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2026年12月28日以降、情報セキュリティマネジメント試験はいったん休止される予定です(会場によってはそれより前から)。IPA(情報処理推進機構)が、試験のシステムを入れ替えるためです。
受けるかどうか迷っている人が知りたいのは、まず難しさだと思います。結論から書くと、今の形になってからの合格率はおよそ7割です。
令和5年4月から令和8年8月までの累計で、受験した14万1,401人のうち9万9,954人が合格し、合格率は70.7%でした。
そして合格率を勤務先の業種で分けると、令和5〜7年度と令和8年度(4〜8月)の年度ごとの集計では、いずれもIT企業に勤める人より、IT以外の業種に勤める人のほうが高くなっていました。
IPAの統計資料を、年度・月・点数・勤務先・年代で読み直し、この試験の難しさと、受ける意味を確かめます。
難易度は、合格率およそ7割のレベル2の試験
IPAは、情報セキュリティマネジメント試験を、共通キャリア・スキルフレームワークのレベル2相当としています。基本情報技術者試験と同じレベルです。
レベル2は、基本的な知識・スキルを持ち、一定程度の難しさの作業や求められた作業について、その一部を自分でこなせる水準とされています(IPA「試験要綱 Ver.5.6」)。
想定している受験者は、IT部門の人ではありません。情報システムを使う部門で、情報セキュリティのリーダーになる人です。
情報セキュリティマネジメント試験の合格率は?
CBT方式で1年中受けられ、科目Aと科目Bを120分で受ける今の形になったのは、令和5年度からです。その後の合格率は次のとおりです。
表1 情報セキュリティマネジメント試験の合格率(年度別)
| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 36,362人 | 26,398人 | 72.6% |
| 令和6年度 | 41,657人 | 28,731人 | 69.0% |
| 令和7年度 | 45,924人 | 32,141人 | 70.0% |
| 令和8年4〜8月 | 17,458人 | 12,684人 | 72.7% |
出典:IPA「情報セキュリティマネジメント試験 統計情報」推移表(令和8年8月分)
月ごとに見ても、令和5〜7年度の合格率は64.3%から78.2%の間に収まっています。
ただ、紙の試験だった時代は違いました。平成28年度は79.0%でしたが、平成30年度は49.9%、令和元年度は49.4%と、半分を割った年もあります。
「合格率およそ7割」は、今の形になってからの数字です。古い解説で「半分しか受からない」と書かれていても、今の試験には当てはまりません。
合格点は何点?600点ちょうどでも受かる
合否は、科目Aと科目Bを合わせた「総合評価点」で決まります。1,000点満点で、600点以上なら合格です。600点ちょうども合格です。
点数はIRT(項目応答理論)という方式で、解答の結果から算出されます。そのため、問題ごとの配点割合はないとされています。
出題は科目A 48問・科目B 12問の計60問で、評価に使われるのは54問です。残りの6問は、今後出す問題を試すためのものです。
科目Aと科目Bそれぞれの基準点はありません。科目ごとに基準点があるのは基本情報技術者試験(科目A・Bともに600点)で、ITパスポート試験は総合600点に加えて分野別に300点が必要です。
「600点以上なのに不合格」は、ほかの2つの試験の仕組みの話で、情報セキュリティマネジメント試験にはありません。
落ちた人は何点だったか
IPAは、最新の1か月分の評価点の分布を公表しています。令和8年8月に受けた4,315人では、いちばん多いのが600〜649点の1,092人でした。

不合格だった1,192人のうち、550〜599点の人は490人で、41.1%を占めます(編集部の算出)。不合格の人の4割は、合格の線まで50点以内にいました。
合格した3,123人のうち、600〜699点の人は2,117人(67.8%・編集部の算出)でした。合格した人の3分の2は、合格の線から100点以内で受かっています。
楽に受かる試験というより、線の近くに人が集まる試験です。ただし、1か月分の分布なので、月によって形は変わります。
ITパスポート・基本情報技術者試験と比べると
同じ期間(令和8年4〜8月)で、CBT方式の3つの試験を並べました。
表2 3つの試験の合格率と合格の基準(令和8年4〜8月)
| 試験 | 合格率 | 合格の基準 |
|---|---|---|
| 情報セキュリティマネジメント | 72.7% | 総合600点 |
| ITパスポート | 49.3% | 総合600点+分野別300点 |
| 基本情報技術者 | 39.2% | 科目A・Bともに600点 |
いずれも1,000点満点。合格率は令和8年4〜8月の受験者に占める合格者の割合
出典:IPA 各試験の統計情報 推移表(令和8年8月分)・「試験要綱 Ver.5.6」
合格率は、情報セキュリティマネジメント試験がいちばん高く、ITパスポート試験より23.4ポイント、基本情報技術者試験より33.5ポイント上でした(編集部の算出)。
ITパスポートとどっちが難しい?
