プログラマーとはどんな仕事か。厚労省の13タスクを見たら、書くだけの人ではなく、見積もりも設計書も自分で出す人だった

受託開発会社の開発室で、プログラマーがキーボードから手を離してモニターを見ているちぎり絵風のイラスト。画面には「main.py」のタブが開いたコードエディタと「見積書」の窓が並ぶ。机に閉じた設計書のファイルと付箋つきのノート 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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96.7%。プログラマーとして働いている人のうち、コンピュータ言語を使ってプログラムを作成している人の割合です。当たり前に見える数字ですが、同じ96.7%が、あと3つあります。

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、プログラマーの仕事を13のタスクに分け、実際に働いている人がそれぞれをどれだけやっているかを調べています。

書く人だと思って見ると、見積もりを出す人で、設計書も作る人でした。13のタスクと、求人・年収の統計で確かめます。

プログラマーとは、何をする人か

job tagの説明は、システム開発において、システムエンジニア(SE)が作成した詳細設計に基づきプログラムを作成する、です。

SEが要件定義と基本設計、詳細設計を行い、プログラマーがコーディングし、単体テストを行い、担当したプログラムを完成させる。境目は詳細設計書です。

その13タスクを、実施率でまとめました。

ほぼ全員がやっている(96.7%)
コンピュータ言語でプログラムを作成する96.7%
設計どおりに動くかテストする96.7%
問題点を修正する(デバッグ)96.7%
既存システムのプログラムを修正・機能追加する96.7%
8割前後がやっている
保守に必要なドキュメントを作成する91.7%
プログラム開発の見積もりを提示する81.7%
SEから説明を受け、システムの概要を把握する80.0%
最新のプログラミング技術を調査する80.0%
詳細設計書を作成する78.3%
設計の具体化で問題があればSEと検討する78.3%
詳細設計書をもとに処理手順を検討する76.7%
6割がやっている
アジャイル開発でプロトタイプを作成する63.3%
アジャイル開発でモジュールを作成する63.3%

プログラマーとして働く人が各タスクを実施している割合。3つのまとまりへの分け方は当編集部によるもの。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「プログラマー」

いちばん上の4つは、書く、確かめる、直す、変える。ここまでは定義どおりです。

見てほしいのは2段目です。プログラム開発の見積もりを提示する人が81.7%、詳細設計書を作成する人が78.3%。

設計書はSEから渡されるもの、という定義の一方で、4人に3人以上は詳細設計書を自分でも書き、5人に4人は見積もりを出しています。

書くだけの席は、統計の中にはありませんでした。

席は、1人に1件あるのか

次に、求人の数です。job tagが載せているハローワークの有効求人倍率は、プログラマーが0.98倍。求職者1人に対して、求人が1件ありません。

同じ統計で、システムエンジニア(受託開発・Webサービス開発)は2.54倍、組込み・IoTのSEは4.26倍です。

職業 求人倍率 求人賃金 関連資格
プログラマー 0.98倍 33.9万円 1つ
受託開発SE 2.54倍 36.4万円 2つ
Webサービス開発SE 2.54倍 36.4万円 なし
組込み・IoT SE 4.26倍 35.6万円 なし

令和7年度のハローワーク求人統計を、各職業が属する区分ごとにjob tagが加工した値。求人賃金は月額。関連資格はjob tagの関連資格欄に載っている資格の数。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)

年収の統計は、プログラマーもSEも同じ「ソフトウェア開発技術者」の区分に入るので、578.5万円で同じです。

ただし求人統計の分類は「プログラマー」として別に数えられていて、そこで倍率が2.5倍以上開きます。求人賃金も月2.5万円低い。

年齢別の年収と、40歳前後で伸びが止まる話は、別に書いています。

プログラマーの年収は574万円。40歳前後で伸びが3%まで落ちる

働き方は、正社員とフリーランスが並ぶ

同じ職業で働く人に多いと感じる働き方を聞くと、正社員53.3%に対して、自営・フリーランスが40.0%(複数回答)。派遣8.3%、契約8.3%。

雇われる席と雇われない席が、ほぼ同じ重さで並んでいます。

労働条件の欄には、受託した会社の正社員として働いていることが多い、とありますが、統計の側ではフリーランスの比率がSEの2倍前後です。

求人票に「プログラマー」と書いてある席と、「エンジニア」と書いてある席は、統計上は別の倍率の中にあります。0.98倍の列に並ぶか、2.54倍の列に並ぶかは、票の職種名では見分けがつきません。

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だから、いま出ている未経験求人が、書くだけの席なのか、見積もりや設計まで持つ席なのか、正社員なのかを、応募する前に担当者を通して確かめられます。

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対象は20代・高卒以上で、東京・埼玉・神奈川での就業を希望する方です(居住地は問いません)。

