エンジニアに向いている人・向いていない人|現場で”伸びた人・辞めた人”を分けた本当の違い

ステンドグラス風イラスト。人物の横顔の中に、電球・歯車・虫めがね・鍵といった思考や気づきを象徴するピースが色ガラスで組み込まれている。 未経験からIT転職
カツジン

書いている人:カツジン(元銀行員 → M&A仲介・IT人材紹介 → 経営)。企業が誰にいくら払うかを見てきた立場から書いています。詳しく

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「自分は、エンジニアに向いているんだろうか」。

その問いにたどり着いた時点で、あなたは慎重な人です。
そして実は、それ自体が悪くない兆候だったりします。

元・IT人材紹介のカツジンです。
未経験からエンジニアになった人を、たくさん送り出してきました。
伸びた人も、残念ながら早々に辞めた人も、両方を見てきました。

この記事で書くのは、ネットでよく見る「論理的思考力が必要」みたいな一般論ではありません。
現場で実際に、伸びた人と辞めた人を分けていた要素を、正直にお伝えします。

先に結論を言っておきます。

向き・不向きは、才能じゃない。
「続けられる習慣」を持っているかどうか。

※入社した後に実際どうなるかは「未経験でIT転職した後の1年」で、伸びた人と辞めた人の違いまで書きました。

まず、よくある「向いてない人」像を疑う

適性の話をすると、必ずこう言われます。
「理系じゃないと」「数学ができないと」「PCに詳しくないと」。

現場を見てきた実感として、これらはほとんど誤解です。

よくある誤解

「文系だから向いてない」→ 実際は文系出身者がたくさん活躍しています(文系からエンジニア)。

「数学が苦手だから無理」→ 多くの職種で使うのは四則演算レベル。高度な数学が要るのは一部の研究寄り領域だけ。

「PCオタクじゃないから」→ むしろ入社後に覚える人が大半。最初の詳しさは、あまり関係ありません。

これらは「入口の資格」ではなく、後から身につくもの
だから、向き・不向きの判断材料にはなりません。

では、本当に効いていた要素は何か。3つあります。

SUITED

本当に「向いている人」の3つの習慣

才能ではなく、習慣です。
だから、今なくても身につけられます。

① 分からないことを、少し楽しめる
エンジニアの仕事は、9割が「分からないことに向き合う時間」です。エラーが出て、原因を探して、直す。この繰り返しに耐えられる、できれば謎解きとして少し面白がれる人は、まず伸びます。逆に「分からない=苦痛」でしかないと、続きません。
② 分からないことを、そのままにできない
「なんとなく動いたからヨシ」で済ませず、「なぜ動いたのか」を確かめたくなる。この小さなこだわりが、数年後に大きな差になります。細かい違和感を放置しない性格は、テストやインフラの領域では特に武器になります。
③ 人に聞くことを、恥だと思わない
意外かもしれませんが、これが一番大きい。独学の挫折理由の上位は、いつも「聞ける人がいなかった」です。プライドが邪魔して抱え込む人より、「これ分かりません」とさっと聞ける人の方が、圧倒的に速く伸びます。技術力より先に、この習慣です。

気づいたでしょうか。
どれも「頭の良さ」ではなく、物事への向き合い方の話です。

DATA

辞めた理由を数えると、向き不向きは上位に来ない

ここまでは現場で見た話です。ただ、これは私の周りの範囲でしかありません。国の調査でも同じことが言えるのかを確かめました。

厚生労働省が毎年、転職した人に前職を辞めた理由を聞いています。令和6年の結果です。

8.2%仕事の内容に興味を持てなかった(4.4%)+ 能力・個性・資格を生かせなかった(3.8%)
▼ 3.4倍
27.7%給料等収入が少なかった(10.1%)+ 職場の人間関係が好ましくなかった(9.0%)+ 労働時間・休日等の労働条件が悪かった(8.6%)

