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データサイエンティストはやめとけ、と言われます。求人は多いが仕事は地味で、そのうちAIに置き換わる、と。
この職業には、本人たちの団体があります。データサイエンティスト協会が、働いている会員と、採用する企業と、大学生に、毎年アンケートを取っています。3つを並べて読みました。
先に結論を書きます。企業はまだ増やしたい。本人の業務満足は46%で、スキルを活かせている人は27%。やめとけの正体は、仕事の中身ではなく、置かれる場所でした。
企業は、まだ増やしたい
まず採用する側です。協会は2024年11月、自分たちのシンポジウムに参加した企業の担当者112社に、対面で聞いています。
直近1年間に増えたデータサイエンティストの数より、今後増やしたい数のほうが多い。増やし方は新卒採用が37%、中途採用が36%で、外から採る意向が強い。
| 企業が答えた項目(112社・2024年11月) | 割合 |
|---|---|
| 今後増やしたい人材 | |
| 統計やAIなどの理論に詳しい | 63% |
| ビジネス課題を得意とする | 61% |
| いま在籍している人材 | |
| データ活用を戦略的に考えられる | 58% |
| データ分析の理論に強い | 54% |
| 社内の体制 | |
| データサイエンスの専門部署がある | 81% |
| 社内研修制度がある | 76% |
| 社外資格の取得支援がある | 56% |
| データサイエンティストの呼称制度がある | 38% |
| 特別な採用枠がある | 26% |
協会の11thシンポジウムに参加した企業担当者112社への対面アンケート(2024年11月11日)。参加企業はデータ活用に前向きな側に寄っている点に注意。出典:データサイエンティスト協会「企業向けに採用に関する調査を実施」(2025年4月11日発表)
欲しい人材の1位は、統計やAIなどの理論に詳しい人で63%。2021年の前回調査から3年で、生成AIが広まったぶん、理論の側に振れています。
国の求人統計でも、データサイエンティストが属する区分の有効求人倍率は8.91倍で、IT関連21職業の最多でした。この数字は別に書いています。
データサイエンティストとはどんな仕事か。求人倍率は8.91倍でIT職種の最多、なのに求人賃金は29.6万円で下から4番目だった
データアナリストとの違いと、データを扱う人の不足を示す国の調査は、こちらにまとめました。データアナリストとは何か
本人たちは、半分しか満足していない
次に、働いている側です。協会は一般会員に2015年から毎年聞いていて、直近が10回目の2026年版(323人・2026年2〜3月)、その前が9回目の2024年版(313人)です。
| 会員が答えた項目 | 2024年 | 2026年 |
|---|---|---|
| いまの業務に満足している | 37% | 46% |
| データサイエンティストに将来性を感じる | 78% | 70% |
| 生成AIを業務で使っている | 60% | 74% |
| 社内に育成プログラムがある | 26% | 24% |
| 自分のスキルを活かせている | — | 27% |
| ジョブ型雇用で働いている | — | 22% |
| 転職をしたことがない | — | 62% |
協会の一般(個人)会員へのインターネット調査。2024年版=2024年11〜12月・313人、2026年版=2026年2〜3月・323人。「—」は発表資料に記載なし。出典:データサイエンティスト協会 プレスリリース(2025年4月11日・2026年7月14日)
満足は37%から46%に戻しましたが、半分に届いていません。将来性を感じる人は2024年の時点で「ここ5年で最も低い」78%で、2026年は70%まで下がりました。
2024年版には年代の内訳があります。10代と20代は90%が将来性を感じ、30代は71%。仕事を長く続けている人ほど、将来を低く見ています。
そして2026年版で新しく出た数字が、自分のスキルを活かせている27%です。4人に3人は、持っているものを使えていない、と答えています。
協会自身が、課題としてキャリア形成やロールモデルの不足を挙げています。
やめとけの正体は、仕事ではなく置き場所
企業側と本人側を、同じ紙に置きます。
63%
27%
欲しい側は理論に詳しい人を求めていて、働いている側は理論を使えていない。この差が、やめとけの正体です。
専門部署がある企業は81%と書きましたが、これはシンポジウムに来る企業の数字です。会員側の2024年版では、社内に専門組織がある人は43%で、伸びが止まっていました。
育成プログラムは24%。ジョブ型雇用は22%で、協会は一般企業のジョブ型の割合より低い、としています。仕事の定義がない場所に置かれると、理論はデータを整える作業に溶けます。
だから、やめとけが当たるのは職業ではなく、専門組織も育成もない場所で、1人目としてこの肩書きを渡される場合です。
置き場所で割れるのは満足度だけではありません。同じ大学院卒でも、会社の規模で月給の真ん中が17万円違うことは、年収の側で確かめました。
データサイエンティストの年収を国の統計で引いたら職種がなく、学位で引くと、同じ大学院卒でも会社の規模で月35万円と52万円に割れていた
入口は、外からより中からだった
2026年版は、この仕事に至る経歴を、社内の部署異動と他職種からの転職が多く、新卒からデータ分析の業務に就くケースは少ない、としています。
国の職業情報も同じで、中途採用の入口は情報処理技術者、通信技術者、マーケティングリサーチャー、製造業の研究者です。新卒でこの肩書きを取りに行く職業ではなく、隣の席から移る職業です。
社内の部署異動と他職種からの転職が入口なら、先に要るのは肩書きではなく、データのある会社の中にいることです。分析の前に、データを集めて揃える席が、IT・Web業界の未経験求人の中にあります。
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だから、データを扱う側の席がいま出ている求人のどこにあるかを、応募する前に担当者を通して確かめられます。1人目の肩書きではなく、専門組織のある会社の隣の席から入れます。面談は無料です。
