PR 本記事は広告を含みます。
2006年1月31日
JSTQBの最初の試験を受けたのは、48人でした。基礎にあたるFoundation Levelのトライアル試験で、合格したのは25人です。
それから20年。同じ試験を、いまは年に4,000人ほどが受けています。JSTQBとは何か、この20年で何が変わったのかを、公表されている受験者数と合格率の全回分で追いました。
JSTQBとは、ソフトウェアテストの国際資格の日本の窓口
JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)は、公式サイトの言葉では「日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織」です。
認定する資格は「JSTQB認定テスト技術者資格」といいます。
もとになっているのは、1998年にできた国際組織ISTQBの資格です。JSTQBは2005年4月にISTQBの加盟組織として認定され、2006年5月に旧称のJTCBから今の名前になりました。
ISTQBの加盟組織どうしは資格を相互に認めていて、JSTQBの資格は海外でも有効だと説明されています。
ISTQBの試験は世界で150万件行われ、130か国を超える国で110万件超の認定が出ています(2025年5月時点)。
運営は特定非営利活動法人ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)です。申し込みの受付と運営は一般財団法人日本科学技術連盟(日科技連)、コンピュータで受ける試験はピアソンが実施しています。
いま受けられるJSTQBの試験
| 試験 | 問題・時間 | 受験資格 |
|---|---|---|
| Foundation Level(基礎) | 40問・60分 | 制限なし |
| Advanced Level テストマネジメント | 50問・120分 | FL合格と業務経験3年以上 |
| Advanced Level テストアナリスト | 40問・120分 | FL合格 |
| Specialist 自動車ソフトウェアテスト担当者 | 60分 | FL合格 |
受験料はいずれも22,000円(税込)。コンピュータで受けるCBT形式で、Foundation Levelだけは東京で紙の試験(PBT)もある。自動車ソフトウェアテスト担当者の問題数は、JSTQB・日科技連・ピアソンのページに記載がない。出典:JSTQB「試験実施案内」「FAQ」、ピアソンVUE「JSTQB認定テスト技術者資格」、日科技連
JSTQBのFAQによれば、Foundation LevelとAdvanced Levelは再認定が不要で、更新のための試験や費用もかかりません。一度合格すれば、その後も名乗り続けられます。
テストを仕事にするQAエンジニアが、実際にどんな作業をしているかは別の記事で並べました。
QAエンジニアとは、バグを直す人ではなかった。厚労省の16タスクで自分で直す人は42.6%、仕事の中心は見つけて伝えること
年2回の紙の試験の16年、合格率は年度で43%から70%まで揺れた
Foundation Levelの受験者数と合格率(年度別)
| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 紙の試験(年2回) | |||
| 2005年度(試行) | 48 | 25 | 52.1% |
| 2006年度 | 782 | 445 | 56.9% |
| 2007年度 | 2,085 | 1,358 | 65.1% |
| 2008年度 | 2,869 | 1,363 | 47.5% |
| 2009年度 | 3,119 | 1,700 | 54.5% |
| 2010年度 | 2,609 | 1,489 | 57.1% |
| 2011年度 | 2,130 | 927 | 43.5% |
| 2012年度 | 2,093 | 920 | 44.0% |
| 2013年度 | 1,341 | 869 | 64.8% |
| 2014年度 | 2,443 | 1,440 | 58.9% |
| 2015年度 | 2,029 | 1,422 | 70.1% |
| 2016年度 | 2,591 | 1,266 | 48.9% |
| 2017年度 | 2,433 | 1,591 | 65.4% |
| 2018年度 | 3,598 | 2,085 | 57.9% |
| 2019年度 | 3,364 | 1,951 | 58.0% |
| 2020年度(1回) | 923 | 603 | 65.3% |
| 2021年度 | 1,877 | 1,131 | 60.3% |
| 2022年度以降(日科技連の集計) | |||
| 2022年度 | 1,764 | 1,244 | 70.5% |
| 2023年度 | 3,465 | 2,598 | 75.0% |
| 2024年度 | 4,037 | 2,936 | 72.7% |
| 2025年度 | 4,013 | 2,557 | 63.7% |
