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高卒だと、エンジニアは厳しいのか。
いちばん多く検索されている疑問が、これでした。
先に答えを書きます。厳しいのは学歴ではなく、入口の選び方です。元IT人材紹介として、まず実際の割合から出します。
IT人材100人の学歴を、数えてみる
IPA(情報処理推進機構)が、IT人材1,000人に最終学歴を聞いた調査があります。一般的なIT業務に携わる500人の内訳を、100人に置き換えるとこうなります。
出典:IPA「IT人材白書2020」図表3-4-5(最終学歴・先端IT非従事者 N=500)。高等学校16.8%、専門学校16.8%、短期大学4.8%、高専2.2%、中学校0.6%の合計41.2%を非大卒として算出しました。2020年公表の調査です。
高卒は珍しくありません。6人に1人が高校卒で、専門学校卒を足せば3人に1人になります。
「高卒だとエンジニアは無理」という前提は、少なくとも数字とは合っていません。
ただし、領域によって話が変わる
ここは正直に線を引きます。同じ調査で、AI・データサイエンスなどの先端ITに携わる人の学歴を見ると、数字が入れ替わります。
IT業務
(AI・データ)
出典:同上・図表3-4-5。先端IT=AI・データサイエンス・IoT・ブロックチェーン・5G等に携わる人材、それ以外を一般的なIT業務としています。
先端ITでは4人に3人が大卒以上。大学院修士が14.4%を占めます。研究に近い領域ほど、学歴の分布は偏ります。
つまり「エンジニアは学歴不問」も「高卒は無理」も、どちらも雑です。どの領域を狙うかで答えが変わる。
なお、エンジニア以外も含めて職業ごとの入りやすさを比べたい方は、高卒フリーターの職業選びを求人倍率で見た記事にハローワークの実数を並べています。
では、賃金はどれだけ違うのか
学歴の割合は分かりました。次は金額です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査に、学歴別と産業別の数字があります。
所定内給与の12か月分に、年間賞与を足した金額で並べます。
| 高校卒 | 大学卒 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 産業計 | 422.9 | 589.4 | 166.5 |
| 情報通信業 | 535.8 | 608.7 | 72.9 |
産業全体では、大学卒と高校卒の差が166.5万円あります。率にして39.4%です。
ところが情報通信業では、その差が72.9万円まで縮みます。13.6%です。
学歴による年収差は、情報通信業では産業全体の2.3分の1しかない。
産業計166.5万円に対して、情報通信業は72.9万円。学歴で開く幅そのものが、この業界では小さくなっています。
もうひとつの見方があります。同じ高校卒が、産業全体と情報通信業でどれだけ違うかです。
422.9万円と535.8万円で、112.9万円の差がありました。大学卒で同じ比較をすると、589.4万円と608.7万円で19.3万円です。
情報通信業に入ることの金額的な意味は、高校卒のほうが5.8倍大きいことになります。学歴が下にあるほど、この業界を選ぶ効果が大きく出る構造です。
なお情報通信業で働く高校卒は、この調査で14万4,240人が集計対象になっています。例外的な少数ではありません。
ただし、差がゼロになるわけではない
不都合な数字も出しておきます。同じ情報通信業のなかで、年齢が上がるほど学歴差は開いていきます。所定内給与の月額で見た差です。
| 年齢 | 高校卒 | 大学卒 | 差 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 229.8 | 252.2 | 22.4 |
| 25〜29歳 | 247.9 | 288.8 | 40.9 |
| 30〜34歳 | 293.5 | 344.2 | 50.7 |
| 35〜39歳 | 313.8 | 403.1 | 89.3 |
入口の20代前半では、月2万2千円の差です。それが30代後半になると月8万9千円まで開きます。
ここは学歴そのものというより、任される仕事の幅が効いてくる部分だと見ています。人材紹介にいたころ、30代で伸びていた高卒の方は、設計や後輩の育成といった、手を動かす以外の役割を早い段階で持っていました。入口の差より、入ったあと何を任されるかのほうが後で効いてきます。
なぜ、入口で差がつくのか
実務では学歴を聞かれなくなります。ただし入口だけは別です。理由は3つでした。
3番目が、実はいちばん大きい。「高卒可の求人がない」のではなく、探し方の問題であることが多いです。
学歴の差そのものより重いのは、書類の段階で読まれずに落ちることです。学歴欄は、中身を読む前に絞り込むために使われます。
