「AIで仕事がなくなる」は半分ホント|10年前の“予言”と、伸びる側に回る方法

半分に朝日が当たり半分が影に沈む高層ビル(AIによる仕事の二極化のイメージ) AIとキャリア
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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「AI 仕事 なくなる」と検索したのは、今日が初めてですか。
それとも、もう何度目かでしょうか。

検索するたび、煽り記事と「大丈夫」記事が入り混じって、結局モヤモヤだけが残る。そんな経験があるはずです。

カツジンです。銀行に10年、その後M&A仲介とIT・エンジニア領域の人材紹介を経て、いまはAIを使う側で会社を経営しています。「AIで消える仕事」と「AIで伸びる人」の両方を、仕事柄ずっと見てきました

先に結論を言います。

「AIで仕事がなくなる」は、半分ホント。
ただし消えるのは仕事より先に、何もしない人の市場価値のほうです。

※「具体的にどの職種が減って、どの職種が増えるのか」をランキングで知りたい方は「AIでなくなる仕事ランキング【2026年版】」にまとめています。

この不安、実は10年前から始まっている

時系列で見ると、いま起きていることの意味がはっきりします。

  • 2015年

    野村総合研究所がオックスフォード大学との共同研究で推計を発表。「日本の労働人口の約49%が、AIやロボット等で代替可能」という内容でした(出典:野村総合研究所・2015年12月ニュースリリース)。当時は「遠い未来の話」と受け流されました。

  • 2022年〜

    生成AIが登場。文章、画像、コード。人間にしかできないと思われていた領域に、AIが一気に入り込みました。

  • 現在

    総務省「令和7年版 情報通信白書」が示すとおり、企業のAI活用は社会基盤レベルまで拡大。もう「導入するか」ではなく「使いこなせるか」の段階です。

  • 2030年

    一方でIT人材は最大約79万人不足という試算(出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」2019年)。仕事が消える話と、人が足りない話が、同時に進行しています。

10年前の予言は、外れていません。ただし、予想と違う形で当たりつつあります。仕事が丸ごと消えるのではありません。仕事の中身のほうが二極化しています。

駅舎の大きなアナログ時計(10年という時間の経過のイメージ)

49%の発表資料には、但し書きが付いていた

この数字はよく引用されますが、元の資料を開くと、世間で語られる意味とはかなり違うことが書かれています。注記に3つの限定が明記されていました。

何を計算したか

技術的に代替が可能かどうか

実際に代替されるかどうかは労働需給を含めた社会環境要因の影響も大きい、と資料自体に書かれています。

何を計算していないか

実際にそうなるかを決める条件

人手不足、コスト、法規制、顧客が受け入れるか。そうした条件は考慮していない、と明記されています。

どこまでを数えたか

仕事のすべてを任せられる職業だけ

対象は一人の業務すべてを、66%以上の確率でコンピューターが遂行できる職業です。仕事の一部だけが代替される場合は検討していない、とも書かれています。

つまり49%は、技術的にできるかどうかの計算であって、そうなるという予測ではありません。研究した側がそう断っています。

もう一点、時期も見落とされがちです。「10〜20年後」と書かれた発表が2015年なので、指しているのは2025年から2035年。ちょうど今が、その入口にあたります。

601職業のうち、200種は実名で公開されている

この研究では、代替可能性が高い100職業と低い100職業が実名で出ています。抜き出すとこうです。

代替可能性が高いとされた職業(100種のうち抜粋)

一般事務員 経理事務員 受付係 銀行窓口係 レジ係 データ入力係 医療事務員 学校事務員 警備員 倉庫作業員 タクシー運転者 路線バス運転者 宅配便配達員 検針員 有料道路料金収受員 電気通信技術者 電子計算機保守員(IT保守員) CADオペレーター 測量士 通関士

共通するのは、決まった手順があり、正解が一つに定まる仕事です。

代替可能性が低いとされた職業(100種のうち抜粋)

内科医 小児科医 保育士 小学校教員 美容師 ケアマネージャー 社会福祉施設介護職員 理学療法士 産業カウンセラー 経営コンサルタント 中小企業診断士 商品開発部員 グラフィックデザイナー インテリアコーディネーター コピーライター レストラン支配人 ソムリエ バーテンダー ツアーコンダクター スポーツインストラクター

こちらは、相手が変われば答えも変わる仕事です。

出典:同ニュースリリースの参考リスト(50音順で、並びは確率の順ではありません)

ここで正直に書いておきます。高いほうのリストに、電気通信技術者とIT保守員が入っています。ITの仕事を紹介している立場としては都合が悪いのですが、事実です。

ただ対象になっているのは保守と運用の定型部分です。手順書があり、決められた確認をして、決められた対応をする作業。逆に、どう組むかを決める設計や、想定外が起きたときの切り分けは残ります。ネットワークエンジニアの記事でも書きましたが、職種ではなく、その中のどの工程にいるかで話が変わります。

