基本情報技術者は未経験の転職に意味があるか|「経験なし」の合格率が全体を上回る理由

パソコン試験会場のブースで基本情報技術者試験を受ける男性を肩越しに捉えた活版印刷風イラスト 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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基本情報技術者を勧めると、だいたいこう返ってきます。

「実務経験がないと、受からないですよね」

逆でした。IPAの統計を見てください。

43.5%
実務経験なしの
合格率
36.8%
受験者全体の
合格率
25.5歳
合格者の
平均年齢

IPA「情報処理技術者試験 統計資料(令和8年6月分)」より。令和8年度4〜6月の累計。

Q. 未経験でも受かるんですか

受かります。経験がない人のほうが、むしろ合格率は高い。

学歴と年齢で分けると、同じ合格率が20%から77%まで開きます。文系大卒の社会人は32.7%、30代は34.3%。自分の層の数字は基本情報技術者試験の合格率で確かめられます。

なお、その手前のITパスポートについては、得点分布からITパスポートの難易度を確かめています。落ちた人の半分はあと100点以内でした。

実務1年未満49.6%
経験なし43.5%
2〜4年37.6%
4〜6年37.0%
10〜12年28.2%

経験が長いほど、下がっていきます。

CCNAと比べてどちらが難しいかを知りたい方は、CCNAの難易度は基本情報と比べられないもどうぞ。合格率の公表状況が両者で違う点から整理しています。

Q. なぜ経験者のほうが落ちるんですか

これが実務の試験ではないからです。

問われるのはアルゴリズム、データベース、セキュリティ。現場で同じ作業を続けている人が、そのまま解けるものではありません。

もうひとつは、時間です。これから入る人は腰を据えて対策できる。働きながらの人は、残業のあとに机に向かう。

この試験が測っているのは、経験年数ではなく学習時間です。

Q. 最近、難しくなっていませんか

受かりにくくはなっています。3年でこう動きました。

令和5年度 受験121,611人47.1%
令和6年度 受験133,732人40.8%
令和7年度 受験147,186人38.3%

同資料の推移表より。右は合格率。

受験者は3年で2万5千人増えました。それでも合格者数はほぼ横ばいです。

つまり、水準は動いていない。挑戦する層が広がっただけ。準備した人としない人の差が、そのまま出るようになりました。

Q. 持っていると、内定が出ますか

出ません。資格で未経験が消えるわけではないので。

ただ、書類は通りやすくなります。未経験が2人並んだときです。

片方は熱意だけ。片方は100時間以上を積んで結果を出した事実がある。人事は後者を通します。上司に説明できるからです。

なお応用情報のほうは、2026年度からCBT方式へ移行して日程そのものが変わります。詳しくは応用情報はなくなるのかにまとめました。基本情報のあとに受けるつもりなら、先に見ておいてください。

書き方のコツをひとつ。資格欄に書くだけでは読まれません。職務経歴書の1行目に「働きながら半年で取得」と行動ごと書いてください。同じ資格でも見え方が変わります。
職種別の効きめは、以前書いた「未経験のIT転職に資格は必要か」へ。

半年かけて取ってから動くか、いま動くか

この判断だけは、自分では決められません。求人の側が資格を待ってくれるかどうかは、いま出ている求人を見ている人にしか分からないからです。

ユニゾンキャリアはIT・Web業界に特化した未経験者向けの転職エージェントです。扱う求人がIT・Webの未経験入社に絞られているので、狙う職種の求人が実際に資格を見ているのか、それとも別のところを見ているのかを、100時間を使う前に聞けます。要らない資格に半年かけてしまう、という順番の間違いだけは先に潰せます。

対象は20代・高卒以上で、東京・埼玉・神奈川での就職を希望する方です(現在の居住地は問いません)。

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Q. 自分は取るべきですか

取る価値がある

  • 20代〜30代前半で、未経験からIT転職を目指す
  • 職歴に空白がある/文系出身で適性を疑われそう
  • 準備に半年〜1年かけられる

急がなくていい

  • 3か月以内に転職したい(求人が先に動く)
  • インフラ志望(CCNAのほうが直結する)

基本情報は職種の入口ではなく、IT全体の共通言語です。汎用性は高いぶん、直結感はありません。

Q. どう進めればいいですか

1受験日を先に決める。いまはCBT方式で通年受けられます。手数料7,500円を払うと、勉強は勝手に進みます。
2科目Bの過去問を1問だけ解く。アルゴリズムの問題です。解けない量が分かってから、知識を埋めにいきます。
31日1時間×3か月を確保する。目安は100〜200時間。パソコンに不慣れなら倍を見てください。

テキストを最初から通読しようとすると、たいてい2章で止まります。

止まる場所も決まっていて、科目Bのアルゴリズムです。独学が挫折する構造と、同じ形をしています。

1回テキストを閉じた経験があるなら、環境を変えたほうが早い

Winスクールは、公式サイトに基本情報技術者試験対策を掲げているスクールです。全国の教室とオンラインに対応し、講師が個別に指導します。

受講相談は無料です。申し込む必要はありません。アルゴリズムをどう教えているのか、そこだけ聞いて持ち帰ってください。前回書いた教育訓練給付の対象コースも、その場で確認できます。

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Q. ITパスポートを先に取るべきですか

転職の材料にするなら、基本情報です。

ITパスポートは社会人全般向けの入門資格で、IT職の選考で決め手になる場面は多くありません。まったく知識がないなら、慣らしとして先に受けるのはありです。

その入門資格を実際に受けているのは誰なのかは、ITパスポートは意味ないのかで応募者30万人の内訳から整理しています。

実務経験がないから受からない、ではありませんでした。
この試験が測るのは、机に向かった時間です。
それは、いまのあなたが自分の意志で増やせる唯一のものでもあります。

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筆者:カツジン(平成2年生まれ・九州在住)。銀行で10年決算書を読み、そのあとM&A仲介とITエンジニアの人材紹介を3年。会社の値段と、人の市場価値が決まる瞬間を内側で見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。詳しくは運営者情報へ。

参考・出典 IPA「統計情報(基本情報技術者試験)」統計資料 令和8年6月分(経験年数別・推移表・年齢別。経験年数別と平均年齢は令和8年度4〜6月の累計)/IPA「基本情報技術者試験」「スケジュール、手数料など」(CBT方式・受験手数料)/Winスクール公式サイト。採用現場の記述は、筆者が人材紹介に在籍した期間の経験に基づく見解です。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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