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「自分は、エンジニアに向いているんだろうか」。
その問いにたどり着いた時点で、あなたは慎重な人です。
そして実は、それ自体が悪くない兆候だったりします。
元・IT人材紹介のカツジンです。
未経験からエンジニアになった人を、たくさん送り出してきました。
伸びた人も、残念ながら早々に辞めた人も、両方を見てきました。
この記事で書くのは、ネットでよく見る「論理的思考力が必要」みたいな一般論ではありません。
現場で実際に、伸びた人と辞めた人を分けていた要素を、正直にお伝えします。
先に結論を言っておきます。
向き・不向きは、才能じゃない。
「続けられる習慣」を持っているかどうか。
※入社した後に実際どうなるかは「未経験でIT転職した後の1年」で、伸びた人と辞めた人の違いまで書きました。
まず、よくある「向いてない人」像を疑う
適性の話をすると、必ずこう言われます。
「理系じゃないと」「数学ができないと」「PCに詳しくないと」。
現場を見てきた実感として、これらはほとんど誤解です。
よくある誤解
「文系だから向いてない」→ 実際は文系出身者がたくさん活躍しています(文系からエンジニア)。
「数学が苦手だから無理」→ 多くの職種で使うのは四則演算レベル。高度な数学が要るのは一部の研究寄り領域だけ。
「PCオタクじゃないから」→ むしろ入社後に覚える人が大半。最初の詳しさは、あまり関係ありません。
これらは「入口の資格」ではなく、後から身につくもの。
だから、向き・不向きの判断材料にはなりません。
では、本当に効いていた要素は何か。3つあります。
SUITED
本当に「向いている人」の3つの習慣
才能ではなく、習慣です。
だから、今なくても身につけられます。
気づいたでしょうか。
どれも「頭の良さ」ではなく、物事への向き合い方の話です。
DATA
辞めた理由を数えると、向き不向きは上位に来ない
ここまでは現場で見た話です。ただ、これは私の周りの範囲でしかありません。国の調査でも同じことが言えるのかを確かめました。
厚生労働省が毎年、転職した人に前職を辞めた理由を聞いています。令和6年の結果です。
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表5(転職入職者が前職を辞めた理由別割合・男性)。女性は向き不向き系7.3%に対し、条件・人間関係系32.8%で4.5倍でした。全産業が対象の調査です
向き不向きが理由の離職は、1割に満たなかった
「仕事の内容に興味を持てなかった」と「能力・個性・資格を生かせなかった」。この2つが、いわゆる向き不向きにあたります。合わせて男性8.2%、女性7.3%でした。
一方で、給料・人間関係・労働時間の3つを足すと、男性27.7%、女性32.8%。3.4倍から4.5倍の開きがあります。
辞めていく人の多くは、向いていなかったから辞めているのではありません。条件が合わなかったか、人が合わなかったかで辞めています。この2つは、適性とは別のものです。
条件のうち残業については、システムエンジニアはやめとけ?で144職種を並べました。ソフトウェア作成者は月11時間で、ちょうど真ん中でした。
30代後半で「生かせているか」が出てくる
同じ表を年齢別に見ると、理由が入れ替わっていきます。
20代前半で最も多いのは給料(12.5%)で、25〜29歳ではさらに増えて16.9%。この年代では「仕事の内容に興味を持てなかった」は5〜6%台にとどまります。
ところが35〜39歳になると、「能力・個性・資格を生かせなかった」が7.9%まで上がります。他の年代の約2倍です。20代のうちは条件を見て動き、30代後半で自分が生かされているかを見るようになる。数字はそう読めます。
逆に言えば、いま向いているかどうかを考え込んでも、答えは出ません。判断材料が、まだ手元にないからです。
FLIP
「向いてない」と思っている人ほど、実は向いている
ここで、逆張りの話を。
人材紹介の現場で何度も見たのは、「自分なんて向いてない」と言う人ほど、入ってから伸びるという現象でした。
「細かいことが気になりすぎて、疲れる性格で…」
→ その神経質さ、エンジニアではバグを見つける才能です。適当な人には務まりません。
「一つのことを、つい調べ込んでしまう」
→ それは問題解決に必要な集中力そのもの。飽きっぽさより、よほど武器になります。
「人前で話すのが苦手で、営業も接客も向いてなかった」
→ 人ではなく機器を相手に成果を出せる世界があります。話すのが苦手なことは、弱点ではなくなります。
世間で「短所」とされる性質が、この職業では長所に反転する。
だから、今の仕事で「向いてない」と感じてきた人にこそ、チャンスがあるんです。
