第二新卒とは何か。大卒の33.8%が3年以内に辞めていて、会社の規模で2倍違った

オフィスで20代の男性が自分のデスクの私物を段ボールに詰めている。箱に「入社3年」「3人に1人」と手書きされ、奥のデスクでは他の社員が働いている 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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3年。第二新卒という言葉の境目は、だいたいここに引かれます。

学校を出て就職し、3年以内に転職する人。求人サイトによって「卒業後3年以内」「25歳前後まで」と幅はありますが、おおむね社会人1年目から3年目までを指す言葉です。

ただ、定義を調べても人数は出てきません。実際に何人がその状態にいるのかは、別のところに数字があります。

先に結論。大卒の3人に1人が、3年以内に辞めている

厚生労働省が毎年、新規学卒就職者の離職状況を公表しています。2026年10月24日に出た最新版から引きます。

令和4年3月に卒業して就職した人のうち、3年以内に離職した割合です。

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」2026年10月24日公表。雇用保険の加入届から新規学卒者と推定される就職者を算出し、離職日から離職率を出したもの
学歴 3年以内 前年差
中学 54.1% +3.6
高校 37.9% -0.5
短大等 44.5% -0.1
大学 33.8% -1.1

大卒で33.8%。3人に1人です。内訳は1年目12.1%、2年目11.9%、3年目9.9%で、どの年もほぼ同じペースで抜けていきます。

まず押さえておくこと
第二新卒は例外的な人たちではありません。大卒の3人に1人が通る道です。
前年からは1.1ポイント下がっています。増え続けているわけでもありません。

会社の規模で、2倍以上違う

ここからが本題です。同じ調査に、就職先の事業所規模別の数字があります。大卒で見ます。

同上。新規大卒就職者の事業所規模別・就職後3年以内離職率(令和4年3月卒業者)
事業所規模 3年以内 前年差
5人未満 57.5% -1.6
5〜29人 52.0% -0.7
30〜99人 41.9% -0.5
100〜499人 33.9% -1.3
500〜999人 31.5% -1.4
1,000人以上 27.0% -1.2
雑居ビルの一室にある小さな事務所。デスクが4つあり1つは空席で何も置かれていない。壁際に段ボールが積まれ、コピー機の上にも書類がある

5人未満が57.5%、1,000人以上が27.0%。差は30.5ポイントで、2.13倍あります。

平均の33.8%という数字は、この幅の真ん中あたりを指しているだけでした。自分が入った会社の規模によって、周りが辞める確率はまったく違います。

業界で見ると、情報通信業は低い側にある

産業別も出ています。大卒の3年以内離職率です。

宿泊業、飲食サービス業55.4%
生活関連サービス業、娯楽業54.7%
教育、学習支援業44.2%
医療、福祉40.8%
小売業40.4%
調査産業計33.8%
情報通信業27.2%

同上。新規大卒就職者の産業別・就職後3年以内離職率。バーの長さは60%を上限として描いています

最も高いのが宿泊業・飲食サービス業の55.4%。最も低い側に情報通信業の27.2%があります。産業計33.8%より6.6ポイント低く、宿泊・飲食とは28.2ポイント、2.04倍の開きです。

IT業界は離職率が高い、という話をよく聞きます。少なくとも新卒3年以内で見るかぎり、数字は逆でした。

ただし、この数字は入った会社がどこかで大きく変わります。産業で見た差が6.6ポイントなのに対し、規模で見た差は30.5ポイントありました。業界を選ぶより、どの規模の会社に入るかのほうが効いているということです。

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なぜ規模で差がつくのか

統計はここまでで、理由までは書かれていません。人材紹介にいたころに見た範囲で、思い当たることが3つあります。

任される幅が最初から違う

小さい会社は人が足りないので、1年目から広い範囲を任されます。伸びる人には合いますが、教える側の余力がないことも多い。分からないまま放置されると、そこで切れます。

比較対象が社内にいない

同期がいない、近い年次の先輩がいない。この状態だと、いま自分が遅れているのか順調なのかが判断できません。不安の出どころが、仕事の中身ではなく孤立にあるケースを何度も見ました。