合格率だけを見ると、ITパスポートのほうが低く出ます。ただ、受ける人も、試験の役割も違います。
IPAの区分では、ITパスポートは「全ての社会人」が対象の共通的な知識を問う試験です。情報セキュリティマネジメント試験は「ITの安全な利活用を推進する者」に向けた、基本的な知識・技能の試験です。
出題の重点はセキュリティと法務ですが、ネットワークやデータベース、プロジェクト管理、システム監査、経営なども、技術的な項目を除いて範囲に入っています。
情報セキュリティマネジメント試験が紙の試験だった平成30年度と令和元年度は、その合格率(49.9%・49.4%)が、すでにCBT方式だったITパスポート(51.7%・54.3%)より低くなっていました。
ITパスポートの点数の分布は、ITパスポートの難易度で確かめています。
基本情報技術者試験とどっちが難しい?
同じ期間の合格率は、基本情報技術者試験が39.2%で、情報セキュリティマネジメント試験より大きく低い結果でした。
基本情報は、科目Aと科目Bの両方で600点以上が必要です。科目Bでは、擬似言語で書かれたプログラムやアルゴリズムが問われます。
どちらも同じレベル2ですが、基本情報は情報システムを作る側の試験で、情報セキュリティマネジメント試験は使う側の試験です。基本情報の合格率を学歴と年齢で分けた結果は、基本情報技術者試験の合格率にまとめました。
情報セキュリティマネジメント試験のあとに、作る側の基本情報に進むなら、壁になるのは科目Bのプログラムとアルゴリズムです。科目Aと科目Bの両方で600点が要るので、片方が得意でも受かりません。
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受かっている人の内訳と、「意味ない」と言われる理由
IT企業よりIT以外の業種に勤める人のほうが受かっていた
IPAは、受験申込のときのアンケートから、勤務先の業種別に受験者数と合格者数を出しています。業種をIT系の3業種と、それ以外の非IT系の12業種に分けて、合格率を計算しました(編集部の算出)。
表3 勤務先がIT系か非IT系かで分けた合格率
| 年度 | IT系 | 非IT系 |
|---|---|---|
| 令和5年度 | 70.8% | 76.4% |
| 令和6年度 | 68.7% | 73.1% |
| 令和7年度 | 69.6% | 74.0% |
| 令和8年4〜8月 | 73.1% | 76.0% |
IT系=ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、コンピュータ及び周辺機器製造又は販売業。非IT系=それ以外の12業種(官公庁・公益団体などを含む)。無職・その他・無記入を除く。勤務先は受験申込時のアンケートの自己申告。合格率は業種別の受験者数と合格者数から編集部が算出
出典:IPA「情報セキュリティマネジメント試験 統計資料」勤務先別 一覧表(全国)各年度
4つの時点とも、非IT系の職場の人の合格率が、IT系より2.9〜5.6ポイント高くなっています。
令和7年度の業種別では、製造業が79.8%、金融・保険業・不動産業が79.6%でした。いちばん低かったのは「コンピュータ及び周辺機器製造又は販売業」の55.9%です。
年代では、25〜29歳が77.4%で最も高く、50〜54歳は62.2%、55〜59歳は59.1%でした(令和7年度・編集部が5歳刻みに集計)。
業種で見ると、IT企業に勤めていても合格率が高いわけではありませんでした。
ただ、担当している業務で分けると、システム設計などITの10業務の人は75.6%で、営業・総務などそれ以外の業務(その他・無記入を含む)の71.1%より高くなっていました(令和7年度)。
勤める業種と担当している業務で、結果が逆になります。差の理由は、この統計からは分かりません。
「意味ない」と言われるのはなぜか
国の職業情報提供サイト(job tag)で、この試験を関連資格に挙げている職業は、556職業のうち2つでした。どちらもセキュリティの専門職です(編集部の集計)。
国の職業情報で関連資格に挙がる職業が少ないことが、「意味ない」と言われる理由の1つだと考えられます。ただ、この試験が想定するのは、情報システムを使う側の部門です。
IPAの「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」では、対策を組織としては行わず、各自の対応に任せている企業が69.7%でした。

担当者を置いている企業でも、7割近く(69.3%)は兼務の担当者です(編集部の算出)。
同じ調査で、取引先から対策を求められた511社に、求められた対策をしたことが取引につながった大きな要因だと思うかを聞いています。「はい」は、専門部署がある企業で59.8%、各自の対応の企業で24.2%でした。
これは回答した企業の実感で、因果関係を示すものではありません。それでも、担当を決めて対策をしている企業ほど、取引に結びついたと答えていました。
個人情報保護委員会の令和7年度の年次報告では、事業者から委員会に直接届いた漏えい等の報告13,345件の8割(80.6%)が、誤交付・誤送付・誤廃棄・紛失という人のミスでした(編集部が4項目を合算)。
IPAが想定するのは、情報システムを使う部門で、組織の規程を理解して部門の情報セキュリティを保つリーダーです。求人での評価より、いまの職場で生かす前提の試験だと編集部は見ています。
勉強時間と、2026年の受け方
勉強時間はどれくらい?
