転職した人の66.1%は、準備を何もしていなかった

夜のオフィスビル前で、鞄を提げて帰る男性と、立ち止まってテキストを開く男性が離れて立っている。掲示板に「準備した 3人」「何もしない 66人」と書かれている 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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人材紹介にいたころ、面談の最初に必ず聞いていたことがあります。

これまでに何か準備をしてきましたか、という質問です。本を読んだ、講座を受けた、資格を取った。何でもいいので教えてくださいと。

返ってくる答えは、はっきり2つに分かれました。何かしら答えられる人と、特に何も、と言う人です。体感では、後者のほうが多かった。

これが体感ではなく統計にも出ていることを、あとから知りました。

転職した人の3人に2人は、何もしていない

厚生労働省が、転職した人に「転職するにあたって準備活動をしたか」を聞いています。

準備活動を行った30.9%何らかの準備をしてから転職した人
特に何もしていない66.1%準備をせずに転職した人。3人に2人がこちら

厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」個人調査より。残り3.0%は不明。

3人に2人は、何もせずに動いています。

誤解のないように書いておくと、これは怠けているという話ではありません。在職中に時間が取れない、何をすればいいか分からない、そもそも準備という発想がない。理由はいくらでもあります。

ただ、結果として準備をした人としていない人が、3対7で分かれているという事実が残ります。

準備した人の中身も、さらに割れている

では、準備をした30.9%は何をしたのか。内訳がそのまま出ています。

準備の内容(複数回答)準備者内100人中
産業・職業の情報収集42.9%13.3人
キャリアコンサルティング16.0%4.9人
役立つ資格・免許の取得13.9%4.3人
就職ガイダンス・適職診断12.9%4.0人
通信教育で勉強10.3%3.2人
学校等に通った9.8%3.0人
公共の職業訓練を利用7.6%2.3人

同上。「準備者内」は準備活動を行った人を100としたときの割合。「100人中」は転職者100人あたりに換算した人数(30.9%を掛けて筆者が算出)。項目名は表示の都合で一部を短縮しています(正式には「産業・職業に関する情報等の収集をした」「資格、知識等を取得するため学校等に通った」等)。

いちばん多いのは情報収集で、準備した人の42.9%。転職者100人あたりでは13.3人です。

一方、実際に学校に通った人は準備した人の9.8%。転職者100人あたりに直すと、3.0人です。通信教育を足しても6人ほどにしかなりません。

準備をした人でさえ、その多くは調べただけで終わっています。100人が転職して、手を動かして学んだのは3人。ここが分かれ目になっています。

この数字を見て、少なすぎると感じるかもしれません。ただ裏を返せば、そこに立つだけで残り97人とは違う位置に立てるということでもあります。

いちばん準備しているのは、30代前半だった

年齢で分けると、準備活動をした人の割合はこう動きます。

20〜24歳28.9%
25〜29歳35.0%
30〜34歳40.5%
35〜39歳32.5%
40〜44歳33.9%
45〜49歳25.2%

同上。年齢階級別の「転職準備活動を行った」割合。

深夜の台所で、30代前半の男性が食卓でテキストを開いている。背後の流し台には洗い終えた食器が伏せてある

ピークは30〜34歳の40.5%でした。20代前半の28.9%と比べると、11.6ポイント高い。

この年代は、未経験での採用がまだ十分あって、かつ次で失敗できないことも分かっている時期です。準備の必要性を、いちばん実感しやすい位置にいます。

逆に45〜49歳では25.2%まで下がります。年齢が上がるほど準備が要るはずですが、数字は逆を向いていました。

年齢による転職の現実については、異業種転職は何歳までかで、実際に転職している人の年齢分布から整理しています。

未経験からITへ動くなら、どこに立つか

ここまでの数字を、未経験のIT転職に当てはめます。

IT職の選考では、経験がない人ほど「何をどこまでやったか」が判断材料になります。職務経歴に書けるものがないぶん、それ以外で示すしかないからです。

つまり、この記事の3.0人の側に立つかどうかが、そのまま選考の材料になるかどうかを決めます。応募の経路をどう組むかは未経験の求人はどこにあるかにまとめましたが、経路を増やしても、見せるものがなければ結果は変わりません。

情報収集で止めないための線引き

調べている時間は準備に含まれます。ただ統計上、それは13.3人がやっていることです。差はつきません。作ったもの、通った記録、取った資格。第三者が確認できる形になって、はじめて3.0人の側に入ります。

在職中でも動けるか

30〜34歳の40.5%が準備できていることが、答えになっていると思います。この年代は仕事も家庭も重い時期ですが、それでも4割が何かをしています。

よくある質問

転職の準備をしている人はどのくらいいますか?

厚生労働省の令和2年転職者実態調査では、転職するにあたって準備活動を行った人は30.9%、特に何もしていない人が66.1%でした。3人に2人は準備をせずに転職しています。

転職の準備として何をしている人が多いですか?

準備活動を行った人のうち、産業・職業に関する情報収集が42.9%で最多です。キャリアコンサルティング16.0%、資格・免許の取得13.9%と続きます。学校等に通った人は9.8%で、転職者100人あたりに換算すると3.0人にとどまります。

転職の準備をしているのは何歳が多いですか?

30〜34歳が40.5%で最も高く、20〜24歳の28.9%と比べて11.6ポイント高くなっています。45〜49歳では25.2%まで下がり、年齢が上がるほど準備率が上がるわけではありません。

3人の側に立つのに、何がどれだけ要るのか

手を動かして学んだ人が転職者100人中3人という数字は、裏返せば参入の余地です。ただ、未経験のうちは「どこまでやれば応募していい状態なのか」が分かりません。Winスクールは全国に教室があり、学歴や年齢の制限がありません。無料の体験・説明会で、目指す職種に対してどの程度の分量が必要か、いまの経験から見て何を先に埋めるべきかを直接聞けます。受講を決める必要はありません。今の会社にいながら、必要量だけ確かめておく使い方ができます。

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次にやること

いま自分が13.3人の側にいるのか、3.0人の側にいるのかを、1つだけ確かめてください。
面談で「準備してきたことは」と聞かれたときに、第三者が確認できる形で答えられるものが1つでもあるかどうか。それがあるかないかで、同じ未経験でも扱いが変わります。

※ 数値は厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」の個人調査に基づきます。この調査は不定期に実施されており、令和2年が最新の公表分です(令和7年調査は実施中)。準備活動の内容は複数回答で、割合は「転職準備活動を行った」転職者を100としたものです。本文中の「転職者100人あたり」の人数は、この割合に30.9%を掛けて筆者が算出した参考値です。調査対象は全産業の転職者であり、IT職に限定した数字ではありません。選考に関する記述は、筆者がIT・エンジニア領域の人材紹介に在籍していた際に見た傾向に基づく整理です。

参考出典:厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」3 転職について(2)転職準備活動の内容(表18)。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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