JAICの就職カレッジには書類選考がありません。先に無料の研修を受け、それを見たうえで企業が面談する形だからです。この記事で見た「学歴が23.1%と下位」という選考の実態が、そのまま働く場面から始められます。
対象は18〜35歳で、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・京都・兵庫・愛知・福岡など12都府県での就職を希望する方です。
\ 参加・相談はすべて無料です /
学歴の代わりになるもの
採用側が見たいのは「入社後に伸びるか」です。学歴はその代理指標にすぎません。代わりになるものは、あります。

代わりになる
- 資格(CCNA・基本情報など、範囲が公開されているもの)
- 学習を続けた記録
- 前職での実績(数字で言えるもの)
- 作ったものがあるなら、それ
代わりにならない
- やる気・熱意だけの表明
- 教材を買った、講座に申し込んだ
- 「これから勉強します」
特にインフラ・ネットワーク領域は、資格が学歴の代わりとして機能しやすい領域です。試験範囲が公開されていて、受かったかどうかが誰にでも同じ意味で伝わるからです(資格が効く職種・効かない職種は以前まとめました)。
専攻についても同じ構造が働いています。文系がSEの最大勢力である理由も、あわせてどうぞ。
学歴を要件にしていない入口から入る
ネットビジョンアカデミーは、ネットワークに特化して、CCNA取得から就職までを扱う無料のスクールです。受講料とテキスト代が無料と公称しています。受講者ではなく、採用する企業側が紹介料を払う仕組みだからです。
この記事の文脈で重要なのは、公式が「職歴・学歴は不問」と明記している点です。資格を取ってから就職に進む流れなので、学歴の代わりになるものを先に手に入れられます。説明会は無料で、契約の場ではありません。
対象の条件 32歳までの方が対象です(職歴・学歴は不問)。求人は首都圏が中心で、在職中の方向けにオンラインのコースがあります。
\ 説明会は無料・職歴学歴不問・32歳まで /
学歴による賃金の差そのものがどう動くかは、高卒の平均年収は346万円で、年齢階級ごとに並べて確かめました。差が大きく開くのは35歳を過ぎてからです。
入った会社の規模で何が変わるかは、第二新卒とは何かのほうで見ました。3年以内に辞める割合が、5人未満と1,000人以上で2.13倍違っています。
よくある質問
高卒でエンジニアになるのは厳しいですか
領域によります。一般的なIT業務では非大卒が41.2%を占め、高校卒だけで16.8%います。一方でAI・データサイエンスなどの先端IT領域は大卒以上が74.8%で、学歴の分布が偏ります。まずどの領域を狙うかを決めるのが先です。
エンジニアの高卒の割合はどれくらいですか
IPAの調査では、一般的なIT業務に携わる人材のうち高等学校卒が16.8%、専門学校卒が16.8%でした。合わせると3人に1人が高卒または専門卒という計算になります。
高卒エンジニアの年収はいくらですか
職種と経験年数で決まるため、学歴だけで一律には言えません。IT職の年収がどう動くかは、未経験からの入職後の推移を別記事にまとめています。学歴より、どの職種でどんな経験を積んだかのほうが金額に効きます。
高卒エンジニアにおすすめの資格は何ですか
目指す領域によりますが、インフラ・ネットワークならCCNA、IT全般の基礎なら基本情報技術者が入口になります。どちらも試験範囲が公開されており、合格が誰にでも同じ意味で伝わる点が学歴の代わりとして機能します。
学歴不問の求人はどこで探せばいいですか
大手の求人サイトでは表に出にくいため、未経験や学歴不問を専門に扱うエージェントやスクール経由のほうが見つかりやすい傾向があります。求人が存在しないのではなく、届いていないだけという場合が少なくありません。
「高卒だから厳しい」は、正確ではありませんでした。
一般的なIT業務では、4割が非大卒。厳しいのは学歴そのものではなく、学歴を要件にしている入口を選んでしまうことです。
選ぶ場所を変えれば、条件は変わります。
※ 本記事の統計はIPA「IT人材白書2020」(IT人材1,000人への調査・2020年公表)に基づきます。非大卒41.2%は、公表されている学歴別の割合を合計して算出したものです。採用現場に関する記述は、筆者が人材紹介に在籍した期間の見聞に基づく整理です。
参考出典:IPA(情報処理推進機構)「IT人材白書2020」(図表3-4-5「先端IT従事者、先端IT非従事者の最終学歴」190ページ)、厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」(学歴別・産業別の賃金。一般労働者・産業大分類の統計表による)


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