IPAは、合格までの勉強時間を公表していません。上位の解説記事にある「200時間」などの数字にも、出典は書かれていませんでした(編集部の確認)。
参考になるのは、経験年数別の合格率です。令和7年度は、経験1年未満の人が79.6%、24年以上の人が62.2%でした。
経験年数が何の経験を指すかは、統計表に定義がありません。それでも、経験が長いほど受かる試験ではないことは読み取れます。
最終学歴でも、情報系以外の文系の大学を出た社会人は77.7%で、理工系の情報系の大学を出た人の77.4%と同じ水準でした(令和7年度)。
試験日程は?2026年12月28日から休止
CBT方式で、試験日と会場は自分で選びます。受験手数料は7,500円(税込)です。
ただし、2026年12月28日以降は休止の予定です。9月1日以降に申し込むと、選べるのは12月27日までの日程で、会場によってはもっと早く休止します。
落ちたときの再受験は、前回の受験日の翌日から数えて30日を過ぎた日以降です。11月27日以降に受けて落ちると、休止の前には受け直せない計算です(編集部の算出)。
2027年1月以降の日程は、IPAが2026年秋ごろに知らせるとしています。2027年度の春ごろからは、新しい制度の試験に移る予定です。
新しい制度でも、この試験は続く予定です。試験時間120分・60問は変わらず、問う知識と技能の範囲そのものも変わらないとされています。今の制度で合格しても、無効にはなりません。
よくある質問
情報セキュリティマネジメント試験は国家資格ですか?
経済産業省が行う国家試験です。IPAの区分で「国家資格」とされているのは、登録して名乗る情報処理安全確保支援士だけです。合格すると、経済産業大臣の合格証書が発行されます。
情報セキュリティマネジメント試験はなくなりますか?
なくならない予定です。2027年度春ごろの新制度でも続き、120分・60問、問う知識・技能の範囲そのものも変わらないとされています。2026年12月28日以降は、システム入れ替えのため休止の予定です。
過去問はどこで見られますか?
IPAが、試験のページで公開問題(2023〜2026年度)と、60問のサンプル問題を公開しています。公開問題には解答例もあります。
合格率はおよそ7割で、令和8年8月の合格者の3分の2は600点台だった。
勤め先の業種で見れば、IT以外の業種で働く人も、IT企業に勤める人に合格率で引けを取らない試験です。
情報セキュリティマネジメント試験は、使う側の試験です。これを足がかりに、作る側の仕事に移るかどうかは、いまの仕事と経験で変わります。
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参考出典
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報処理技術者試験 統計情報」(情報セキュリティマネジメント試験・ITパスポート試験・基本情報技術者試験の推移表、SGの評価点分布・勤務先別・業務別・年齢別・経験年数別・最終学歴別一覧表)/「試験要綱 Ver.5.6」/「試験区分一覧」/「CBT方式で実施する…2026年5月以降の試験実施について」/「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」/試験に関するよくある質問
IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査 報告書」/個人情報保護委員会「令和7年度 年次報告」(https://www.ppc.go.jp/files/pdf/080707_annual_report.pdf)を加工して作成
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース 解説系ダウンロードデータ ver.7.01」職業情報提供サイト(job tag)より2026年10月1日にダウンロード(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/download)を加工して作成
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合格率の業種・業務・年代・経験年数・学歴別の数字は、受験申込時のアンケートにもとづくIPAの集計で、IT系・非IT系の区分と5歳刻みの年代は編集部が集計し直したものです。評価点の分布は令和8年8月の1か月分です。試験の日程・制度は2026年10月1日時点のIPAの公表にもとづきます。講座の内容は2026年10月1日時点の公式サイトの記載です。申し込みの前に、最新の内容を公式サイトで確認してください。


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