| 2026年度(8月19日現在) | 1,587 | 955 | 60.2% |
| 20年の合計 | 51,200 | 30,869 | 60.3% |
2021年度まではJSTQB「実施データ」の各回を、実施日で4月始まりの年度に振り分けた当編集部の集計。2022年度以降は日科技連「試験実施結果」の年度表で、年度の定義と、CBTと紙の試験の内訳は記載がない。合計はJSTQBの表の「計」(36,334人・20,579人)と日科技連の合計を足した値で、JSTQBの表の合格者は各回を足すと計より6人多い。出典:JSTQB「実施データ」、日科技連「JSTQB試験実施結果」
2021年度までは、紙の試験を夏と冬の年2回行っていました。受験者は2009年度に3,000人を超え、紙の時代でいちばん多かったのは2018年度の3,598人です。
合格率は回によって大きく動き、年度で見ると43.5%(2011年度)から70.1%(2015年度)まで開きます。
2021年度までをJSTQBの表の「計」で見ると、延べ3万6,334人が受けて2万579人が合格、56.6%でした(各回を足すと合格者は2万585人で、計より6人多くなります)。
JSTQBの表には第29回の行がなく、2020年度は2021年2月の1回分だけです。理由は書かれていません。

CBTになって、受験者は年4,000人台に
2022年10月3日、コンピュータで受けるCBT形式の試験が、全国47都道府県のテストセンターで始まりました。いまは予約できる日なら、いつでも受けられます。
受験者は、夏と冬の紙の試験が最後に行われた2021年度の1,877人から、2023年度に3,465人、2024年度に4,037人へ増えました。
紙の時代にいちばん多かった2018年度の3,598人と比べても、2024年度は1割あまり多い人数です。2024年度からは年4,000人台が続いています。
2022年度以降の合格率は70.5%、75.0%、72.7%と、紙の時代より高い水準が続きました。日科技連の表には、CBTと東京の紙の試験の内訳は書かれていません。
出題が新しいシラバス(v4.0)に切り替わったのは2024年11月1日です。その後の2025年度は63.7%で、年度を通した値では2022年度以降でいちばん低くなりました。
2026年度は8月19日現在で60.2%です。切り替えとの関係は公表されていません。
受け方と、結果が出るまで
予約できるのは当月を含めた3か月分(10月なら12月末まで)で、受験日の前日23時59分まで受け付けています。変更とキャンセルは受験の24時間前までです。
受付のため試験開始の15分前までに会場へ来るよう案内されていて、遅刻すると受験できず、受験料も戻りません。試験室には私物を持ち込めず、ホワイトノートとペンが貸し出されます。
結果は受験後2週間以内に、申し込みサイトで確認します(日科技連のFAQでは2〜3週間が目安)。点数は開示されません。
落ちた場合、同じ試験は最後の受験日から3か月後以降の日程で予約できます。紙の試験は今もFoundation Levelだけ東京で行っていて、次回は2027年1月16日です。
Foundation LevelとAdvanced Levelは再認定が不要で、一度取れば職務経歴書に書き続けられます。
上の段のテストマネジメントは、ソフトウェアのテスト・開発・品質保証などの業務経験が通算3年以上あることが受験の条件です。上の段に進むにも、仕事をした年数が要ります。
Geekly(ギークリー)は、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職支援サービスです。
だから、テストやQAの経験が、どの業界のどの求人に届くのかを、面談で確かめられます。資格と経験を、そのまま次の職場の話にできます。面談は無料です。
対象は、IT・Web・ゲーム業界での実務経験がある方で、一都三県または関西での転職を希望する方です(居住地は問いません)。
\ IT・Web・ゲーム業界に特化 /
基礎の試験は40問・60分、26問正解で合格
合格ラインについて、JSTQBはISTQBの基準に従うとしています。ISTQBの規則では、Foundation Levelは40問・60分で1問1点、40点中26点(65%)以上で合格です。
日科技連のFAQにも「Certified Tester Foundation Level (CTFL)は65%です」とあります(2022年9月12日現在)。
ISTQBの出題表では、問題は知識のレベルで3つに分かれます。用語を覚えているかを問う記憶(K1)が8問、説明できるかを問う理解(K2)が24問、手順どおりに使えるかを問う適用(K3)が8問です。
Foundation Levelの章ごとの出題数と学習時間
| 章 | 出題数 | 学習時間 |
|---|---|---|
| 第1章 テストの基礎 | 8問 | 180分 |
| 第2章 ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト | 6問 | 130分 |