辞めても次がある、と気づくのが早い

これは悪い話ではありません。小さい会社ほど採用の裾野が広く、入るのも出るのも早い。市場に自分の値段があると分かった時点で動く人が多い、という側面もあります。

年収そのものの差はSEの年収は574万か752万かで見ました。情報通信業では、1,000人以上と10〜99人で年収に203.5万円の差があります。

第二新卒として動く場合に効くこと

3人に1人が通る道だとしても、動き方で結果は変わります。

採用側が中途採用の選考で重視する項目のうち、学歴・経歴は23.1%と下位でした。上位は職業意識72.7%とコミュニケーション能力66.9%です。この内訳は既卒の就活は厳しいのかにまとめています。

職種を変える場合も、数字の上では珍しくありません。転職して専門的・技術的職業に就いた人の38.7%が、前は別の職業でした。詳しくは未経験から転職した人は82万人に書いています。

短い在籍期間そのものより、その期間に何をしていたかを言葉にできるかで判断されます。人材紹介にいたころ、1年で辞めた方でも、辞めた理由と次に何をしたいかを自分の言葉で説明できる人は通っていました。

よくある質問

第二新卒とは何ですか。

学校を卒業して就職し、おおむね3年以内に転職する人を指す言葉です。法的な基準はなく、企業や求人サイトによって「卒業後3年以内」「25歳前後まで」と範囲が異なります。

第二新卒は実際にどれくらいいますか。

厚生労働省が2026年10月24日に公表した令和4年3月卒業者の離職状況では、大卒の3年以内離職率は33.8%でした。3人に1人が該当します。高校卒は37.9%、短大等は44.5%、中学卒は54.1%です。

どんな会社だと3年以内に辞める人が多いですか。

事業所規模で大きく変わります。大卒の3年以内離職率は、5人未満が57.5%、1,000人以上が27.0%で、差は30.5ポイント、2.13倍です。

IT業界は離職率が高いのですか。

新卒3年以内で見るかぎり逆でした。大卒の情報通信業は27.2%で、産業計33.8%より6.6ポイント低く、最も高い宿泊業・飲食サービス業55.4%とは2.04倍の開きがあります。

この27.2%は、システムエンジニアはやめとけ?でも「辞める人が多い」を確かめる材料に使いました。

第二新卒の転職で何が見られますか。

厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査では、中途採用の選考で重視する項目のうち学歴・経歴は23.1%と下位でした。上位は職業意識・勤労意欲72.7%、コミュニケーション能力66.9%です。

同じ失敗を繰り返さないために、先に外す

第二新卒の転職でいちばん重いのは、前の会社を選んだときと同じ基準でもう一度選んでしまうことです。求人票からは、規模も配属先も教育体制も読み取れません。

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対象は20代・高卒以上で、東京・埼玉・神奈川での就職を希望する方です(現在の居住地は問いません)。30代の方は30代未経験ITの現実に別の選択肢をまとめています。

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第二新卒とは、学校を出て3年以内に動く人のことです。
大卒の33.8%、3人に1人がそこにいます。
次に確かめるのは会社の名前ではなく、規模と配属先の2つです。

※ 離職率は、事業所からハローワークに提出された雇用保険の加入届をもとに、各学歴で新規学卒者と推定される就職者数を算出し、その離職日から集計されたものです。離職理由や離職後の就業状態は問わず、辞めた時点で離職者として数えられます。したがって、より良い条件へ移った人と、そうでない人が同じ数字に含まれます。事業所規模は就職した先の規模であり、企業全体の規模とは一致しない場合があります。第二新卒の定義に法的な基準はなく、企業や求人サイトによって範囲が異なります。選考に関する記述は、筆者がIT・エンジニア領域の人材紹介に在籍していた際に見た傾向に基づく整理で、企業により異なります。

参考出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(2026年10月24日公表)、厚生労働省「新規学卒者の離職状況」、厚生労働省「令和5年 若年者雇用実態調査」事業所調査

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

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