出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表5(転職入職者が前職を辞めた理由別割合・男性)。女性は向き不向き系7.3%に対し、条件・人間関係系32.8%で4.5倍でした。全産業が対象の調査です

向き不向きが理由の離職は、1割に満たなかった

「仕事の内容に興味を持てなかった」と「能力・個性・資格を生かせなかった」。この2つが、いわゆる向き不向きにあたります。合わせて男性8.2%、女性7.3%でした。

一方で、給料・人間関係・労働時間の3つを足すと、男性27.7%、女性32.8%。3.4倍から4.5倍の開きがあります。

辞めていく人の多くは、向いていなかったから辞めているのではありません。条件が合わなかったか、人が合わなかったかで辞めています。この2つは、適性とは別のものです。

条件のうち残業については、システムエンジニアはやめとけ?で144職種を並べました。ソフトウェア作成者は月11時間で、ちょうど真ん中でした。

30代後半で「生かせているか」が出てくる

同じ表を年齢別に見ると、理由が入れ替わっていきます。

20代前半で最も多いのは給料(12.5%)で、25〜29歳ではさらに増えて16.9%。この年代では「仕事の内容に興味を持てなかった」は5〜6%台にとどまります。

ところが35〜39歳になると、「能力・個性・資格を生かせなかった」が7.9%まで上がります。他の年代の約2倍です。20代のうちは条件を見て動き、30代後半で自分が生かされているかを見るようになる。数字はそう読めます。

向き不向きの判断は、入る前ではなく、10年働いたあとに出てくる。

逆に言えば、いま向いているかどうかを考え込んでも、答えは出ません。判断材料が、まだ手元にないからです。

FLIP

「向いてない」と思っている人ほど、実は向いている

ここで、逆張りの話を。

人材紹介の現場で何度も見たのは、「自分なんて向いてない」と言う人ほど、入ってから伸びるという現象でした。

「細かいことが気になりすぎて、疲れる性格で…」

→ その神経質さ、エンジニアではバグを見つける才能です。適当な人には務まりません。

「一つのことを、つい調べ込んでしまう」

→ それは問題解決に必要な集中力そのもの。飽きっぽさより、よほど武器になります。

「人前で話すのが苦手で、営業も接客も向いてなかった」

→ 人ではなく機器を相手に成果を出せる世界があります。話すのが苦手なことは、弱点ではなくなります。

世間で「短所」とされる性質が、この職業では長所に反転する
だから、今の仕事で「向いてない」と感じてきた人にこそ、チャンスがあるんです。

ちなみに、営業からの転身については「営業からエンジニアは逃げじゃない」で詳しく書きました。

HONEST

正直に。「今は、やめておいた方がいい人」もいる

誠実に、逆も書きます。
現場で見て、続かなかった人には共通点がありました。

それは、性格でも学歴でもありません。
「手を動かさずに、正解だけ知りたがる」という姿勢です。

調べれば分かることを、自分で調べず人に答えだけ求める。
試す前に「これで合ってますか」と確認しないと動けない。
この癖があると、残念ながらIT系は苦しいです。

ただ、これも今の癖であって、性格ではありません。
「まず手を動かして、失敗して、直す」を小さく体験すると、たいてい変わります。
向いてないのではなく、そのやり方をまだ知らないだけのことが多い。

CHECK

結局、向き不向きは「試して」確かめるのが一番速い

ここまで3つの習慣を書いてきましたが、最後に本音を。

向いているかどうかを、頭で考えて結論を出すのは、ほぼ無理です。
やったことがないものへの適性は、やってみないと分からない。当たり前ですが。

だから、悩んで動けない状態がいちばんもったいない。

「向いてるか」は、悩むものじゃなく、
小さく試して確かめるもの。

幸い、今は無料でお試しができます。
プログラミングの無料体験を1回受けてみるだけで、「分からないことに向き合う時間」が自分にとって苦痛か、それとも意外と面白いか。体感で分かります。頭の中の不安より、この30分の方が正確です。

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合わなければ、やめればいい。確かめるだけならタダです。

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FAQ

※選考段階の準備は「未経験IT転職の面接対策」にまとめています。

よくある質問

コミュニケーションが苦手でもエンジニアになれますか?

