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データサイエンティストの資格を調べて、一覧を開いて、どれから取るか決めかねている人へ。私も同じ一覧を開いて、9つを公式の合格率で並べ直しました。
並べる前の仮説はこうです。資格を取れば、この職業に近づく。合格率が低いものほど、証明として強い。
先に結論を書きます。9つの合格率は18%から83%まで開いていました。ただし国の職業情報は、この9つを関連資格に1つも載せていません。国が認定しているのは資格ではなく、大学の講座653校のほうでした。
9つの資格を、公式の合格率で並べる
データサイエンティストの資格として名前が挙がるものを、実施団体が公表している直近の合格率で並べます。合格率の低い順です。
| 資格(実施団体) | 合格率 | 時点 |
|---|---|---|
| 2割前後 | ||
| 統計検定1級 統計数理統計質保証推進協会 | 18.0% | 2025年11月 |
| データベーススペシャリストIPA・国家試験 | 18.4% | 2025年10月 |
| 統計検定 DSエキスパート統計質保証推進協会 | 23.4% | 2025年 |
| 3割から5割 | ||
| 統計検定 準1級統計質保証推進協会 | 34.7% | 2025年 |
| 統計検定 2級統計質保証推進協会 | 46.1% | 2025年 |
| データサイエンティスト検定データサイエンティスト協会 | 約49% | 2026年6月 |
| 7割から8割 | ||
| E資格日本ディープラーニング協会 | 67.0% | 2026年8月 |
| Python 3 認定データ分析試験Pythonエンジニア育成推進協会 | 81.5% | 2024年3月 |
| G検定日本ディープラーニング協会 | 83.1% | 2026年7月 |
各団体が公表する直近の値。統計検定1級は2025年11月実施のPBT(統計応用は18.6%)、準1級・2級・DSエキスパートは2025年のCBT年間値、DB試験は令和7年度秋期、DS検定は第13回、E資格は2026年第2回、G検定は2026年第4回(オンライン)、Python認定は2024年3月6日公表の値。出典:各団体の公式サイト(末尾)
いちばん低いのは統計検定1級の18.0%で、受験者989人のうち178人。国家試験のデータベーススペシャリストが18.4%で、受験者9,769人のうち1,796人。この2つは論述と設計を書かせる試験です。
いちばん高いG検定は、2026年7月の回で9,241人が受けて7,677人が受かり、83.1%。2017年からの累計では21万9,761人が受けて15万6,562人が合格しています。
E資格の67.0%は、受験資格に協会の認定プログラムの修了があるので、受ける前に1度ふるいがかかった人の数字です。受験料は33,000円で、9つの中でいちばん高い。
合格率が低い順に、何を証明しているか
並べて分かったのは、合格率の差は難しさの差というより、受ける人と問う中身の差だということです。
2割前後の3つは、統計の論述、データベースの設計、大学専門レベルの数理。専門の入口ではなく、専門の中にいる人が受ける試験です。
3割から5割の3つは、大学基礎課程の統計(2級)、その解析法の使い方(準1級)、協会の見習いレベルの範囲(DS検定)。理論を理解しているかを問います。
7割から8割の3つは、深層学習の用語と実装、Pythonのライブラリの使い方。用語と手順を知っているかの試験で、G検定は受験料13,200円、Python認定は11,000円です。
仮説の後半は、ここで崩れました。合格率が低い資格ほど証明として強い、のではなく、低い資格は入口の証明ではありません。入口に置けるのは、真ん中の3つです。
取るなら、この順番
統計検定2級(7,000円)で理論の土台を確かめ、DS検定(一般1万円・税抜)で協会の範囲を通し、Python認定(11,000円)でライブラリを触ったことを示す。3つで税込約2万9,000円です。
準1級とDSエキスパート、E資格は、その先で仕事の側から必要になったときに受ける試験です。DS検定の13回分の合格率は、別に並べています。
データサイエンティスト検定の合格率は49%。13回で3万4,550人が受けて1万5,491人が受かり、国の職業情報の関連資格には載っていない
国の職業情報は、この9つを1つも載せていない
