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総務省の日本標準職業分類を開くと、「エンジニア」という言葉は職業名として出てきません。代わりにあるのが「技術者」です。
国勢調査は、この技術者を1つの区分にまとめて数えています。2020年は269万人。就業者の4.7%です。
数えてみると、その半分近くの125万人がIT技術者でした。年収は全職種の平均より105万円高く、求人がいちばん余っているのはITではなく建設の技術者です。定義、人数、年収、求人の順に確かめます。
国の分類に「エンジニア」はない。あるのは「技術者」
国勢調査に使う職業分類は、技術者を次のように説明しています。長いので、要点だけ抜きます。
ひとことで言えば、科学の知識を、ものづくりや建設やシステムに応用する人です。研究者は別の区分で、医療の技術者(臨床検査技師など)も別系統です。
日本標準職業分類(平成21年12月告示)では、技術者は6つの中分類に分かれます。農林水産技術者、製造技術者(開発)、製造技術者(開発を除く)、建築・土木・測量技術者、情報処理・通信技術者、その他の技術者です。
作る人と、作る工程を回す人
製造の技術者は、2つに分かれています。製品の開発・設計をする「製造技術者(開発)」と、生産の工程設計や品質管理、発送電の設備の維持などをする「製造技術者(開発を除く)」です。
同じ機械技術者でも、新しい製品を設計する人と、工場のラインを回す人は、国の分類では別の職業です。
IT技術者は、分析・企画・開発・管理・通信
情報処理・通信技術者は、適用業務の分析、システムの企画、プログラムの開発、システムの管理、通信ネットワークの構築・保守を担う職業です。
分類の例示では、プログラマーや社内のシステムエンジニアはソフトウェア作成者に、サーバー管理者や情報セキュリティ技術者はシステム運用管理者に入ります。
技術者は269万人。その半分近くがIT
国勢調査(2020年)の職業小分類で、技術者の人数を並べます。
| 職業(小分類) | 就業者 |
|---|---|
| IT技術者125.4万人・46.6% | |
| システムコンサルタント・設計者 | 65.7万 |
| ソフトウェア作成者 | 39.0万 |
| その他の情報処理・通信技術者 | 20.7万 |
| 製造の技術者80.2万人・29.8% | |
| 電気・電子・電気通信技術者 | 30.5万 |
| 機械技術者 | 24.3万 |
| 輸送用機器技術者 | 13.7万 |
| 化学技術者 | 9.1万 |
| 金属技術者 | 2.6万 |
| 建設の技術者50.6万人・18.8% | |
| 土木・測量技術者 | 26.4万 |
| 建築技術者 | 24.3万 |
| そのほか13.0万人・4.8% | |
| その他の技術者 | 7.9万 |
| 農林水産・食品技術者 | 5.1万 |
| 技術者の合計 | 269.3万 |
令和2年国勢調査 抽出詳細集計 第10表(職業小分類・男女計・15歳以上)。10人単位の推計値。4つのまとまりと構成比は当編集部による。電気・電子・電気通信技術者は「通信ネットワーク技術者を除く」。出典:総務省統計局(e-Stat)
技術者269.3万人のうち、IT技術者は125.4万人で46.6%。国の数え方では、エンジニアの2人に1人近くがITの仕事をしています。次が電気・機械・輸送機器などの製造で29.8%、建築・土木の建設が18.8%です。
小分類でいちばん多いのは、システムコンサルタント・設計者の65.7万人。女性の割合は技術者全体で12.5%、IT技術者では16.9%でした。
年収は、全職種の平均より105万円高い
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)は、技術者を12の職種に分けて賃金を公表しています。年収の高い順に並べます。
| 職種 | 年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| システムコンサルタント・設計者 | 889.0万 | 38.3歳 |
| 輸送用機器技術者 | 725.4万 | 41.4歳 |
| 電気・電子・電気通信技術者 | 703.9万 | 42.1歳 |
| 建築技術者 | 679.1万 | 43.4歳 |
| 機械技術者 | 659.0万 | 42.3歳 |
| 化学技術者 | 641.7万 | 41.5歳 |
| 土木技術者 | 625.0万 | 46.0歳 |
| 他に分類されない技術者 | 611.9万 | 43.9歳 |
| その他の情報処理・通信技術者 | 609.8万 | 42.2歳 |
| 金属技術者 | 606.9万 | 43.8歳 |
| ソフトウェア作成者 | 578.5万 | 37.1歳 |
| 測量技術者 | 543.1万 | 46.1歳 |
| 技術者12職種(加重平均) | 650.9万 | — |
| 全職種 | 545.6万 | 44.4歳 |
令和7年賃金構造基本統計調査 職種第1表(民営・企業規模10人以上・男女計)。年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で当編集部が算出。技術者12職種の平均は労働者数で重み付けした値。全職種は産業大分類第1表の産業計。出典:厚生労働省(e-Stat・2026年3月24日公開)
技術者12職種を人数で重み付けした平均は650.9万円で、全職種の545.6万円より105万円高い。いちばん高いのはIT技術者のシステムコンサルタント・設計者で889.0万円です。
一方で、プログラムを書くソフトウェア作成者は578.5万円で、下から2番目です。人数は技術者12職種の26.4%でいちばん多い。平均年齢が37.1歳と最も若いことも、この数字に効いています。
