未経験の求人はどこにあるか。エージェントを使った人は14.8%だった

仕事帰りの男性が掲示板の前に立ち、「求人サイト 39.4%」と「エージェント 14.8%」の2枚の貼り紙を見上げている 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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求人サイトを開いて、未経験可にチェックを入れて、出てきた一覧を上から見ていく。しばらくスクロールして、そっとタブを閉じる。

この動きを何度か繰り返している方に向けて書いています。

探し方が悪いのではありません。見ている場所が、そもそも1か所しかないのだと思います。

この記事の結論

転職した人が使った経路は4つに分かれていて、いちばん多い求人サイトでも39.4%。残りの6割は、別の場所から入っています。

実際に転職した人は、どこから入ったのか

厚生労働省が、転職した人に「どうやって今の勤め先に就職したか」を聞いた調査があります。複数回答での結果です。

求人サイト・求人情報誌など39.4%

ハローワーク等の公的機関34.3%

縁故(知人、友人等)26.8%

企業のホームページ15.1%

民間の職業紹介機関14.8%

出向・前の会社の斡旋7.0%

企業訪問2.5%

厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」個人調査より。複数回答のため合計は100%を超えます。項目名は表示の都合で一部を短縮しています(正式には「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」)。

求人サイトが39.4%で最も多い。ここは想像どおりだと思います。

意外なのはその下です。ハローワークが34.3%で、求人サイトとほとんど変わりません。そして知人や友人からの縁故が26.8%。この2つを足すと、求人サイトを大きく超えます。

一方、民間の職業紹介機関、いわゆる転職エージェントを使った人は14.8%でした。7人に1人です。

ここで「エージェントは効果がないのか」と読むと、判断を間違えます。この14.8%という数字は、属性によって大きく動くからです。

エージェントを使う人は、年齢と学歴で4倍違う

同じ調査を、年齢階級で分けます。エージェントを使った割合だけを取り出しました。

年齢 エージェント 求人サイト
20〜24歳 7.8% 52.7%
25〜29歳 21.4% 48.9%
30〜34歳 21.4% 43.3%
35〜39歳 15.4% 38.6%
40〜44歳 13.7% 37.3%
50〜54歳 16.4% 37.0%

同上。年齢階級別の転職活動の方法(複数回答)。

20代前半の7.8%が、20代後半で21.4%になります。2.7倍です。この間に何かが変わったわけではなく、使いはじめる人が増えただけです。

逆に求人サイトは、52.7%から年齢とともに下がっていきます。若いうちは求人サイトだけで探し、年齢が上がるとほかの経路が増える。数字はそういう形をしています。

学歴で分けると、もっとはっきりします。

最終学歴 エージェント ハローワーク
高等学校 6.1% 39.7%
専修学校 13.7% 37.4%
高専・短大 12.9% 31.4%
大学 25.0% 30.1%
大学院 31.2% 15.7%

同上。最終学歴別の転職活動の方法(複数回答)。

街角で男性が立ち止まり、明るく開いた入口と閉じた扉の2つを前にしている

高卒でエージェントを使った人は6.1%、大卒は25.0%。4倍の開きがあります。ハローワークはその逆で、高卒39.7%に対し大学院は15.7%でした。

能力の差ではありません。どの経路を知っているか、使っていいと思っているかの差です。学歴によって賃金がどう開いていくかは高卒の平均年収は346万円にまとめましたが、その手前に、こういう情報経路の差があります。

人材紹介にいたころ、高卒の方から「自分が登録していい場所なのか分からなかった」と言われたことが何度もありました。実際には学歴で門前払いする紹介会社はほとんどありません。使われていないのは、資格がないからではなく、選択肢として認識されていないからでした。

未経験なら、経路をどう組むか

ここまでの数字から言えるのは、1つの経路だけを見ていると、求人の6割以上が視界に入らないということです。

求人サイトで全体像をつかむ

最多の経路なので、まずここで職種名と条件の相場を知る。ただし未経験可の求人は表示のされ方が偏るので、ここだけで判断しない。

ハローワークは地方ほど効く

34.3%と2番目に多く、高卒層では39.7%で最多です。地域の中小企業の求人は、ここにしか出ていないことがあります。

エージェントは、条件に合えば使う

全体では14.8%ですが、20代後半では21.4%が使っています。年齢やエリアの条件が合うなら、使わない理由はありません。未経験IT向けの各社の条件は未経験IT転職エージェントの比較で並べました。

スクール経由は、求人サイトに出ない枠がある

学習と就職支援がつながっている経路です。求人サイトに出さず、スクール側にだけ出している企業があります。

よくある質問

未経験の求人はどこで探すのが多いですか?

厚生労働省の令和2年転職者実態調査では、転職した人が使った経路は求人サイト・求人情報誌等が39.4%で最多、次いでハローワーク等の公的機関34.3%、縁故26.8%、企業のホームページ15.1%、民間の職業紹介機関14.8%でした。複数回答のため、1つの経路だけを見ていると求人の多くが視界に入りません。

転職エージェントを使う人はどのくらいいますか?

全体では14.8%ですが、年齢と学歴で大きく変わります。20〜24歳は7.8%、25〜29歳は21.4%で2.7倍に増えます。学歴別では高校卒6.1%に対し大学卒25.0%と4倍の開きがあり、ハローワークはその逆で高校卒39.7%、大学院卒15.7%でした。

高卒でも転職エージェントは使えますか?

使えます。学歴で門前払いする紹介会社はほとんどありません。ただし統計上、高校卒でエージェントを使った人は6.1%と少数です。能力の差ではなく、選択肢として認識されているかどうかの差だと考えられます。

求人サイトに出ていない側を、先に見ておく

未経験可の求人は、どの経路に出すかを企業が選んでいます。求人サイトだけを見ていると、そこに出していない企業は最初から選択肢に入りません。Winスクールは全国に教室があり、学歴や年齢の制限がありません。無料の体験・説明会で、どういう企業がスクール経由で採用しているのか、いまの経験から見て現実的な入口はどこかを直接聞けます。受講を決める必要はありません。今の会社にいながら、見えていない側だけ確かめておく使い方ができます。

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職種そのものを決めきれていない場合は、エンジニアの種類を3つの層で整理した記事のほうが先です。経路を増やしても、探すものが決まっていなければ同じ画面を見続けることになります。

経路を増やしたあと、応募のときに見せるものがあるかどうかは別の話です。転職した人の66.1%は準備を何もしていなかったで、実際に手を動かした人が転職者100人あたり3人だった数字を並べました。

求人サイトを閉じたのは、求人がなかったからではありませんでした。
そこに出ていない6割を、まだ見ていないだけです。

※ 数値は厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」の個人調査に基づきます。この調査は不定期に実施されており、令和2年が最新の公表分です(令和7年調査は実施中)。転職活動の方法は複数回答のため、合計は100%を超えます。また調査対象は全産業の転職者であり、IT職に限定した数字ではありません。紹介会社の利用実態に関する記述は、筆者が人材紹介に在籍していた際に受けた相談に基づく整理です。

参考出典:厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」3 転職について(1)転職活動の方法(表17)。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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