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詳細設計書。処理の流れを細かく分けて書いた書類で、受託開発のシステムエンジニアはこれを作り、プログラマーはこれに基づいてコードを書きます。
厚生労働省の職業情報は、システムエンジニアとプログラマーの境目をこの1枚に引いています。
ただし、それは4種類あるシステムエンジニアのうち、1種類の話です。
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、システムエンジニアを受託開発、Webサービス開発、組込み・IoT、基盤システムの4つに分けて、働いている人に聞いたタスクの実施率を公開しています。
4つを並べると、自分でプログラムを書くタスクがあるのは2つだけでした。この記事では、その4つを同じ物差しで見ます。
システムエンジニアとは、何をする人か
受託開発のページの説明は、顧客の情報システムの開発を受託し、ソフトウェアを開発する、です。アプリケーションエンジニア、業務系SEとも呼ばれる、と続きます。
受託開発を会社として請け負うSIerが、国の統計でどれくらいの規模で、元請と下請がどう分かれているかは別の記事で確かめました。
SIerとは何か。国はゼネコンにたとえ、日本のIT人材の7割がIT企業側にいる。米国は3人に1人だった
4種類とも、仕事の流れは同じ3つの工程を通ります。顧客や利用者から何が必要かを聞いて決める要件定義。それをもとにデータベースや画面、機器の構成を固める設計。できたものが意図どおりに動くかを確かめるテスト。
この3つは、どの種類でも9割前後の人がやっています。
受託開発では、要件定義93.0%、基本設計94.7%、詳細設計94.7%、結合テスト96.5%、総合テスト96.5%、受け入れテスト96.5%。基盤システムでは、要件定義95.6%、設計91.1%、テスト97.8%。
聞いて、決めて、確かめる。システムエンジニアの定義を一言にするなら、この3つを担う人です。
そもそもエンジニアという言葉が国の職業分類でどう扱われているか、IT以外の技術者と年収や求人を並べた記事もあります。
エンジニアとは何をする人か。国の職業分類で269万人を数えたら、半分近くがIT技術者で、求人がいちばん余っているのは建設だった

プログラマーとの違い
受託開発のページには、隣接する職業としてプログラマーがあり、プログラマーはSEが作成した詳細設計書に基づいてコーディングしプログラムを作成する、と書かれています。設計する人と、書く人。境目は詳細設計書です。
この定義どおりなら、システムエンジニアはコードを書きません。そこを4種類で確かめます。
システムエンジニアは、自分でコードを書くのか
4種類のタスク一覧から、要件定義、設計、そして「新規に必要なソフトウェアを自分で作成する」の実施率を抜き出しました。
| 種類 | 要件定義 | 設計 | 自分で書く |
|---|---|---|---|
| 受託開発 | 93.0% | 94.7% | タスクなし |
| Webサービス開発 | 82.2% | 82.2% | 88.9% |
| 組込み・IoT | 92.5% | 88.7% | 83.0% |
| 基盤システム | 95.6% | 91.1% | タスクなし |
各種類で働く人が、そのタスクを実施している割合。「自分で書く」は、新規に作成が必要なソフトウェアやプログラムを自分で作成するタスク。「タスクなし」は、厚生労働省がその種類のタスク一覧にプログラミングを挙げていないことを指す。設計は受託開発が基本設計、他は設計の値。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)システムエンジニア4職業
受託開発のタスク一覧22個の中に、自分でプログラムを書く項目はありません。
代わりにあるのは、新規に作成が必要な部分のソフトウェア作成をプログラマーに依頼し、その工程をチェックする87.7%と、不都合があればプログラマーに修正を依頼する93.0%。受託開発のSEは、書く人ではなく、依頼して確かめる人です。
Webサービス開発は逆です。自分で作成する88.9%と、プログラマーに依頼する88.9%が同率で並びます。
このWebサービス開発のSE、いわゆるWebエンジニアの31タスクは、作る・直す・回す・売るに分けて別に全部並べました。
