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6,859,100人
初めて仕事に就いたとき、30歳以上だった人の数です。総務省の就業構造基本調査から拾いました。平成5年以降に初職に就いた4,222万人のうち、6人に1人が30歳を過ぎてから働き始めています。
30歳で職歴がないと、もう間に合わない。そう言われますし、実際にそう感じている方が読んでいると思います。私も人材紹介にいたころ、その相談を何度も受けました。
正直に書くと、私自身もどこかに線が引かれていると思っていました。同じ調査を読んで、その予想が2つとも外れました。
私は、一定のペースで不利になると思っていた
空白期間が長いほど書類で落ちる。これは現場の実感としてありました。
だから頭の中では、こういう線を引いていました。1年遅れれば1年分、5年遅れれば5年分、同じペースで不利になっていく。この数え方だと、30歳はもう相当まずい位置になります。
もうひとつ思っていたのが、入り口で決まるということです。最初に正社員で入れなかった人は、その差をずっと引きずる。これも現場で何度も見た光景でした。
確かに、遅く始めた人ほど正社員率は低い
就業構造基本調査には、学校を卒業してから初めて仕事に就くまでに何年かかったかという設問があります。その人が最初に正社員として入ったか、そして今も正社員かも取れます。
| 卒業から初めて仕事に就くまで | 初職が正社員 | 今も正社員 |
|---|---|---|
| 1年未満 | 83.1% | 67.7% |
| 1〜3年 | 66.8% | 58.6% |
| 3〜5年 | 58.5% | 53.5% |
| 5〜10年 | 56.5% | 53.4% |
| 10年以上 | 45.3% | 44.1% |
卒業してすぐ働き始めた人は、初職が正社員だった割合が83.1%。10年以上かかった人は45.3%です。差は37.8ポイントあります。
ここまでは予想どおりでした。遅れるほど不利になる。それ自体は数字にも出ています。
ただ、下がり方が一定ではなかった
右の列を上から追ってください。67.7%、58.6%、53.5%、53.4%、44.1%。
最初の3年で9.1ポイント落ちます。次の2年で5.1ポイント。ところが5年から10年のあいだは、0.1ポイントしか動いていません。
一定のペースで落ちるという私の予想は、ここで外れました。落ちるのは最初の数年です。そこを過ぎると、しばらく平らになります。
そのあと10年を超えると、また9.2ポイント落ちます。線はあります。ただしそれは30歳という年齢の線ではなく、卒業してからの経過年数の線でした。
フリーターに限った別の調査でも、同じ向きの線が出ています。フリーターから正社員になれたのは3人に2人で見たのは、年齢ではなく4年目で割合が落ちる形でした。
もうひとつ、予想と逆のことが起きていた
2つの列を横に見比べると、別のことが分かります。入り口の割合と、今の割合の差です。
卒業してすぐ働き始めた人は、83.1%が正社員で入って、今も正社員なのは67.7%。15.4ポイント減っています。一方、10年以上かかった人は45.3%で入って、今が44.1%。減ったのは1.2ポイントだけです。
結果として、入り口で37.8ポイントあった差は、今は23.6ポイントになっています。14.2ポイント縮まりました。
入り口で決まるという予想も、外れていたことになります。正社員で入った人がそのまま残るわけではなく、遅れて入った人がそのまま沈むわけでもない。入り口のあとにも、人は動いています。
30歳で初めて働き始めた人は、686万人いる
年齢のほうも見ておきます。初職に就いた年齢の分布です。
最も多いのは22歳で19.4%。20歳から24歳のあいだに51.7%が集中します。19歳以下が22.5%、25歳から29歳が9.5%。そして30歳以上が16.2%です。
25歳から29歳の9.5%より、30歳以上の16.2%のほうが多くなっています。25歳を過ぎて働き始めた人は全体の4人に1人で、そのうち6割以上が30歳を過ぎてからでした。
女性の育児後の就業が含まれるので、男女で分けます。男性だけで見ても、30歳以上で初職に就いた人は288万人、13.5%います。女性は19.0%です。男性に限っても、7人から8人に1人という水準は変わりません。
年齢の上限がある求人は、職歴を問えない
ここで、求人の側の決まりを1つ挟みます。知らない方が多いところです。
労働者の募集と採用で年齢制限を設けることは、法律で原則として禁止されています。求人票に「35歳まで」と書くのは、本来できません。
ただし例外が6つあります。そのうち実際によく使われているのが、長期勤続によるキャリア形成を理由に、若年者に限って募集するという例外です。厚生労働省の資料では、ここでいう若年者は基本的に35歳未満を想定すると書かれています。
この例外を使うには条件があります。厚生労働省が挙げているのは2つで、1つ目が対象者の職業経験を不問とすること。2つ目が、新卒以外の人にも新卒と同等の育成と処遇をすることです。

さらに、この例外が作られた理由も書かれています。就職の厳しい時期に正社員になれなかった年長フリーターやニートの増加に配慮して設けられた、とあります。職歴のない人を排除するための線引きではなく、その逆でした。
とはいえ、その条件に当てはまる求人かどうかは、求人票を見ても書いてありません。1件ずつ確かめる手間は、応募する側が負うことになります。
JAICの就職カレッジには、書類選考がありません。応募先を1社ずつ探すのではなく、無料の研修を受けたうえで、参加企業との面談にまとめて進む形だからです。その結果、求人票の条件を1件ずつ読み解く作業をしないまま、話す場面から始められます。
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では、なぜ手遅れだと感じるのか
数の上では珍しくないのに、当事者は手遅れだと感じます。理由は、応募のたびに説明から始まるからだと思っています。
人材紹介にいたころ、書類で落ちる方に共通していたのは経歴そのものより、空白期間に何をしていたかを言葉にできていないことでした。理由が言えれば通る場面を、何度も見ています。
