Webデザイナーはやめとけ? 求人倍率は0.11倍、同じWebサイトを作るエンジニアは2.54倍だった

転職フェアの会場を2階から見下ろしたステンシル風のイラスト。「Webデザイナー 募集」のブースは面談席が1つで、番号札を持って座って待つ人の列が3列。隣の「Webエンジニア 募集」のブースは面談席が5つ並び担当者が立っているのに、待っている人は2人だけ 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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0.11倍。ハローワークに出ているWebデザイナーの求人倍率です。求職者9人に対して、求人が1件しかありません。

同じWebサイトを作る仕事でも、エンジニア側は2.54倍。23倍の開きがあります。

やめとけと言われる理由はいくつもありますが、この数字だけは、気持ちの問題ではなく席の数の問題です。厚生労働省の統計で、デザイナー側とエンジニア側を並べて見ていきます。

求人倍率は、0.11倍だった

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に、ハローワークの求人統計から職業ごとの有効求人倍率が載っています。令和7年度の数字です。

項目 Webデザイナー SE(Web開発)
有効求人倍率 0.11倍 2.54倍
求人賃金(月) 28.2万円 36.4万円
年収 539.6万円 578.5万円
就業者数 20.1万人 38.9万人
正社員 39.6% 75.6%
フリーランス 62.3% 20.0%

有効求人倍率と求人賃金は令和7年度のハローワーク求人統計、年収と年齢は令和7年賃金構造基本統計調査、就業者数は令和2年国勢調査を、いずれも厚生労働省がjob tagで職業ごとに加工した値。正社員とフリーランス(自営を含む)は、その職業で働く人が「多いと感じる就業形態」を答えた割合(複数回答)。就業者数はWebデザイナー20万1,100人、SE38万9,760人。SEはシステムエンジニア(Webサイト開発)。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「Webデザイナー(Web制作会社)」「システムエンジニア(Webサイト開発)」

求人1件あたりの求職者が9人と0.4人。倍率だけでなく、求人票に書かれた月給も8万円違います。

Web制作に関わる職種を、倍率の低い順に並べるとこうなります。

Webデザイナー0.11倍
Webディレクター0.39倍
プログラマー0.98倍
UX/UIデザイナー2.07倍
システムエンジニア(Webサイト開発)2.54倍
参考:全職業(2026年7月・常用)1.05倍

令和7年度の有効求人倍率。全職業のみ厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」の常用(パート含む)。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト各職業ページ

デザインに近い順に倍率が下がり、コードに近い順に上がります。同じ現場で、席の数が最大23倍違う。これが、やめとけの正体です。

月次の数字も同じ向きです。2026年7月のハローワークでは、美術家・デザイナー・写真家・映像撮影者の区分で求人4,043件に対して求職者2万6,714人。倍率0.15で、全職業の1.05を大きく下回ります。

年収は、思ったほど差がない

ここは意外でした。令和7年の賃金構造基本統計調査で、デザイナーの年収は539.6万円。ソフトウェア作成者は578.5万円で、差は39万円です。

年齢で分けると、25〜29歳で414.5万円と484.7万円、35〜39歳で564.8万円と636.0万円。差は70万円前後です。30代前半では25万円まで縮み、40代後半で127万円まで開きます。

残業はデザイナーのほうが少なく、月8時間に対して12時間でした。

ただし、この年収は会社に雇われている人の平均です。job tagの調査では、Webデザイナーとして働く人の62.3%が自営・フリーランスの働き方を挙げていて、正社員は39.6%。

統計の年収に入っていない人のほうが多いのがこの職業です。

総務省の就業構造基本調査でも、美術家・デザイナー・写真家・映像撮影者42万5,700人のうち、雇われていない人が16万6,300人。39.1%です。

やめとけの中身は、給料が安いことではありません。雇われる席が少なく、雇われない働き方に流れる人が多いことです。

Web業界に入りたい理由がデザインそのものなら、この構造は変えられません。ただ、Webサイトを作る仕事に就きたいという理由なら、席は隣にあります。

ユニゾンキャリアはIT・Web業界に特化した、未経験者向けの転職エージェントです。扱う求人がIT・Web業界の未経験入社に絞られています。

だから、Web制作の現場でいま実際に出ている未経験求人が、デザイン寄りなのかコーディング寄りなのかを、応募する前に担当者を通して確かめられます。0.11倍の列に並ぶ前に、席のある側から入れます。面談は無料です。

対象は20代・高卒以上で、東京・埼玉・神奈川での就業を希望する方です(居住地は問いません)。

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やめとけと言われる4つの理由を、数字で確かめる

職業訓練校のWebデザイン科の教室をいちばん後ろから見たステンシル風のイラスト。30席がすべて埋まり、全員が同じレイアウトのWebページを作っている。入口の上に「Webデザイン科」の掲示

未経験からは無理なのか

無理ではありませんが、入口は狭い。job tagでWebデザイナーとして働く人に聞いた入職前の訓練期間は「特に必要ない」が28.3%、半年以下が18.9%です。学歴は大卒45.3%、専門学校卒34.0%。

訓練の長さより効くのは、その先の倍率です。0.11倍の市場では、未経験の求人はそもそも数が少なく、あっても求人賃金は月28.2万円が平均です。

「未経験 求人 怪しい」と検索されるのは、未経験歓迎の求人が少ない市場に、育成より安い労働力を目的にした求人が混ざるからだと見ています。

増えすぎなのか

就業構造基本調査で、美術家・デザイナー・写真家・映像撮影者は2017年の37万7,500人から2022年の42万5,700人へ、12.8%増えました。人数の増え方は、情報処理技術者の41.2%増より緩やかです。