対象は20代・高卒以上で、東京・埼玉・神奈川での就業を希望する方です(居住地は問いません)。
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学生の側も、横ばいになった

3つ目は、これから入る側です。協会は大学生・大学院生600人に、2025年12月に聞いています。
データサイエンティストを知っている学生は60%前後で、ここ数年は横ばい。就職したい学生は25%前後で、こちらも横ばいです。それまで意向が高かった理系と修士課程の学生で、減る向きに転じました。
志望する理由は分かれていて、理系は能力や専門性、先輩の活躍。文系はおもしろそう、先生や親の勧め。理系の学生では、実力主義や収入が多いというイメージを持つ人ほど志望が高い、とあります。
海外との比較もあります。同じ協会が2025年8〜9月に5カ国のビジネスパーソンに聞くと、日本でこの職業を知っている人は49%で、2022年の43%から6ポイント上がりました。
ただ、海外では収入が多い、将来性がある、安定性があるというイメージが高く、日本ではそこまで高くない、とも書いています。
やめとけと言われる時期に、入ろうとする学生が減っている。企業が増やしたい数は減っていないので、残る人にとっては競争が緩む向きです。
それでも入るなら、面談で3つ聞く
この職業に意味がないとは思いません。企業は増やしたいと言い、求人倍率は21職業で最も高い。落ちるのは、置かれる場所を選ばなかったときです。
面談で聞くのは3つ。データサイエンスの専門部署があるか。育成プログラムがあるか。仕事の範囲が決まったジョブ型か。3つとも無い会社の1人目は、やめとけが当たります。
入口の資格の位置づけは、検定の合格率と一緒に別に書きました。資格9つの合格率と、国が認定している大学の講座の側も並べています。
データサイエンティストの資格9つの合格率を並べたら、18%から83%まで開いていた。国が認定しているのは資格ではなく大学の講座だった
データサイエンティスト検定の合格率は49%。13回で3万4,550人が受けて1万5,491人が受かり、国の職業情報の関連資格には載っていない
よくある質問
データサイエンティストはやめとけと言われるのはなぜですか?
本人たちの団体であるデータサイエンティスト協会の2026年版調査(会員323人)では、業務に満足している人が46%、自分のスキルを活かせている人が27%、将来性を感じる人が70%で低下が続いています。一方で企業側の調査(112社)では今後増やしたい人材が「統計やAIなどの理論に詳しい人」63%と最多で、需要は強いままです。やめとけが当たるのは職業そのものではなく、専門組織や育成プログラムがない場所に1人目として置かれる場合です。
データサイエンティストに将来性はありますか?
協会の会員調査で将来性を感じている割合は、2024年版で78%(ここ5年で最低)、2026年版で70%と低下が続いています。2024年版では10〜20代が90%、30代が71%で、長く働く人ほど低く見ています。企業側は直近1年で増えた数より今後増やしたい数のほうが多く、需要の側は落ちていません。
データサイエンティストは未経験からでもなれますか?
協会の2026年版調査は、この仕事に至る経歴を「社内の部署異動」「他職種からの転職」が多く、新卒からデータ分析業務に就くケースは少ない、としています。厚生労働省の職業情報でも中途採用の入口は情報処理技術者、通信技術者、マーケティングリサーチャー、製造業の研究者で、働いている人に多い学歴は大卒55.3%、修士44.7%、博士29.8%です。隣の席から移る職業です。
データサイエンティストの需要は減っていますか?
企業側の調査(2024年11月・112社)では、直近1年に増えた数より今後増やしたい数のほうが多く、新卒採用37%、中途採用36%と外部からの採用意向も強いままです。厚生労働省の求人統計では、データサイエンティストが属する区分の有効求人倍率が8.91倍で、IT関連21職業の最多です。一方、大学生の就職意向は25%前後で横ばい、理系・修士課程では減る向きに転じています。
中途の入口として国が挙げているのは、情報処理技術者、通信技術者、リサーチャー、研究者です。いまエンジニアとして働いている人にとって、この職業は隣の席にあります。
移るときに見るのは、専門部署と育成プログラムとジョブ型の3つが揃っている会社かどうかです。
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だから、3つが揃っているかを求人票の外で確かめてから、いまの案件で扱ったデータの話を、分析側の言葉に置き換える練習を何回でも回せます。スキルを活かせている27%の側に、席を選んで入れます。面談は無料です。
対象は実務経験2年以上のITエンジニアの方です。エリアの制限はありません。
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企業の63%は理論に詳しい人を欲しがり、本人の27%しか理論を使えていない。
やめとけは、この隙間に落ちた人の声です。
参考出典
一般社団法人データサイエンティスト協会一般(個人)会員向け調査 2026年版・同 2024年調査・企業向け採用調査・大学生向け調査 2025年版・5カ国調査
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「データサイエンティスト」
協会の各調査は、会員・シンポジウム参加企業・インターネット調査の回答者を対象にした値で、データサイエンティスト全体の値ではありません。企業向け調査の参加企業はデータ活用に前向きな側に寄っています。数値は各プレスリリースに記載の値で、小数点以下は発表資料のとおりです。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)を確認してください。


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