| 第3章 静的テスト | 4問 | 80分 |
| 第4章 テスト分析と設計 | 11問 | 390分 |
| 第5章 テスト活動のマネジメント | 9問 | 335分 |
| 第6章 テストツール | 2問 | 20分 |
| 合計 | 40問 | 1,135分 |
学習時間は、シラバスが認定トレーニングコースに求める最低の講義時間で、独学の目安ではない。出題数はISTQB「Exam Structure Tables」v1.19のCTFL v4.0の表で、日本語の試験が同じ配分かはJSTQBのサイトに記載がない。章名はJSTQBの日本語版シラバス(2023V4.0.J02)。出典:JSTQB、ISTQB
いちばん重いのは第4章のテスト分析と設計で、11問と390分です。
このうち適用(K3)の5問は、同値分割法、境界値分析、デシジョンテーブルテスト、状態遷移テスト、受け入れテスト駆動開発を使ってテストケースを導き出す学習目標から出ます。
シラバスの学習時間を足すと1,135分(18時間55分)です。ただしこれは認定トレーニングの講義に求められる最低の時間で、独学に何時間かかるかを示す公式の数字はありません。
Foundation Levelの過去問は公開されていません。JSTQBは過去に出題した問題を公開する予定はないとしていて、日科技連のFAQも問題を開示しないと書いています。
ISTQBは英語のサンプル試験を4セット無料で公開しています。JSTQBのサイトにある日本語のサンプル問題は、2011年版のシラバスに対応した7問です。
Advanced Levelは、2017年のセミナーで過去問題の一部を解説した資料(テストアナリスト・テストマネジメント)がJSTQBのサイトに載っています。
合格率は、受ける人の顔ぶれでも変わります。国家試験の基本情報技術者試験を、学歴と年齢で分けて並べた記事もあります。
基本情報技術者試験の合格率を学歴と年齢で分けたら、20%から77%まで開いていた
上の段のAdvanced Levelは、紙の時代の約2割からCBTで4割近くへ
テストマネジメントはFoundation Level合格に加えて業務経験3年以上が必要で、テストアナリストはFoundation Levelに受かっていれば受けられます。どちらも120分の試験です。
Advanced Levelの受験者数と合格率
| 期間 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| テストマネジメント | |||
| 紙の試験(2010〜2021年) | 4,047 | 717 | 17.7% |
| CBT(2022〜2025年度) | 982 | 347 | 35.3% |
| テストアナリスト | |||
| 紙の試験(2016〜2022年) | 2,540 | 548 | 21.6% |
| CBT(2023〜2025年度) | 1,179 | 463 | 39.3% |
| 紙の試験の計 | 6,587 | 1,265 | 19.2% |
| CBTの計(2025年度まで) | 2,161 | 810 | 37.5% |
紙の試験はJSTQB「実施データ」の計。テストマネジメントの受験者の計4,047人は各回を足した3,237人と810人ずれていて、各回の合計で計算すると紙の試験の計の合格率は21.9%。CBTは日科技連の年度表で、テストアナリストの年度表は2023年度から。2026年度(8月19日現在)はテストマネジメント94.3%(123人中116人)、テストアナリスト41.3%と年度途中の値のため除いた。出典:JSTQB、日科技連
2010年の最初のテストマネジメントの試験(トライアル)は、189人が受けて合格は19人、10.05%でした。紙の時代は1割前後の回が多く、2022年度から2025年度までの各年度は3割台から4割台前半です。
2つの試験を合わせると、紙の時代は延べ6,587人のうち1,265人が合格して19.2%。2022年度から2025年度までは2,161人中810人で37.5%です。上の段の合格率は、紙の時代の2倍近くになりました。
テストアナリストは、2026年11月中旬から新しい版(v4.0)の試験に切り替わる予定です。ISTQBの新しい版は45問ですが、日本語の試験の問題数はまだ公表されていません。
Foundation Levelは受験資格に制限がなく、誰でも受けられます。テストの用語と手順を一通り知っていることは、IT業界に入る前から示せる材料になります。
ユニゾンキャリアはIT・Web業界専門の転職エージェントで、IT業界が未経験の人の転職も支援しています。
だから、テストやQAから未経験で入れる求人がいまどれくらいあるかを、応募する前に担当者に確かめられます。資格の勉強と並行して、入口の求人を見ておけます。面談は無料です。
対象は20代・高卒以上で、東京・埼玉・神奈川での就業を希望する方です(居住地は問いません)。
\ IT未経験の転職も相談できる /
よくある質問
JSTQBとは何ですか?