働く人の増え方は緩やかで、それでも求人4,043件に対して求職者は2万6,714人います。増えすぎているのは働く人の数ではなく、待っている列の長さでした。

AIでなくなるのか

厚生労働省の職業解説には、こう書かれています。

Webサイトを簡単に作成できるツールの普及で、制作会社に発注するより個人事業主に発注したり自社で作成する企業も出てきている。生成AIを利用したWebデザインとの競争という側面もある。

なくなるかどうかは分かりません。ただ、発注の単位が小さくなるほど、雇う席は減り、案件単位で受けるフリーランスに流れます。62.3%という数字は、その途中経過に見えます。

職業訓練やスクールで学べば変わるのか

技術は身につきます。変わらないのは出口の倍率です。訓練の修了者は、同じ0.11倍の市場に求職者として加わります。

学ぶなら、出口が2.54倍の側に通じているかで選んだほうがいい。同じWeb制作の現場で、HTML・CSS・JavaScriptを書ける人の席は、デザインだけの席より多い。上の一覧のとおりです。

スクールの費用と、実質額が半分以下になる公的制度はプログラミングスクールの費用に書きました。

同じ現場で、席があるのはどちらか

人材紹介の仕事で、Webデザイナー志望の相談を何度も受けました。ポートフォリオを作り込んだ人ほど、求人の少なさに驚きます。

そのとき勧めていたのは、デザインを捨てることではありません。デザインとコーディングの両方を持って、席の多い側から入ることです。

厚生労働省の職業解説によると、Web制作会社は社員10〜20人ほどの規模が多い。デザインだけの人を雇う余裕がない規模です。

UX/UIデザイナーが2.07倍なのも同じ理由です。画面を設計してエンジニアと話せる人には席があり、見た目だけを作る人の席が減っています。

エンジニア側の職種がどう並ぶかは、エンジニア職種図鑑でフロントエンドを含めて整理しています。未経験からWebエンジニアになる道は、Webエンジニアに未経験からなれるかに書きました。

よくある質問

Webデザイナーはやめとけと言われるのはなぜですか?

いちばん大きい理由は求人の少なさです。厚生労働省のjob tagによると、Webデザイナーの有効求人倍率は0.11倍(令和7年度)で、求職者9人に求人1件です。同じWebサイトを作るシステムエンジニア(Webサイト開発)は2.54倍で、23倍の開きがあります。年収は539.6万円とソフトウェア作成者の578.5万円に近く、給料より席の少なさが理由です。

未経験からWebデザイナーになれますか?

なれますが、入口は狭いです。job tagの調査では、働いている人の45.3%が大卒、34.0%が専門学校卒で、入職前の訓練が特に必要ないと答えた人は28.3%でした。求人倍率0.11倍の市場では未経験向けの求人自体が少なく、求人賃金の平均は月28.2万円です。デザインとコーディングの両方を身につけて、倍率の高いエンジニア側の求人も視野に入れると入口が広がります。

Webデザイナーの年収はいくらですか?

令和7年賃金構造基本統計調査を厚生労働省が加工した値で539.6万円(平均39.1歳)です。ソフトウェア作成者の578.5万円との差は39万円で、年齢別に見ても差は70万円前後です。ただしこの数字は会社に雇われている人の平均で、自営・フリーランスで働く人は含まれません。

WebデザイナーはAIでなくなりますか?

厚生労働省の職業解説は、簡単にWebサイトを作れるツールの普及で自社で作成する企業が出てきていることと、生成AIを利用したWebデザインとの競争があることを挙げています。職業がなくなるかは分かりませんが、雇われる席が減り、案件単位で受けるフリーランスに流れる傾向は統計に出ています。

最後に、これからWeb制作を学ぶ人へ。学ぶ内容を決めるのは、好きかどうかより、出口の倍率です。デザインだけを学ぶと0.11倍の列に並び、コーディングまで持てば2.54倍の側に応募できます。

Winスクールは全国に教室があり、オンラインにも対応した個人レッスンのスクールです。Webデザイナー向けとWebエンジニア向けの就職・転職コースの両方があり、年齢やエリアの制限がありません。

デザインとコーディングを同じ場所で学べるので、求人票の「HTML・CSS・JavaScriptができる方」の行を埋めた状態で応募できます。その結果、応募先を0.11倍の枠から2.54倍の枠まで広げられます。受講相談は無料です。

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次の一手は1つです。いま学ぼうとしている内容が、0.11倍の側と2.54倍の側のどちらに通じているかを、求人票の応募条件で確かめてください。

参考出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「Webデザイナー(Web制作会社)」「システムエンジニア(Webサイト開発)」ほか各職業ページ(有効求人倍率・求人賃金=令和7年度ハローワーク求人統計、年収=令和7年賃金構造基本統計調査、就業者数=令和2年国勢調査の加工値)/厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」参考統計表(職業別)/厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)、年齢階級別(e-Stat)/総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」「平成29年就業構造基本調査」全国編 第26表

job tagの有効求人倍率と求人賃金は、各職業が属する厚生労働省編職業分類に対応するハローワーク求人統計の値で、その職業だけの数字ではありません。就業形態・学歴・訓練期間は、その職業で働く人へのアンケートで「多いと感じる」ものを答えた割合(複数回答)です。賃金構造基本統計調査の年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で算出した値(企業規模10人以上の一般労働者)で、自営・フリーランスは含みません。就業構造基本調査の区分は「美術家,デザイナー,写真家,映像撮影者」で、Webデザイナー以外を含みます。「雇われていない人」は総数から雇用者を引いた値です。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)に基づくため、申込前に必ずご確認ください。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

銀行 10年M&A仲介・IT人材紹介 3年事業承継で経営

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