Webエンジニアとはどんな仕事か。厚労省の31タスクを見たら、作るより直す仕事で、ネット業界の売上の8割超はサービスを動かす側にあった
組込み・IoTも、自分でプログラムを作成する83.0%、依頼する77.4%。この2種類では、10人のうち8人以上が自分でも書いています。
基盤システムは、サーバーやネットワーク、OSを設計して構築する仕事で、インフラエンジニアとも呼ばれます。タスク一覧27個にアプリケーションのプログラミングはなく、ミドルウェアを開発するが66.7%で入るだけです。
「SEはプログラムを書かない」と「SEもコードを書く」は、どちらも合っています。どの種類のSEかが、先に決まっていないだけです。
求人票の職種欄には、4種類のどれも「システムエンジニア」と書かれます。設計書を渡す席なのか、受け取って書く席なのかは、票の上では見分けがつきません。
ユニゾンキャリアはIT・Web業界専門の転職エージェントで、IT業界が未経験の人の転職も支援しています。
だから、いま出ているSEの未経験求人が、上の4種類のどれに当たるのか、自分でコードを書く席かどうかを、応募する前に担当者を通して確かめられます。
入ってから「書かないSEだった」「書くSEだった」と気づく順番を、入る前に逆にできます。面談は無料です。
対象は20代・高卒以上で、東京・埼玉・神奈川での就業を希望する方です(居住地は問いません)。
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年収と求人は、統計の区分で変わる
job tagの統計は、職業そのものではなく、その職業が属する統計の区分の値です。4種類のSEは、3つの区分に分かれます。
| 種類 | 年収 | 求人賃金 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 受託・Webサービス | 578.5 | 36.4万円 | 2.54倍 |
| 組込み・IoT | 578.5 | 35.6万円 | 4.26倍 |
| 基盤システム | 889.0 | 35.3万円 | 2.24倍 |
年収は万円、求人賃金は月額。年収は令和7年賃金構造基本統計調査、求人賃金と有効求人倍率は令和7年度のハローワーク求人統計を、job tagが各職業の属する区分ごとに加工した値。基盤システムはITシステム設計技術者の区分で、システムコンサルタント・設計者と同じ統計に入る。出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)
受託開発とWebサービス開発は同じ区分で、年収578.5万円、求人賃金36.4万円、有効求人倍率2.54倍。組込み・IoTは倍率が4.26倍で、4種類でいちばん高い。
基盤システムの889.0万円は、システムコンサルタント・設計者と同じ区分に入るための値で、インフラエンジニアの平均がそのまま889万円という意味ではありません。
SEが入る578.5万円と889.0万円の区分が、年齢と会社の規模でどう変わるかは、別に書いています。
SEの年収は578万か889万か。国の統計にシステムエンジニアという職種はない
どうやってなるのか
4種類とも、入職にあたって特に学歴や資格は必要とされない、と書かれています。
ただし働いている人に多い学歴を聞くと、大卒が受託開発84.6%、Webサービス開発85.0%、基盤システム84.1%、組込み・IoT72.0%。組込み・IoTは修士が44.0%です。
受託開発のページは、理系のイメージが強いが文系も多い、とも書いています。入職前の実務経験は「特に必要ない」が受託開発33.3%、Webサービス開発27.5%、組込み・IoT36.0%、基盤システム38.6%。4種類とも3割前後です。
3年目で詳細設計、5年目で開発全体
受託開発の「就業するには」には、新卒入社の流れが年数で書かれています。
入社後3〜4か月の新人研修、2年ほどの現場でのOJT。一般的には3年目頃に一人で詳細設計を書けるようになり、5年目頃に基本設計を含めた開発全体ができるようになる。
プログラマーとして経験を積んでからなる人、他業界からの転職者も比較的多い、とあります。Webサービス開発のページには、若い社会人が職業訓練などを経て転職してくるケースもある、と書かれています。
関連資格は、種類で違う
