Webエンジニアに未経験からなれるか。企業のサイトは93.2%がもう出来ていた

制作会社の一室で、ディレクターがホワイトボードに書いた「改修」の文字を指しながら若手エンジニアに説明している 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

PR 本記事は広告を含みます。

Webエンジニアは、未経験からいちばん入りやすい。そう書かれているのをよく見ます。

作ったものを見せられる、独学の教材が多い、案件も豊富。理由としては、たしかにその通りです。

ただ、目指す前に一度だけ見ておいたほうがいい数字があります。企業のホームページは、もうほとんど出来上がっています。

新しく作る仕事は、もう残り少ない

総務省が毎年、企業にIT利用の実態を聞いています。そのなかに、自社のホームページを開設しているかという質問があります。

ホームページ開設率 全体 前年差
令和4年 91.8%
令和5年 93.0% +1.2
令和6年 93.2% +0.2

総務省「令和6年 通信利用動向調査(企業編)」より。従業者100人以上の企業が対象。

3年動いて、1.4ポイントです。直近の1年にいたっては0.2ポイントしか増えていません。

産業別に見ると、もっとはっきりします。

情報通信業98.6%
金融・保険業97.0%
不動産業96.7%
建設業95.4%
卸売・小売業95.3%
製造業92.8%
サービス業・その他91.2%
運輸業・郵便業90.7%

同上。令和6年の産業分類別。

5つの業種が95%を超えています。持っていない会社を探すほうが難しい状態です。

もちろん、作り直しの仕事はあります。ただ「まだサイトを持っていない会社に、新しく作る」という仕事は、もう市場としてほぼ埋まっているということです。

動いているのは、別のところだった

同じ調査に、クラウドサービスの利用状況を聞いた項目があります。こちらは様子が違いました。

全社的にクラウドを利用 割合 前年差
令和4年 44.8%
令和5年 50.5% +5.7
令和6年 52.9% +2.4

同上。一部の部門での利用27.5%を含めると、利用企業は80.4%になる。

3年で8.1ポイント。ホームページ開設率の1.4ポイントと比べると、5.8倍のスピードで動いています。

サイトを持つ話は終わっていて、動かす仕組みの話が始まっている。同じ調査の同じ企業に聞いた2つの数字が、そう言っています。

そのクラウド側の仕事が実際どういうものかは、クラウドエンジニアはやめとけで、企業側の数字から確かめています。

サーバールームでエンジニアがラックの扉を開けて配線を手で辿りながらノートを持っている

未経験がイメージする仕事と、発生している仕事

Webエンジニアを目指す人の多くは、ページを作る技術から入ります。HTMLとCSS、それからJavaScript。学習の順番としては正しいと思います。

ただ、その先で実際に発注されている仕事は、少し違うところにあります。

すでにあるサイトに機能を足す。予約や決済を外部のサービスとつなぐ。社内のデータをクラウド側に移して、そこから表示する。ゼロから作るのではなく、動いているものに手を入れる仕事のほうが多いのが実情です。

人材紹介にいたころ、Web系の求人票を数多く見ました。募集の見出しは「Webエンジニア」でも、実際の業務欄に並んでいたのは、既存システムの改修、API連携、環境の移行といった項目でした。まっさらな状態から作る案件は、思っていたより少なかったのを覚えています。

職種の呼び名と実務のズレについては、エンジニアの種類を3つの層で整理した記事のほうで、層ごとに何が違うかを書きました。

それでも入口として現実的な理由

ここまで読むと厳しい話に見えるかもしれませんが、Web系が未経験の入口として機能するという評価は、いまも変わりません。

理由は単純で、成果物が見えるからです。作ったページやアプリは、そのまま提出できます。経験のない人にとって、これ以上わかりやすい材料はありません。求人の入口が広いのも事実です。

ただし、作れることは前提であって、差がつくのはその先です。データがどこに置かれていて、どう取り出しているのか。他のサービスとどうつながっているのか。ここまで説明できる人は、未経験でもはっきり通りやすくなります。

何の言語から始めるかで迷っているなら、プログラミングは何語から始めるかで、目的別の順番をまとめています。

そして、いま未経験の応募がどういう状況になっているかは、未経験エンジニアは増えすぎかのほうで、求人と就職の最新の数字から確かめました。求人が減ったのではなく、選考で絞られているという話です。

作れるところまでを、独学より早く終わらせる

Web系は独学の教材が多い反面、どこまでやれば応募していいのかが分かりにくい領域です。Winスクールは全国に教室があり、年齢やエリアの制限がありません。無料の体験・説明会で、Webの分野で何をどこまで作れば選考に出せるのか、いまの経験から見て何が足りないのかを直接聞けます。受講を決める必要はありません。今の会社にいながら、必要な分量だけ確かめておく使い方ができます。

\ 体験・説明会は無料です /

よくある質問

Webエンジニアは未経験からでもなれますか

なれます。成果物をそのまま提出できるため、経験のない人でも実力を示しやすい職種です。ただし、企業のホームページ開設率は令和6年時点で93.2%とほぼ飽和しており、新規で作る仕事は限られます。改修や外部サービスとの連携まで含めて理解しているかで差がつきます。

Web制作の仕事はもう減っているのですか

新しくサイトを立ち上げる仕事は減っています。総務省の調査では開設率が3年で1.4ポイントしか動いていません。一方、クラウドの全社的な利用は同じ3年で8.1ポイント増えており、仕組みを動かす側の仕事は増えています。

未経験なら何から学べばいいですか

HTML・CSS・JavaScriptで作れるようになるのが先です。そのうえで、データの置き場所と外部サービスとの連携まで説明できると、選考での見え方が変わります。作れることは前提で、差はその先で付きます。

Webエンジニアが入りやすいという話は、まだ本当です。
ただし入った先で求められているのは、作る力そのものよりも、すでに動いているものに手を入れられるかどうかでした。

※ 通信利用動向調査の企業編は、従業者100人以上の企業を対象にした調査です。小規模な事業者やこれから開業する事業者は含まれないため、ホームページ制作の需要が完全になくなるという意味ではありません。ここで読み取れるのは、一定規模以上の企業を相手にした場合の、新規開設と仕組みの更新という2つの需要の伸び方の違いです。

参考出典:総務省「令和6年 通信利用動向調査」報告書(企業編)第2章 ホームページの開設状況、第3章 クラウドコンピューティングの利用状況。※求人票の記述に関する部分は、筆者がIT・エンジニア領域の人材紹介に在籍していた際に見た募集内容に基づく整理です。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

銀行 10年M&A仲介・IT人材紹介 3年事業承継で経営

転職やキャリアのことで気になることがあれば、いつでも気軽に連絡してください。売り込みはしません。

未経験からIT転職転職・年収

コメント