採用側が実際に何を見ているかは、数字が出ています。中途採用の選考で重視する項目のうち、学歴・経歴は23.1%で下から数えたほうが早い位置でした。上位は職業意識72.7%とコミュニケーション能力66.9%です。この内訳は既卒の就活は厳しいのかにまとめています。
制度の側も、そこは把握しています。先ほどの厚生労働省の資料には、年齢不問としながら書類選考で実質的に年齢制限をしているケースも見受けられるという一文があります。そのうえで、書類選考だけでなく実際に面接をして判断するよう求めています。
つまり経歴で足切りされる場面と、話して判断される場面が分かれているということです。前者を避けて後者に行けば、条件は変わります。
職種で言えば、IT職はこの構造と相性がいいほうです。選考で見せられる材料を自分で作れます。作ったもの、学んだ記録、取った資格。空白期間の説明を、そこに何を置いたかの説明に変えられます。
ただし実際に手を動かしている人は多くありません。転職した人のうち、学校や通信教育で学んだのは100人あたり3人でした。この数字は転職した人の66.1%は準備を何もしていなかったに書いています。
高卒から進む場合の職種の選び方は高卒フリーターの就職に、大学を中退した場合は大学中退の就職のほうが近いと思います。
よくある質問
30歳で職歴なしは就職に手遅れですか。
総務省の令和4年就業構造基本調査では、平成5年以降に初職に就いた4,222万人のうち、30歳以上で初めて仕事に就いた人は686万人で16.2%でした。男性だけでも288万人(13.5%)です。数の上では珍しいことではありません。
卒業してからのブランクが長いと正社員になれませんか。
同調査では、卒業から初職までが1年未満の人は83.1%が正社員として入り、10年以上かかった人は45.3%でした。差はありますが、現在も正社員である割合で見ると3年以上5年未満が53.5%、5年以上10年未満が53.4%と、この区間はほとんど変わりません。
何年を過ぎると不利になりますか。
落ち幅が大きいのは最初の3年(9.1ポイント)と、10年を超えたとき(9.2ポイント)です。3年から10年のあいだは0.1ポイントしか動きません。年齢そのものより、卒業からの経過年数で区切られています。
最初に正社員になれないと、ずっと不利なままですか。
同調査では、入り口の正社員率の差37.8ポイントが、現在は23.6ポイントに縮まっています。卒業後すぐ働き始めた人は83.1%から67.7%へ15.4ポイント減り、10年以上かかった人は45.3%から44.1%へ1.2ポイントの減少にとどまりました。
求人に「35歳まで」と書いてあるのは違法ではないのですか。
募集・採用で年齢制限を設けることは法律で原則禁止ですが、例外が6つあります。よく使われるのは長期勤続によるキャリア形成を理由に若年者に限る例外で、厚生労働省の資料では基本的に35歳未満を想定するとされています。この例外を使う条件として、対象者の職業経験を不問とすることが挙げられています。
採用で経歴はどれくらい見られますか。
厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査では、中途採用の選考で重視した点のうち学歴・経歴は23.1%でした。上位は職業意識・勤労意欲72.7%、コミュニケーション能力66.9%です。
ここまでの話は、要するに書類で落ちなければ状況が変わるということです。ただ、書類で落ちている限り、話す機会そのものが来ません。JAICの就職カレッジは、フリーター・既卒・大学中退の方を対象にした就職支援です。書類選考なしで、無料の研修を受けてから企業との面談に進む形なので、最初から話して判断される側の場面に入れます。ここまで見てきたとおり、企業が選考で重く見ているのは職業意識とコミュニケーション能力で、学歴・経歴は23.1%と下位です。話す場面に立てれば、見られる項目そのものが入れ替わります。参加したからといって、入社を決める必要はありません。
対象は18〜35歳で、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・京都・兵庫・愛知・福岡など12都府県での就職を希望する方です。地方在住でも、これらの地域で働く意思があれば利用できます。
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3年から10年のあいだ、正社員率は0.1ポイントしか動きません。
動いていないのは年数のほうです。
その年数の中に何を置いてきたかと聞かれたとき、あなたは何と答えますか。
※ 初職とは最初に就いた仕事をいい、通学の傍らにしたアルバイトは含みません(総務省の定義による)。初職には正規・非正規の両方が含まれます。表の2つの割合は、いずれも「卒業から初職に就いた者」を母数として当編集部が算出したもので、現在無業の方も母数に含みます。そのため「今も正社員」は、現在働いている人の中での正社員比率ではありません。調査時点は2022年10月1日。集計対象は平成5年以降に卒業し初職に就いた方で、それ以前の世代は含みません。年齢制限の禁止と例外事由は、厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークのリーフレット「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」によります。同リーフレットは改称前の雇用対策法として記載されており、現在の根拠法は労働施策総合推進法です。例外事由の運用は個別の求人により判断されます。選考の実態に関する記述は、筆者がIT・エンジニア領域の人材紹介に在籍していた際に見た傾向に基づく整理で、企業により異なります。
参考出典:総務省統計局「令和4年 就業構造基本調査」全国編 第133表・第164-1表(総務省統計局)、厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」、厚生労働省「令和5年 若年者雇用実態調査」事業所調査


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