なれます。むしろ人より機器を相手に成果を出す職種(インフラ・テストなど)は多く、話すのが得意でないことが弱点になりにくい世界です。ただしチーム開発では最低限の報告・相談は必要になります。詳しくは「コードが苦手でもなれるIT職」へ。

飽きっぽい性格ですが向いていますか?

「新しい技術を次々学ぶのが楽しい」というタイプの飽きっぽさなら、むしろ向いています。逆に「一つの問題を追い続けるのが苦痛」だと、やや苦しい場面はあります。ただ職種によって求められる粘り強さの度合いは違うので、一概には言えません。

向いているか、どうやって確かめればいいですか?

頭で考えるより、無料体験などで一度手を動かすのが最速です。「分からないことに向き合う時間」を面白いと感じるか、苦痛に感じるか。この体感が、どんな適性診断より正確です。

向いていなかった場合、IT以外の選択肢はありますか?

もちろんあります。ただ「一度も試さずに向いていないと決める」のはもったいない。試した上で合わなければ、その経験自体が次の選択の役に立ちます。全体像は「未経験からIT転職・現実的ロードマップ」を参考にしてください。

まとめ

向き不向きは、才能ではなく向き合い方

整理します。

文系・数学苦手・PC音痴は、向いてない理由になりません。
本当に効くのは、分からないことを楽しめる/放置しない/人に聞ける、の3つの習慣。
そして世間で短所とされる性質ほど、この職業では長所に反転します。

何より、向いているかは、悩んで決めるものではなく、試して確かめるもの。

「向いてるか」を1年悩むより、
無料体験の30分の方が、答えに近い。

なお、いま「向いていない」と感じているのが職種の話なのか職場の話なのかは、先に分けたほうが早いです。公的データを使った切り分け方を「仕事が向いてないは、たいてい職場の話でした」にまとめました。

▶ 具体的な職種の選び方は「エンジニア職種図鑑」、進め方の全体像は「未経験からIT転職・現実的ロードマップ」へ。


筆者:カツジン(平成2年生まれ・九州在住)。銀行で10年決算書を読み、そのあとM&A仲介とITエンジニアの人材紹介を3年。会社の値段と、人の市場価値が決まる瞬間を、内側から見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。詳しくは運営者情報へ。

本記事について
「向いている人・向いていない人」の要素は、筆者がIT・エンジニア領域の人材紹介で見てきた、未経験入職者の定着・活躍の傾向に基づく整理です。適性の感じ方には個人差があり、最終的には実際に試して判断することをおすすめします。

本記事の離職理由は厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表5(転職入職者が前職を辞めた理由別割合)に基づきます。全産業を対象とした調査であり、IT・情報通信業に限定した数値ではありません。「その他の個人的理由」「その他の理由(出向等を含む)」を除いた比較のため、割合の合計は100%になりません。向き不向きに関する記述は、筆者が人材紹介に在籍した期間の見聞に基づく整理です。

カツジン

この記事を書いた人:カツジン

平成2年生まれ・九州在住

元銀行員。M&A仲介とIT人材紹介の会社で、会社の値段と人の市場価値が決まる現場を3年見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。

誰に、何のために書いているか

文系・未経験からITへ動くか迷っている人に向けて書いています。国の統計と、人材紹介で「企業が誰にいくら払うか」をみてきた経験から、いまどこにいて次に何をすれば年収が動くのかを書いています。きれいごとは書きません。

約束していること

数字は一次情報まで遡って確かめます。向いていない人がいることも、そのまま書きます。記事には広告を含みますが、条件に合わない人には勧めません。

銀行 10年M&A仲介・IT人材紹介 3年事業承継で経営

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