ちなみに、営業からの転身については「営業からエンジニアは逃げじゃない」で詳しく書きました。
HONEST
正直に。「今は、やめておいた方がいい人」もいる
誠実に、逆も書きます。
現場で見て、続かなかった人には共通点がありました。
それは、性格でも学歴でもありません。
「手を動かさずに、正解だけ知りたがる」という姿勢です。
調べれば分かることを、自分で調べず人に答えだけ求める。
試す前に「これで合ってますか」と確認しないと動けない。
この癖があると、残念ながらIT系は苦しいです。
ただ、これも今の癖であって、性格ではありません。
「まず手を動かして、失敗して、直す」を小さく体験すると、たいてい変わります。
向いてないのではなく、そのやり方をまだ知らないだけのことが多い。
CHECK
結局、向き不向きは「試して」確かめるのが一番速い
ここまで3つの習慣を書いてきましたが、最後に本音を。
向いているかどうかを、頭で考えて結論を出すのは、ほぼ無理です。
やったことがないものへの適性は、やってみないと分からない。当たり前ですが。
だから、悩んで動けない状態がいちばんもったいない。
「向いてるか」は、悩むものじゃなく、
小さく試して確かめるもの。
幸い、今は無料でお試しができます。
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FAQ
※選考段階の準備は「未経験IT転職の面接対策」にまとめています。
よくある質問
コミュニケーションが苦手でもエンジニアになれますか?
なれます。むしろ人より機器を相手に成果を出す職種(インフラ・テストなど)は多く、話すのが得意でないことが弱点になりにくい世界です。ただしチーム開発では最低限の報告・相談は必要になります。詳しくは「コードが苦手でもなれるIT職」へ。
飽きっぽい性格ですが向いていますか?
「新しい技術を次々学ぶのが楽しい」というタイプの飽きっぽさなら、むしろ向いています。逆に「一つの問題を追い続けるのが苦痛」だと、やや苦しい場面はあります。ただ職種によって求められる粘り強さの度合いは違うので、一概には言えません。
向いているか、どうやって確かめればいいですか?
頭で考えるより、無料体験などで一度手を動かすのが最速です。「分からないことに向き合う時間」を面白いと感じるか、苦痛に感じるか。この体感が、どんな適性診断より正確です。
向いていなかった場合、IT以外の選択肢はありますか?
もちろんあります。ただ「一度も試さずに向いていないと決める」のはもったいない。試した上で合わなければ、その経験自体が次の選択の役に立ちます。全体像は「未経験からIT転職・現実的ロードマップ」を参考にしてください。
まとめ
向き不向きは、才能ではなく向き合い方
整理します。
文系・数学苦手・PC音痴は、向いてない理由になりません。
本当に効くのは、分からないことを楽しめる/放置しない/人に聞ける、の3つの習慣。
そして世間で短所とされる性質ほど、この職業では長所に反転します。
何より、向いているかは、悩んで決めるものではなく、試して確かめるもの。
無料体験の30分の方が、答えに近い。
なお、いま「向いていない」と感じているのが職種の話なのか職場の話なのかは、先に分けたほうが早いです。公的データを使った切り分け方を「仕事が向いてないは、たいてい職場の話でした」にまとめました。
▶ 具体的な職種の選び方は「エンジニア職種図鑑」、進め方の全体像は「未経験からIT転職・現実的ロードマップ」へ。
筆者:カツジン(平成2年生まれ・九州在住)。銀行で10年決算書を読み、そのあとM&A仲介とITエンジニアの人材紹介を3年。会社の値段と、人の市場価値が決まる瞬間を、内側から見てきました。いまは事業承継で小さな会社を経営しています。詳しくは運営者情報へ。
本記事について
「向いている人・向いていない人」の要素は、筆者がIT・エンジニア領域の人材紹介で見てきた、未経験入職者の定着・活躍の傾向に基づく整理です。適性の感じ方には個人差があり、最終的には実際に試して判断することをおすすめします。
本記事の離職理由は厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」表5(転職入職者が前職を辞めた理由別割合)に基づきます。全産業を対象とした調査であり、IT・情報通信業に限定した数値ではありません。「その他の個人的理由」「その他の理由(出向等を含む)」を除いた比較のため、割合の合計は100%になりません。向き不向きに関する記述は、筆者が人材紹介に在籍した期間の見聞に基づく整理です。


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