ソフトウェアテストの資格を認定する国際組織ISTQBの、日本の加盟組織(2005年4月に認定)で、JSTQB認定テスト技術者資格を認定しています。運営は特定非営利活動法人ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)、試験の申し込みと運営は一般財団法人日本科学技術連盟、コンピュータで受ける試験の実施はピアソンです。資格は相互認証により海外でも有効とされ、Foundation LevelとAdvanced Levelは再認定が不要です。
JSTQBの合格率と難易度は?
Foundation Levelは、2006年1月の最初の試験から2026年8月19日現在までで延べ51,200人が受験して延べ30,869人が合格し、合格率は60.3%です(当編集部算出)。2022〜2025年度の各年度は63.7〜75.0%で、2026年度は8月19日現在で60.2%です。上位のAdvanced Level(テストマネジメントとテストアナリスト)は、紙の試験の時代の合計が19.2%、2022〜2025年度の合計が37.5%でした。
JSTQBの勉強時間の目安は?
独学の勉強時間を示す公式の数字はありません。Foundation Levelのシラバスは、認定トレーニングコースの講義に最低1,135分(18時間55分)を求めていて、最も長いのは第4章「テスト分析と設計」の390分です。ISTQBの出題表では、40問のうち11問がこの章から出ます。
JSTQBの過去問はありますか?
Foundation Levelの過去問は公開されていません。JSTQBは過去に出題した問題を公開する予定はないとしています。ISTQBが英語のサンプル試験(A〜Dの4セット)を無料で公開していて、JSTQBのサイトには2011年版シラバスに対応した日本語のサンプル問題があります。Advanced Levelは、2017年のセミナーで過去問題の一部を解説した資料が載っています。
JSTQBの受験料と受け方は?
受験料は全試験22,000円(税込)です。CBTは全国のテストセンターで、予約できる日ならいつでも受験でき、結果は受験後2週間以内に申し込みサイトで確認します。不合格の場合、同じ試験は最後の受験日から3か月後以降の日程で予約できます。
2006年1月、最初の試験に集まったのは48人でした。20年で延べ5万1,200人が受け、いまは1年で4,000人を超えます。基礎には6割が受かり、上の段もCBTになってからは3人に1人を超えて受かっています。
参考出典
JSTQB「JSTQBについて」・「実施データ」・「試験実施案内」・「FAQ」・「シラバス・用語集」
一般財団法人日本科学技術連盟「JSTQB試験実施結果」(2026年8月19日現在)/ピアソンVUE「JSTQB認定テスト技術者資格」
ISTQB「Certified Tester Foundation Level (CTFL) v4.0」(Exam Structure Tables v1.19・Exam Structures and Rules v1.2)
2021年度までの年度別の数字は、JSTQBの実施データの各回を当編集部が年度に振り分けて足した値です。受験者・合格者は延べ人数です。20年の合計、Advanced Levelの期間別の数字も当編集部の算出で、JSTQB・日科技連が公表した通算値ではありません。受験料・日程・サービス内容は公式サイトの記載(2026年9月時点)を確認してください。


コメント