この線引きが、次の章の3つのゾーンにそのままつながります。

「なくなる」の正体は、3つのゾーン

人材紹介の現場で求人を見続けてきた感覚も込めて、仕事は今、この3つに分かれつつあります。

ZONE 1縮む仕事

  • 定型データ入力・転記
  • マニュアル通りの窓口対応
  • 単純な集計・チェック作業

ZONE 2変わる仕事

  • 営業・企画・事務の大半
  • 「AIに任せる部分」と「人がやる部分」に分解される
  • 使える人と使えない人で差が開く

ZONE 3伸びる仕事

  • AIを道具として使い成果を出す仕事
  • IT・デジタル関連職
  • 人の感情・信頼を扱う仕事

怖いのはZONE 1の消滅より、ZONE 2で静かに二極化が進むことです。同じ職種のまま、AIを使う人は評価が上がり、使わない人は少しずつ置いていかれる。会社は教えてくれません。ある日、気づくだけです。

約49%日本の労働人口のうち、AI・ロボット等で「代替可能」とされた割合(2015年時点の推計)。
出典:野村総合研究所ニュースリリース(2015年12月2日) ※「代替可能」=技術的な可能性であり、即失業ではありません。

使う側に回るための入口として、生成AIを月額制で学べるサービスも出てきました(DMM 生成AI CAMPの評判は別記事で仕分けています)。

10年後、あなたはどちら側にいるか

ここまでは、ただの現状分析です。大事なのはここから。

なお、AIを作る側に回った場合の実務がどうなるかは、AIエンジニアはやめとけと言われる理由を検証した記事で、IPAの企業調査をもとに整理しています。

どのゾーンで働くかは、才能ではなく
これからの動き方で決まります。

私が人材紹介で見てきた限り、ZONE 3に移った人に共通していたのは、特別な学歴でも若さでもありません。市場が変わる前に、小さく動き始めたこと。それだけです。

逆に言えば、今から動けば十分に間に合います。具体的には、この3つです。

光の差す地上へ向かう上りエスカレーターを上る人影(伸びる側へ動くイメージ)
  • AIを「毎日の道具」にする。調べ物、文章の下書き、資料の骨子。まず自分の仕事で使い倒し、「AIを使う側」の感覚を体に入れる。
  • 自分の市場価値を、外の物差しで測る。社内評価とマーケットの評価は別物です。転職エージェントの無料相談で、「今の経歴がどの企業に、いくらで通用するか」を確認しておく。
  • ZONE 3のスキルを、小さく試す。ITスキルに興味があるなら、無料体験のあるスクールで適性だけでも確かめておく。合わなければ、やめていい。
まず、自分の現在地を無料で知る

いきなり転職も、高額な講座も必要ありません。何を学べば自分の仕事が変わるのかを、先に確かめるほうが早い。

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よくある質問

AIで仕事がなくなる49%はどんな計算ですか?

野村総合研究所が2015年12月に発表した推計で、国内601種類の職業が対象です。発表資料には、あくまで技術的な代替可能性であり、実際に代替されるかは労働需給を含めた社会環境要因の影響も大きいと明記されています。またその社会環境要因は試算に含めていないとも書かれています。

AIに代替されやすい職業と、されにくい職業の例は?

高いとされたのは一般事務員、経理事務員、銀行窓口係、レジ係、データ入力係、警備員、タクシー運転者など。低いとされたのは内科医、保育士、小学校教員、美容師、経営コンサルタント、グラフィックデザイナーなどです。前者は手順が決まり正解が一つに定まる仕事、後者は相手によって答えが変わる仕事という違いがあります。

AIで仕事は本当になくなる?

仕事が丸ごと消えるより、仕事の中身が二極化しています。定型作業は縮小し、多くの仕事は「AIに任せる部分」と「人がやる部分」に分解され、AIを使える人と使えない人の差が開いていきます。

「日本の労働人口の49%が代替可能」は本当?

野村総合研究所が2015年にオックスフォード大学との共同研究をもとに発表した推計です。ただし「代替可能」は技術的な可能性を示すもので、即失業を意味するものではありません。

AI時代に今から何をすればいい?

①AIを毎日の道具として使い倒す、②転職エージェントの無料相談などで自分の市場価値を外の物差しで測る、③興味があれば無料体験でITスキルの適性を小さく試す。市場が変わる前に小さく動き始めることが分かれ目になります。

AIを使う側に回る、最初の一歩

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まとめ 予言は、脅しではなく地図

「AIを使う側」に回る具体的な入口は「未経験からAIエンジニアは無理?3つの層と現実的な入口」で解説しています。

「49%が代替可能」という10年前の数字は、あなたを脅すためのものではありません。どこへ動けばいいかを示す、地図です。

仕事がなくなるかどうかを、検索し続ける必要はもうありません。あなたがどちら側に立つかを、決めるだけです。

仕事がなくなるかどうかを、検索し続ける必要はもうありません。あなたがどちら側に立つかを、決めるだけです。

▶ 未経験からITへ動く具体的な道筋は「未経験からIT転職は無理ではない・現実的ロードマップ」にまとめています。

▶ 30代からの仕事選びは「「30代から手に職」は遅くない」で4象限マップにまとめています。


筆者:カツジン(平成2年生まれ・九州在住)。銀行で10年決算書を読み、そのあとM&A仲介とITエンジニアの人材紹介を3年。会社の値段と、人の市場価値が決まる瞬間を、内側から見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。詳しくは運営者情報へ。

参考・出典
野村総合研究所「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」(2015年12月2日)
総務省「令和7年版 情報通信白書」
経済産業省「IT人材需給に関する調査」(みずほ情報総研/2019年)

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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