Webデザイナーとはどんな仕事か。厚労省の調査では、8割が自分でコードを書き、9割が文章も書いていた

小さなWeb制作会社の事務所で、Webデザイナーがキーボードを打っている銅版画風のイラスト。モニターの左半分にパン屋のWebサイトのデザイン、右半分に「index.html」「style.css」のタブが開いたコードエディタ。机には赤ペンの修正が入ったデザイン案と、文章を手書きしたノート 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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80.0%。Webデザイナーとして働いている人のうち、HTMLやCSSを使って自分でWebサイトを作っている人の割合です。

先に結論を書きます。Webデザイナーは、画面の見た目を描く仕事ではありません。依頼主と打ち合わせをし、文章を書き、コードを組み、公開したあとも直し続ける仕事です。

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)にある16のタスクと、賃金・求人の統計で確かめます。

Webデザイナーとは、何をする人か

job tagは、Webデザイナーの仕事を16のタスクに分け、実際に働いている人がそれぞれをどれだけやっているかを調べています。順番に並べると、4つの工程になります。

工程 1打ち合わせと企画仮案を依頼主に見せて了承を得る94%ほかに、依頼主と目的・予算・納期を確認88%、コンセプト決定90%、仮案の作成90%、スタッフと協議60%
工程 2素材と文章掲載する文章や図表を自分で作る92%ほかに、写真・イラスト・ロゴを自分で作る94%、文章の修正92%、取材68%、外部に素材を依頼62%
工程 3制作HTML・CSSで自分で制作する80%ほかに、CMSで制作82%、外注に依頼44%
工程 4公開と運用運用中のサイトを修正する90%ほかに、公開とメンテナンス88%、動作確認と修正86%

Webデザイナーとして働く人が各タスクを実施している割合。4つの工程への分け方は当編集部によるもので、%はそれぞれに入るタスクの実施率。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「Webデザイナー(Web制作会社)」

いちばん高いのは、仮案を依頼主に見せて了承を得る94%と、写真やロゴなどの素材を自分で作る94%。次いで、掲載する文章や図表を自分で作る92%です。

デザインをする人が、文章も書いている。ここが、外から見た印象といちばん違うところです。

そして、HTMLやCSSを使ってサイトを制作する人が80%、CMSで制作する人が82%。外注に出す人は44%しかいません。10人のうち8人は、自分でコードを書いています。公開後にサイトを直す仕事も90%です。

厚生労働省の定義

job tagの説明は、企業、学校、官公庁などがインターネット上に設けたWebサイトの企画・デザイン等を行う仕事、としています。

依頼者の要望を聞いてサイトの目的を明確にし、コンセプトと開発スケジュールを決め、画面のデザインやレイアウト、提供する機能を決める。

そのうえで、こう続きます。場合によってはプログラム言語を用いたサイトの制作にかかわることもあるが、仕事の中心はデザインである。中心はデザイン、ただし8割はコードも書く。この両方が、この職業の実態です。

年収・求人・席の場所を、数字で

働く条件は、この3本で分けて確かめました。数字だけ先に置きます。

0.11倍ハローワークの有効求人倍率(令和7年度)。求職者9人に求人1件。同じサイトを作るSE(Webサービス開発)は2.54倍。→ Webデザイナーはやめとけ?
539.6万円雇われて働くデザイナーの年収(令和7年賃金構造基本統計調査)。フリーランスを含めた全員で数えると、半分が300万円未満。→ Webデザイナーの年収は539万円
51.4%就業者20万1,100人のうち一都三県にいる割合。47都道府県で求人倍率が1倍を超える県はない。→ Webデザイナーの求人はどこにあるか

job tagの労働条件の欄も引いておきます。Web制作会社は社員10〜20人の規模が多く、正社員のほか派遣やフリーランスも多い。20代から30代が中心で、女性の割合が比較的高い。

テレワークが可能な会社が多い一方、締め切り前やトラブル時は夜間や休日に働くこともある。

同じ職業で働く人に、多いと感じる働き方を聞いた調査では、正社員39.6%に対して自営・フリーランス62.3%(複数回答)。雇われて働く形より、フリーランスのほうが多いと感じているのがこの職業です。

どうやってなるのか

job tagの「就業するには」は、学歴や資格は特に必要とされない、と書いています。

デザインの基礎知識と技術は必要で、大学・短大・専門学校で身につければ有利。中途採用では、DTPデザイナーやプログラマーのほか、IT業界や広告業界からの転職者がいる。

働いている人に多いと感じる学歴を聞くと、大卒45.3%、専門学校卒34.0%、高卒13.2%。

入職前に必要と考える訓練期間は「特に必要ない」が28.3%、1〜6か月が17.0%、6か月〜1年が13.2%。入職前の実務経験も「特に必要ない」が39.6%でした。

関連する資格は1つ

厚生労働省が挙げる関連資格は、技能検定の「ウェブデザイン技能士」だけです。国家検定ですが、就業に必須とはされていません。

入口としてjob tagが書いているのは、Webサイトの企画制作の専門会社に就職し、写真や画像加工など素材作りから始める道です。上の工程で言えば、工程2から入り、工程1と3に広げていく形です。

ここまでの数字で言えるのは、席が少なく(0.11倍)、その席では8割がコードも書く、ということです。デザインだけを学んで応募すると、席の少なさと要件の両方で止まります。

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だから、Web制作の現場でいま出ている未経験求人が、デザインだけの席なのか、HTML・CSSまで含む席なのかを、応募する前に担当者を通して確かめられます。