IT技術者は、同じITの中で889万円と578万円に分かれます。設計する側と書く側の違いは、SEの4種類を並べた記事で確かめました。
システムエンジニアとはどんな仕事か。厚労省の4種類のSEを並べたら、自分でコードを書くのは2種類だけだった
技術者の半分近くはITで、ITの中にも889万円の席と578万円の席があります。ただ、設計や企画の席は、働いている人の多くが入職前の実務経験を必要と考える職業です。
未経験の入口は、コードを書く席や、システムを見守る席に開いています。
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求人がいちばん余っているのは、建設の技術者

最後に、席の数です。厚生労働省の一般職業紹介状況から、技術者の中分類ごとの有効求人倍率(2025年度)を並べます。
| 職業(中分類) | 倍率 | 月平均求人 |
|---|---|---|
| 建築・土木・測量技術者 | 5.58倍 | 58,802 |
| 製造技術者(開発) | 1.88倍 | 14,926 |
| 情報処理・通信技術者 | 1.45倍 | 52,799 |
| 製造技術者(開発を除く) | 0.75倍 | 12,067 |
| 職業計 | 1.10倍 | 2,082,390 |
有効求人倍率と月平均の有効求人数(パートタイムを含む常用・2025年度)。ハローワークの求人・求職のみ。「その他の技術者」は2024年度に求人が一時的に急増した影響で4.88倍と高く出ているため省いた。出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」長期時系列表 第21表(e-Stat)
建築・土木・測量の技術者は5.58倍で、求職者1人に5件以上の求人があります。求人の数(月5万8,802件)も、ITの5万2,799件より多い。
ITは1.45倍で、職業計の1.10倍より高い位置にいます。同じ製造でも、開発は1.88倍、工程を回す側は0.75倍で職業計を下回りました。
つまり、エンジニアの席の多さは、分野と「作るか、回すか」で大きく変わります。ITの求人倍率が5年でどう動いたかは、別に書きました。
Webエンジニアはオワコンか。国の統計を5年並べたら、市場は2割以上伸び、求人倍率は2.22倍から1.45倍に下がっていた
ITのエンジニアを、職種ごとに確かめる
このサイトはIT転職のサイトなので、ここから先はIT技術者に絞ります。125万人のIT技術者は、さらに細かい職業に分かれていて、職業ごとに入口の広さが違います。
IT関連の21職業を求人倍率で並べた一覧と、職種ごとの仕事の中身は、それぞれ別に書いています。
ITエンジニアとはどんな仕事か。厚労省の職業情報にあるIT職種21個を求人倍率で並べたら、0.11倍から8.91倍まで開いていた
インフラエンジニアとはどんな仕事か。厚労省は「守る」と「作る」の2職業に分けていて、入口は守る側だった
Webエンジニアとはどんな仕事か。厚労省の31タスクを見たら、作るより直す仕事で、ネット業界の売上の8割超はサービスを動かす側にあった
よくある質問
エンジニアとは何をする人ですか?
国の職業分類では「技術者」にあたり、科学的・専門的な知識と手段を応用して、製品の開発・設計、生産の工程設計や品質管理、建築・土木の設計や施工管理、システムの企画・開発・管理、通信ネットワークの構築・保守などを担う職業です(総務省統計局「令和2年国勢調査に用いる職業分類」)。研究者や医療の技術者は別の区分です。
エンジニアにはどんな種類がありますか?
日本標準職業分類(平成21年12月告示)では、技術者は農林水産技術者、製造技術者(開発)、製造技術者(開発を除く)、建築・土木・測量技術者、情報処理・通信技術者、その他の技術者の6つに分かれます。2020年の国勢調査では技術者は269.3万人で、IT技術者が125.4万人(46.6%)、製造の技術者が80.2万人、建設の技術者が50.6万人です。
エンジニアの年収はいくらですか?
令和7年賃金構造基本統計調査の技術者12職種の年収(当編集部算出)を人数で重み付けすると650.9万円で、全職種の545.6万円より105万円高くなります。最も高いのはシステムコンサルタント・設計者の889.0万円、最も低いのは測量技術者の543.1万円で、ソフトウェア作成者は578.5万円です。
未経験から入りやすいエンジニアはどれですか?
2025年度のハローワークの有効求人倍率は、建築・土木・測量技術者が5.58倍、製造技術者(開発)が1.88倍、情報処理・通信技術者が1.45倍、製造技術者(開発を除く)が0.75倍です。IT技術者の中でも職業によって入口の広さは違い、厚生労働省の職業情報ではIT関連の職業ごとに求人倍率や入職前に必要な経験が公表されています。
国の分類がIT技術者の仕事として挙げているのは、分析、企画、開発、管理です。未経験で入るなら、そのうちの開発を、応募する前に自分の手で1度通しておくのが近道です。
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国の分類にエンジニアという職業はなく、269万人の技術者がいました。
その半分近くが、ITの席に座っています。
参考出典
総務省日本標準職業分類(平成21年12月告示)/総務省統計局令和2年国勢調査(抽出詳細集計・職業分類)
厚生労働省令和7年賃金構造基本統計調査・一般職業紹介状況
国勢調査の職業小分類は抽出集計の推計値で、日本標準職業分類の小分類をまとめた区分です。賃金構造基本統計調査と一般職業紹介状況は、職業の区分の細かさがそれぞれ異なります。年収は各統計の月額と賞与から当編集部が算出した推定値です。サービス内容・対象条件は公式サイトの記載(2026年9月時点)を確認してください。


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