job tagが関連資格の欄に挙げているのは、受託開発が応用情報技術者と基本情報技術者の2つ、基盤システムがネットワークスペシャリスト、システムアーキテクト、応用情報技術者、基本情報技術者、データベーススペシャリストの5つ。
Webサービス開発と組込み・IoTは「関連する資格はありません」です。資格が名指しされているのは、設計書を渡す側の2種類だけでした。
文系からSEになる道、やめとけと言われる理由、社内SEとの違いは、それぞれ別に書いています。
システムエンジニアに文系が多いのはなぜか
システムエンジニアはやめとけ? 残業を144職種で並べた
社内SEへの転職は難しいのか。45万人分がIT業界の外にあった
IT関連の21職業を求人倍率で並べた一覧は、こちらに置いています。
ITエンジニアとはどんな仕事か。IT職種21個を求人倍率で並べたら、0.11倍から8.91倍まで開いていた
プログラマーの13タスクと、席の数(求人倍率0.98倍)は、こちらに分けて書いています。
プログラマーとはどんな仕事か。13タスクを見たら、書くだけの人ではなく、見積もりも設計書も自分で出す人だった
よくある質問
システムエンジニアとはどんな仕事ですか?
顧客や利用者に必要なシステムを聞いて決める要件定義、データベースや画面、機器の構成を固める設計、意図どおり動くかを確かめるテストを担う仕事です。厚生労働省のjob tagは、受託開発、Webサービス開発、組込み・IoT、基盤システムの4種類に分けていて、この3工程はどの種類でも9割前後の人が実施しています。
システムエンジニアとプログラマーの違いは何ですか?
厚生労働省の職業情報では、プログラマーはSEが作成した詳細設計書に基づいてコーディングし、プログラムを作成する職業とされています。受託開発のSEのタスク一覧22個には自分でプログラムを書く項目がなく、プログラマーに依頼して工程をチェックする87.7%、修正を依頼する93.0%が入っています。
システムエンジニアはプログラミングをしないのですか?
種類によります。受託開発と基盤システムのタスク一覧にはプログラミングがありません。Webサービス開発は新規のソフトウェアを自分で作成する人が88.9%、組込み・IoTは自分でプログラムを作成する人が83.0%です。
システムエンジニアに資格は必要ですか?
4種類とも、入職にあたって特に学歴や資格は必要とされていません。関連資格として挙げられているのは、受託開発が応用情報技術者と基本情報技術者、基盤システムがネットワークスペシャリストやシステムアーキテクトなど5つで、Webサービス開発と組込み・IoTは関連する資格がありません。
受け取って書く側の席(Webサービス開発、組込み・IoT)に応募するなら、コードを書けるかどうかは入る前に決まっています。設計書を渡す側でも、テストで確かめる相手はプログラムです。
Winスクールは全国に教室があり、オンラインにも対応した個人レッスンのスクールです。システム開発エンジニア養成コースとJavaプログラミングコースがあります。
だから、上の表で8割を超えていた「自分で書く」を、応募する前に自分の手に持てます。4種類のうち2種類にしか応募できない状態を、4種類すべてに応募できる状態にしてから、席を選べます。受講相談は無料です。
\ 受講相談は無料です /
いま見ている求人票のシステムエンジニアは、設計書を渡す側ですか、受け取って書く側ですか。
参考出典
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)システムエンジニア(受託開発)・(Webサービス開発)・(組込み、IoT)・(基盤システム)
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」/「ハローワーク求人統計」令和7年度(いずれもjob tagの加工値)
タスクの実施率・学歴・実務経験は、その職業で働く人へのアンケート結果で、学歴は複数回答です。「タスクなし」は厚生労働省のタスク一覧に該当する項目がないことを示し、その種類の人が一切プログラムを書かないという意味ではありません。年収・求人賃金・有効求人倍率は各職業が属する統計の区分の値です。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)を確認してください。


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