仮説の前半、資格を取ればこの職業に近づく、も確かめます。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は職業ごとに関連資格の欄を持っていて、データサイエンティストの欄は「関連する資格はありません」です。
9つとも載っていません。国家試験のデータベーススペシャリストも載っていません。載っているのは学歴で、働いている人に多いのは大卒55.3%、修士44.7%、博士29.8%です。
採用する側も、資格名では言っていません。データサイエンティスト協会が企業112社に聞いた調査で、今後増やしたい人材の1位は「統計やAIなどの理論に詳しい」63%でした。
資格ではなく理論、と企業は言っています。この調査と、働いている本人の側の数字は、別に書きました。
データサイエンティストはやめとけ? 本人たちの協会の調査を見たら、スキルを活かせている人は27%だった
国が認定しているのは、資格ではなく大学の講座だった

では国は、この分野で何も認めていないのか。認めているものはあります。文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」です。個人の資格ではなく、大学の講座を認定しています。
653校
61万人
288校
文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」の認定・選定件数(令和8年8月時点)と事業概要の受講可能学生数。出典:文部科学省 公表資料(2026年8月26日)
リテラシーレベルは653校、応用基礎レベルは288校が認定され、1学年あたり61万人と29万人が受講できます。2026年度も新たに47件と40件が認定されました。
そして、この制度のモデルカリキュラムが、検定側の物差しになっています。統計検定のデータサイエンス発展はリテラシーレベル、DSエキスパートは応用基礎レベルの範囲です。
DS検定も、リテラシーレベルのモデルカリキュラムを合わせた範囲でした。
大学生は講座で、社会人は検定で、同じ国のカリキュラムを証明する仕組みになっています。資格が弱いのではなく、資格は大学に通えなかった人のための出口として置かれています。
社会人には、受講費の最大80%が戻る講座がある
その出口に向かう社会人のために、国はもう1つ制度を持っています。厚生労働省の教育訓練給付です。
専門実践教育訓練は、受講費の50%(年間上限40万円)が受講中に支給され、資格を取って就職すると70%(同56万円)、賃金が5%以上上がると80%(同64万円)まで戻ります。一般教育訓練は20%(上限10万円)です。
| 検索した語 | 施設 | 講座 | うち専門実践 |
|---|---|---|---|
| データサイエンス | 32 | 71 | 54 |
| Python | 24 | 69 | 56 |
| データ分析 | 20 | 27 | 21 |
厚生労働省「教育訓練給付制度 講座検索システム」で、通学・通信の全方式・地域指定なしで検索した結果(2026年9月18日時点の掲載)。施設数はシステムの表示値、講座数は各施設の講座一覧を当編集部が数えた値。専門実践の指定講座は全体で3,485講座(2026年10月1日時点)。出典:厚生労働省
「データサイエンス」で検索すると32施設・71講座が出て、そのうち54講座が最大80%の専門実践です。「Python」は24施設・69講座、専門実践56講座。
検定の受験料は2万9,000円で足りますが、理論を教室で通す費用は別にかかります。そこを国が最大8割持つ、と書いてあります。
その学位が年収にどう効くかは、大学院卒の賃金を会社の規模で分けて別に確かめました。
データサイエンティストの年収を国の統計で引いたら職種がなく、学位で引くと、同じ大学院卒でも会社の規模で月35万円と52万円に割れていた
資格は、大学に通えなかった人のための出口でした。ただ、出口に立つ前に、統計とプログラミングを自分の手で1度通しておく必要があります。真ん中の3つの検定が問うのは、その通した跡です。
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だから、検定の範囲のうち統計とプログラミングを、独学で止まる前に教室で通せます。受講相談は無料で、自分の目標なら給付金の対象になるかも、そこで聞けます。受験料2万9,000円の前に、その範囲を自分の側に置けます。
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よくある質問
データサイエンティストに必要な資格はありますか?
