけて19万5,900円になります。
変えられるとしたら、開ききる前のどこかです。
※ 数値は厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」の学歴別賃金(企業規模計・男女計)に基づきます。ここでいう賃金は所定内給与額で、超過労働給与額と賞与は含みません。年収換算はこの月額を12倍したもので、賞与を含めた実際の年収はこれより高くなります。年齢階級ごとの差および増加幅は、同調査の数値から筆者が算出しました。管理職登用に関する記述は、筆者が人材紹介に在籍していた際に見た求人要件に基づく整理で、企業により異なります。
参考出典:厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査 結果の概況」学歴別にみた賃金(第3表 学歴、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率)。


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