0.11倍の列に並ぶ前に、8割の人が実際にやっている仕事の側から入れます。面談は無料です。

対象は20代・高卒以上で、東京・埼玉・神奈川での就業を希望する方です(居住地は問いません)。

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隣の職種と、どこが違うのか

Web制作会社の事務所の一列を描いた銅版画風のイラスト。左の席で受話器を持ち進行表を押さえるWebディレクター、中央の席でWebサイトのデザインをモニターに映すWebデザイナー、右の席でモニター2枚にコードを並べるWebエンジニア

Webデザイナーの隣には、Webディレクター、UX/UIデザイナー、Webエンジニアがいます。同じjob tagの数字で並べます。

職種 求人倍率 求人賃金/月
Webデザイナー 0.11倍 28.2万円
Webディレクター 0.39倍 28.8万円
UX/UIデザイナー 2.07倍 34.4万円
SE(Webサービス開発) 2.54倍 36.4万円

令和7年度のハローワーク求人統計を厚生労働省がjob tagで職業ごとに加工した値。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト各職業ページ

Webディレクターは、現場監督

job tagはWebディレクターを、プロジェクトの受注から企画・設計、制作進行、運用までを指揮する仕事とし、Webサイト構築の「現場監督」と説明しています。

タスクの実施率は、コンセプト決定98.3%、仮案の作成98.3%、成果物のクオリティチェック100%、進捗の把握100%。デザイナーの上流にいて、倍率は0.39倍です。

UX/UIデザイナーは、統計上エンジニア側

UX/UIデザイナーは、厚生労働省の職業分類では「その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)」に入ります。デザイナーではなく、エンジニア側の区分です。

タスクの1番目は、開発の方針・方向・概要を関係者と検討する(81.8%)。自分でプログラムを作成する人も63.6%います。倍率は2.07倍。

見た目を作る人の席は少なく、画面を設計してエンジニアと話せる人の席は多い。この差が、Webデザイナーという仕事を考えるうえでいちばん重要な数字だと思います。

表のいちばん下、2.54倍のWebエンジニアが実際に何をしているかは、31タスクの実施率で別に確かめました。

Webエンジニアとはどんな仕事か。厚労省の31タスクを見たら、作るより直す仕事で、ネット業界の売上の8割超はサービスを動かす側にあった

IT関連の21職業を求人倍率で並べた一覧は、こちらに置いています。

ITエンジニアとはどんな仕事か。IT職種21個を求人倍率で並べたら、0.11倍から8.91倍まで開いていた

よくある質問

Webデザイナーとはどんな仕事ですか?

企業や学校、官公庁などがインターネット上に設けるWebサイトの企画・デザインを行う仕事です。厚生労働省のjob tagにある16タスクの実施率では、依頼主との打ち合わせ88%、コンセプト決定90%、仮案の了承94%、素材の作成94%、掲載する文章の作成92%、HTML・CSSでの制作80%、公開後の修正90%と、企画から運用までのほぼ全工程を多くの人が自分で担っています。

Webデザイナーに資格は必要ですか?

厚生労働省の職業情報では、学歴や資格は特に必要とされていません。関連資格として挙げられているのは技能検定の「ウェブデザイン技能士」だけです。働いている人に多いと感じる学歴は大卒45.3%、専門学校卒34.0%で、入職前の訓練は「特に必要ない」が28.3%、入職前の実務経験も「特に必要ない」が39.6%でした。

Webデザイナーはコーディングもしますか?

します。job tagの実施率では、HTMLやCSSを使ってWebサイトを制作する人が80%、CMSを使って制作する人が82%です。外注に依頼する人は44%にとどまり、10人のうち8人は自分でコードを書いています。

WebデザイナーとUX/UIデザイナーの違いは何ですか?

Webデザイナーは厚生労働省編職業分類の「ウェブデザイナー」で、UX/UIデザイナーは「その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)」というエンジニア側の区分です。有効求人倍率はWebデザイナー0.11倍、UX/UIデザイナー2.07倍、求人賃金は28.2万円と34.4万円で、席の数と入口の額が違います。

最後に、これから学ぶ人へ。上の16タスクのうち、デザインの部分だけを学んで応募すると、8割の人がやっている工程3(HTML・CSS)が抜けます。実際の席では、文章を書き、コードを組み、公開後も直します。

Winスクールは全国に教室があり、オンラインにも対応した個人レッスンのスクールです。Webデザイナー向けとWebエンジニア向けの就職・転職コースの両方があります。

デザインとコーディングを同じ場所で学べるので、実施率80%のHTML・CSSの工程を、応募する前に自分の手に持てます。

その結果、0.11倍の席だけでなく、2.07倍や2.54倍の席にも応募先を広げられます。受講相談は無料です。

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次の一手は1つです。学ぼうとしている内容の中に、16タスクの工程3(HTML・CSSでの制作)が入っているかを確かめてください。入っていなければ、8割の人がやっている仕事が抜けています。

参考出典
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)Webデザイナー(Web制作会社)・Webディレクター・UX/UIデザイナー・システムエンジニア(Webサービス開発)
厚生労働省「ハローワーク求人統計」令和7年度/「令和7年賃金構造基本統計調査」(いずれもjob tagの加工値)

タスクの実施率・学歴・訓練期間・就業形態は、その職業で働く人へのアンケート結果で、就業形態は複数回答です。4つの工程への分け方は当編集部によるものです。有効求人倍率と求人賃金は、各職業が属する厚生労働省編職業分類に対応する統計の値です。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)を確認してください。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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