必須の資格はありません。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)は、データサイエンティストの関連資格を「関連する資格はありません」としています。働いている人に多い学歴は大卒55.3%、修士44.7%、博士29.8%で、企業向け調査で今後増やしたい人材の1位は「統計やAIなどの理論に詳しい」63%です。資格は必須ではなく、理論を証明する手段の1つです。
データサイエンティストの資格でおすすめはどれですか?
入口なら、統計検定2級(2025年の合格率46.1%・受験料7,000円)、データサイエンティスト検定(第13回49%・一般1万円税抜)、Python 3 エンジニア認定データ分析試験(合格率81.5%・11,000円)の3つです。3つで税込約2万9,000円。統計検定1級(18.0%)やデータベーススペシャリスト(18.4%)は専門の中にいる人が受ける試験で、入口の証明には向きません。
G検定とE資格はデータサイエンティストの資格ですか?
どちらも日本ディープラーニング協会の試験で、G検定は深層学習の知識を問い、2026年第4回の合格率は83.1%(受験者9,241人)、受験料13,200円です。E資格は実装力を問い、協会の認定プログラム修了が受験の条件で、2026年第2回の合格率は67.0%、受験料33,000円です。AIエンジニア寄りの資格で、データサイエンティストの関連資格として国の職業情報には載っていません。
データサイエンスの勉強に給付金は使えますか?
厚生労働省の教育訓練給付の対象講座なら使えます。専門実践教育訓練は受講費の50%(年間上限40万円)が支給され、資格取得と就職で70%、賃金が5%以上上がると最大80%(年間上限64万円)です。講座検索システムで「データサイエンス」を検索すると32施設・71講座が出て、うち54講座が専門実践の指定です(2026年9月18日時点)。
資格を先に揃えてから応募しよう、と考えて半年止まる人を、人材紹介の現場で何人も見ました。国の職業情報に関連資格が無く、企業が見ているのが理論なら、その順番は逆です。
先に要るのは、データのある会社の中にいる正社員の席です。
JAIC(ジェイック)は、フリーター・既卒・第二新卒の正社員就職を支援するサービスです。無料の研修を受けたあと、書類選考なしで企業の面接に進めます。
だから、資格の欄が空いたままでも、面接の場に立つところまでは自分で書類を通す必要がありません。資格を揃える半年を、正社員の席に座ってから使えます。参加も相談も無料です。
対象は18〜35歳で、東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・岐阜・三重・大阪・京都・兵庫・福岡・熊本での就職を希望する方です。
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9つのうちどれを取るか、より先に決めることが1つあります。その合格証明書を持っていく先の求人票に、資格の欄はありますか。それとも、理論の欄ですか。
参考出典
統計質保証推進協会統計検定 過去の受験データ・2025年PBT試験結果/IPA情報処理技術者試験 統計資料/データサイエンティスト協会DS検定 実施結果・企業向け採用調査/日本ディープラーニング協会G検定・E資格/Pythonエンジニア育成推進協会データ分析試験
文部科学省数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度 認定状況(2026年8月)/厚生労働省教育訓練給付制度・講座検索システム/厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「データサイエンティスト」
合格率は各団体が公表する直近の値で、試験ごとに集計期間と方式(CBT・PBT・オンライン)が異なるため、単純な難易度の比較ではありません。Python認定の合格率は2024年3月公表の値で対象期間の記載がありません。受験料は2026年9月時点の公式サイトの記載(統計検定・G検定・E資格・Python認定は税込、DS検定は税抜)。教育訓練給付の給付率は令和6年10月以降に開講する講座の場合で、対象講座と支給要件はハローワークで確認してください。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)を確認してください。


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