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どうやってなるのか

開発室で、先輩プログラマーが席に座ったまま、新人が持ってきた設計書の1行を指で示しているちぎり絵風のイラスト。新人は席の横に立って設計書を両手で持ち、先輩のモニターにはコードの画面

job tagの「就業するには」は、入職にあたって特に学歴や資格は必要とされない、専攻も特に問われず、最近は文系出身のプログラマーも多い、と書いています。

関連資格の欄に載っているのは基本情報技術者の1つだけで、必須ではないが持っていると入職時に有利、という位置づけです。

働いている人に多いと感じる学歴は、大卒64.6%、専門学校卒25.0%、高専卒10.4%、高卒8.3%。

入職前の実務経験は「特に必要ない」が37.5%、入職前の訓練期間も「特に必要ない」が31.3%、1〜6か月が25.0%です。

一人前まで3〜4年

新卒でも未経験で他の仕事から来た場合でも、企業内で一定期間の教育を受けてから配属される。

配属後半年から1年は先輩プログラマーやSEの指導を受けて部分的なプログラムを担当する。詳細設計書を自分で読み解き、時にはその中の誤りを指摘できるレベルになるには、3〜4年かかる、とあります。

上の13タスクで詳細設計書を作成する人が78.3%だったのは、この3〜4年を過ぎた人の姿だと読めます。入口の仕事は書くことで、3〜4年後の仕事は設計書の側にも及ぶ。同じ職業名で、中身が変わっていきます。

ノーコードと生成AIについて、国はどう書いているか

労働条件の欄に、こう書かれています。画面デザインから自動的にHTMLが作成されたり、ノーコードでかなりの部分のシステム開発ができるようになっている。生成AIによるプログラムも年々質が良くなっている。

そのうえで続く一文が、この職業の現在地です。

プログラマーはエンジニアとしてシステム全体の開発を担当するようになったり、プログラミングの技を磨いて開発になくてはならない役割を果たしたり、ブロックチェーン、AI、ゲームなど特定分野の専門性を活かしている。

書くだけの部分がツールに移り、残った部分が仕事になっている。13タスクの2段目は、その残った部分です。

SEとの境目がどこにあるか、SEの4種類のうちどれが自分でコードを書くかは、こちらに書いています。

システムエンジニアとはどんな仕事か。4種類のうち自分でコードを書くのは2種類だけだった
ITエンジニアとはどんな仕事か。IT職種21個を求人倍率で並べたら、0.11倍から8.91倍まで開いていた

よくある質問

プログラマーとはどんな仕事ですか?

システムエンジニアが作成した詳細設計に基づいてプログラムを作成し、テストし、修正する仕事です。厚生労働省のjob tagにある13タスクの実施率では、プログラムの作成・テスト・デバッグ・既存プログラムの修正が各96.7%、保守ドキュメントの作成91.7%、開発の見積もり81.7%、詳細設計書の作成78.3%でした。

プログラマーとシステムエンジニアの違いは何ですか?

厚生労働省の職業情報では、SEが要件定義・基本設計・詳細設計と結合テスト・受け入れテストを担い、プログラマーが詳細設計に基づいてコーディングと単体テストを担う、と分けています。ただしプログラマーの78.3%は詳細設計書を自分でも作成しており、境目は固定ではありません。有効求人倍率はプログラマー0.98倍、SE(受託開発・Webサービス開発)2.54倍です。

プログラマーに資格は必要ですか?

入職にあたって特に学歴や資格は必要とされていません。job tagが関連資格として挙げるのは基本情報技術者の1つだけで、必須ではないが持っていると入職時に有利、という位置づけです。働いている人に多い学歴は大卒64.6%、専門学校卒25.0%で、文系出身も多いと書かれています。

プログラマーは未経験でもなれますか?

job tagには、新卒でも未経験で他の仕事から来た場合でも、企業内で一定期間の教育を受けてから配属され、配属後半年から1年は指導を受けながら部分的なプログラムを担当する、とあります。入職前の実務経験は「特に必要ない」と考える人が37.5%です。一人前として詳細設計書を読み解けるレベルになるには3〜4年かかる、とされています。

最初の半年から1年で任されるのは、部分的なプログラムを書くことです。書く力が入る前にあれば、その半年を、見積もりや設計書の側に近づく時間に使えます。

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だから、13タスクの上の4つ(書く・確かめる・直す・変える)を、応募する前に自分の手に持てます。0.98倍の列で書く力を証明するところから始めるのではなく、証明を持って列に並べます。受講相談は無料です。

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冒頭の96.7%は、プログラムを書いている人の割合でした。同じ人たちの81.7%が見積もりを出し、78.3%が設計書を作っています。プログラマーとは、書く人ではなく、書くところから始めて設計の側へ広がっていく人のことです。

参考出典
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)プログラマー・システムエンジニア(受託開発・Webサービス開発・組込み,IoT)
厚生労働省「ハローワーク求人統計」令和7年度/「令和7年賃金構造基本統計調査」(いずれもjob tagの加工値)

タスクの実施率・学歴・訓練期間・実務経験・就業形態は、その職業で働く人へのアンケート結果で、学歴と就業形態は複数回答です。3つのまとまりへの分け方は当編集部によるものです。有効求人倍率・求人賃金・年収は各職業が属する統計の区分の値で、職業そのものの値ではありません。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)を確認してください。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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